解答・解説
第1科目:危険物に関する法令
問1 正解:(2)危険物には固体と液体があり、気体は含まれない
消防法別表第一に掲げる物品で、同表に定める区分に応じ同表の性質欄に掲げる性状を有するものをいいます。気体(プロパンガスなど)は高圧ガス保安法の対象であり、消防法上の危険物には含まれません。危険物は第1類から第6類まで6分類です。
問2 正解:(4)6.0
指定数量の倍数=各品名の貯蔵量÷指定数量の合計です。ガソリン(第1石油類非水溶性)の指定数量は200Lなので400÷200=2.0、灯油(第2石油類非水溶性)は1,000Lなので2,000÷1,000=2.0、重油(第3石油類非水溶性)は2,000Lなので4,000÷2,000=2.0。合計=2.0+2.0+2.0=6.0です。
問3 正解:(5)移動タンク貯蔵所は取扱所に分類される
移動タンク貯蔵所(タンクローリー)は「貯蔵所」に分類されます。取扱所ではありません。貯蔵所は屋内・屋外・屋外タンク・屋内タンク・地下タンク・簡易タンク・移動タンクの7種類です。
問4 正解:(4)製造所等を設置するには、市町村長等の許可が必要である
製造所等を設置しようとする者は、市町村長等(市町村長・都道府県知事・総務大臣)の許可を受けなければなりません。位置・構造・設備の変更も許可が必要であり、届出だけでは足りません。完成検査に合格しなければ使用できません。
問5 正解:(3)製造所、屋外タンク貯蔵所、屋外貯蔵所
保安距離が必要な施設は、製造所・屋内貯蔵所・屋外貯蔵所・屋外タンク貯蔵所・一般取扱所の5つです。選択肢(3)の3施設はすべて該当します。地下タンク・移動タンク・簡易タンク・給油取扱所には保安距離は不要です。
問6 正解:(4)窓にガラスを用いる場合は、強化ガラスを使用すること
窓にガラスを用いる場合は、網入りガラスを使用しなければなりません。強化ガラスではありません。網入りガラスは割れても飛散しにくいため、火災時の安全性を高めます。
問7 正解:(3)防油堤の容量は、タンク容量の110%以上とする
防油堤の容量は、最大タンクの容量の110%以上と定められています。また、防油堤の高さは0.5m以上で、堤内面積は80,000㎡以下です。タンクの基数は10基以下とされています。
問8 正解:(5)タンクの材質はステンレス鋼に限られる
移動タンク貯蔵所のタンクの材質は厚さ3.2mm以上の鋼板とされていますが、ステンレス鋼に限定されてはいません。容量30,000L以下、4,000L以下ごとの間仕切り、常置場所の届出、完成検査済証等の備え付けはいずれも正しい基準です。
問9 正解:(5)固定給油設備のホースの長さは、5m以下であること
固定給油設備のホース長さは5m以下(懸垂式は6m以下)です。給油空地は間口10m以上・奥行6m以上が必要です。給油取扱所に保安距離は不要ですが、周囲には塀や壁を設けます。
問10 正解:(3)免状の写真は、撮影から5年以内のものに書き換えなければならない
免状の写真の書換え期限は、撮影から10年以内です。5年ではありません。書換え申請は、免状を交付した都道府県知事または居住地・勤務地の都道府県知事に行います。
問11 正解:(1)危険物保安監督者は、甲種または乙種の免状を持ち、6か月以上の実務経験が必要である
危険物保安監督者は、甲種または乙種の危険物取扱者免状を持ち、6か月以上の実務経験がある者の中から選任します。丙種免状では選任できません。選任・解任の届出は市町村長等に行います。
問12 正解:(5)予防規程はすべての製造所等で必ず定めなければならない
予防規程を定める義務があるのは、一定規模以上の製造所等(指定数量の倍数が10以上の製造所、指定数量の倍数が150以上の屋外タンク貯蔵所、給油取扱所、移送取扱所など)です。すべての施設に義務があるわけではありません。
問13 正解:(1)運搬容器の外部に品名・数量・注意事項を表示する
運搬容器の外部には品名・数量・注意事項を表示しなければなりません。運搬(車両で容器に入れて運ぶこと)には免状は不要です。指定数量未満でも運搬の基準は適用されます。標識は「危」であり「毒」ではありません。
問14 正解:(4)泡消火設備は第3種消火設備である
消火設備の区分は、第1種=屋内消火栓・屋外消火栓、第2種=スプリンクラー、第3種=泡・CO₂・ハロゲン・粉末等の固定消火設備、第4種=大型消火器、第5種=小型消火器・乾燥砂・膨張ひる石等です。屋外消火栓は第1種であり第3種ではありません。
問15 正解:(4)定期点検を行わなかったとき
許可の取消し事由は、①完成検査を受けないで使用、②措置命令違反、③使用停止命令違反です。仮使用の承認なしの使用も完成検査前使用の一類型として取消し事由に該当します。定期点検の未実施は措置命令の対象にはなりますが、直接の取消し事由ではありません。
第2科目:基礎的な物理学及び基礎的な化学
問16 正解:(1)可燃物・酸素供給体・点火源
燃焼の3要素は「可燃物」「酸素供給体(空気)」「点火源(熱エネルギー)」です。この3つが同時にそろうと燃焼が起こり、1つでも取り除けば消火できます。
問17 正解:(2)引火点が低い液体ほど危険性が高い
引火点とは、可燃性蒸気が点火源により引火するのに十分な濃度になる最低の液温です。引火点が低いほど常温でも引火しやすく、危険性が高くなります。自然に発火する温度は「発火点」です。ガソリン(約−40℃)の引火点は灯油(約40℃)より低いです。
問18 正解:(5)水による消火はすべて冷却消火である
水は主に冷却効果で消火しますが、水蒸気になることで周囲の酸素濃度を下げる窒息効果もあります。また、霧状の水は表面積が大きく冷却・窒息の両方の効果があります。「すべて冷却消火」は誤りです。
問19 正解:(2)液体が気体になることを蒸発(気化)という
液体→気体は蒸発(気化)、固体→液体は融解、液体→固体は凝固、気体→液体は凝縮(液化)、固体→気体は昇華です。沸騰は液体の内部からも気化が起こる現象です。
問20 正解:(3)42,000 J
熱量Q=質量m×比熱c×温度変化ΔT=200g×4.2 J/(g·℃)×(70−20)℃=200×4.2×50=42,000 Jです。
問21 正解:(2)湿度が高いと静電気は蓄積しやすい
湿度が高いと空気中の水分を通じて電荷が逃げやすくなるため、静電気は蓄積しにくくなります。逆に、湿度が低い(乾燥した)環境では静電気が蓄積しやすくなります。
問22 正解:(2)燃焼は酸化反応の一種である
燃焼は熱と光を伴う激しい酸化反応です。酸化は酸素と結合する(水素を失う・電子を失う)こと、還元はその逆です。酸化と還元は必ず同時に起こります。第6類危険物(酸化性液体)は酸化剤として作用します。
問23 正解:(3)pH値が7より大きいとアルカリ性を示す
pH7は中性、pH7未満は酸性、pH7超はアルカリ性(塩基性)です。pHは通常0〜14の範囲の値をとります。純水のpHは7(中性)です。
問24 正解:(4)有機化合物は水に溶けやすいものが多い
有機化合物は一般に水に溶けにくく、有機溶媒に溶けやすい性質があります。ただし、メタノール・エタノール・アセトンなど水溶性のものもあります。有機化合物は炭素を含む化合物で、一般に燃えやすく、第4類危険物の多くが有機化合物です。
問25 正解:(2)不動態とは、金属が酸化被膜で覆われて腐食が進行しにくくなった状態をいう
不動態は、アルミニウム・クロム・ニッケルなどが濃硝酸に浸すと表面に緻密な酸化被膜が形成され、それ以上腐食が進まなくなる状態です。イオン化傾向が大きい金属ほど腐食されやすく、金は最もイオン化傾向が小さい金属です。鉄もステンレス鋼(Fe-Cr合金)として不動態を形成します。
第3科目:危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法
問26 正解:(4)電気の良導体であり、静電気は蓄積しない
第4類危険物は一般に電気の不良導体(絶縁体)であり、静電気が蓄積しやすい性質があります。そのため、取扱い時には接地(アース)を行い静電気の蓄積を防ぎます。
問27 正解:(2)ジエチルエーテルの沸点は約35℃で、引火点は−45℃である
ジエチルエーテルは沸点約35℃、引火点−45℃と非常に引火しやすい液体です。特殊引火物の指定数量は50L(100Lではない)、二硫化炭素は水より重い(比重約1.26)、特殊引火物は発火点100℃以下または引火点−20℃以下のものです。
問28 正解:(4)水によく溶ける
ガソリンは非水溶性(水に溶けない)の液体です。水より軽く(比重約0.65〜0.75)、水面に浮いて広がるため、水による消火は適しません。自動車用ガソリンはオレンジ色に着色されています。
問29 正解:(2)メタノールは有毒で、誤飲すると失明するおそれがある
メタノール(メチルアルコール)は有毒で、誤飲すると視神経が侵され失明するおそれがあります。消防法上のアルコール類は炭素数1〜3の飽和一価アルコール(メタノール・エタノール・1-プロパノール・2-プロパノール)です。2-プロパノールは炭素数3なのでアルコール類に含まれます。指定数量は400Lです。
問30 正解:(5)軽油の引火点は灯油の引火点より低い
灯油の引火点は約40℃、軽油の引火点は約45℃以上であり、軽油のほうが引火点は高いです。「軽油の引火点は灯油より低い」は誤りです。灯油・軽油はいずれも第2石油類(非水溶性)で水に溶けません。
問31 正解:(4)重油は褐色〜暗褐色の粘性のある液体である
重油は褐色〜暗褐色の粘性のある液体です。第3石油類に分類され、引火点は60〜150℃です。選択肢(3)も正しい記述ですが、(4)が最も典型的な性質の説明です。水には溶けず、200℃以上は第4石油類の引火点です。
問32 正解:(5)動植物油類の指定数量は5,000Lである
動植物油類の指定数量は10,000Lです。5,000Lではありません(第4石油類の指定数量は6,000L)。乾性油(アマニ油など)はヨウ素価が130以上と大きく、不飽和脂肪酸が酸化熱を蓄積して自然発火することがあります。
問33 正解:(3)泡消火剤は液面を覆って窒息消火の効果がある
泡消火剤は燃焼液面を泡で覆い、空気を遮断して窒息消火します。第4類危険物は水より軽いものが多く、水をかけると危険物が浮いて火災が拡大します。二酸化炭素消火器は屋外では風で拡散するため効果が低下します。
問34 正解:(2)耐アルコール泡(水溶性液体用泡)消火剤を使用する
水溶性の第4類危険物(アルコール、アセトンなど)は通常の泡を溶かしてしまうため、耐アルコール泡(水溶性液体用泡)消火剤を使用します。粉末消火剤やCO₂消火剤も使用可能です。
問35 正解:(3)二硫化炭素
二硫化炭素は比重約1.26で水より重い第4類危険物です。ガソリン(約0.65〜0.75)、灯油(約0.80)、軽油(約0.85)、エタノール(約0.79)はいずれも水より軽いです。他に水より重い第4類危険物にはクロロベンゼン、グリセリン、ニトロベンゼンなどがあります。
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