丙種の燃焼・消火を10問で確認
このページは、丙種危険物取扱者の燃焼の3要素、燃焼形態、引火点・発火点、消火原理、静電気、燃焼範囲を確認する四肢択一のオリジナル問題です。公式過去問題ではありません。
丙種の「燃焼及び消火に関する基礎知識」は5問で、実際の試験は四肢択一式です。合格基準は法令・燃焼消火・性質の各科目それぞれ60%以上。このページでは本試験より多い10問を使い、誤答した概念を分野別に見直します。
試験形式と物性・消火情報の確認先
科目・問題数は消防試験研究センターの試験科目ページ、四肢択一・1時間15分・科目別60%以上の基準は試験方法ページで確認できます。公式の出題例は過去に出題された問題、ガソリンの代表的な引火点・消火剤は厚生労働省のモデルSDSを参照してください。
問1
燃焼が起こるために必要な3つの要素(燃焼の3要素)の組み合わせとして、正しいものはどれか。
(1)可燃物・酸素供給体・点火源
(2)可燃物・水・熱
(3)酸素・窒素・点火源
(4)可燃物・酸素供給体・消火剤
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正解:(1)可燃物・酸素供給体・点火源
燃焼の3要素は「可燃物」「酸素供給体」「点火源」です。通常の燃焼ではこれらがそろう必要があり、消火は可燃物の除去、酸素供給の抑制、冷却などによって燃焼を継続できない状態にします(→「燃焼の仕組み」)。実際の火災では物質・設備に適合する方法を選びます。
問2
ガソリンや灯油のような引火性液体の燃焼の種類として、正しいものはどれか。
(1)表面燃焼
(2)分解燃焼
(3)蒸発燃焼
(4)自己燃焼
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正解:(3)蒸発燃焼
ガソリンや灯油などの引火性液体では、液面から生じた蒸気が空気と混合し、燃焼範囲内で点火されて燃えます。これを蒸発燃焼といいます。木炭などの表面燃焼、木材などの分解燃焼と区別してください。
問3
引火点の説明として、正しいものはどれか。
(1)可燃性液体が点火源なしで発火する最低温度
(2)可燃性液体が沸騰を始める温度
(3)規定の測定条件で、液面付近の蒸気が点火源により引火する最低の液温
(4)液体の蒸気圧が必ず1気圧になる温度
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正解:(3)規定の測定条件で、液面付近の蒸気が点火源により引火する最低の液温
引火点は点火源がある条件、発火点は点火源なしで発火する条件です(→「引火点・発火点の違い」)。厚生労働省のガソリンモデルSDSには引火点-45℃の例がありますが、ガソリンは混合物なので製品・組成・測定方法で値が変わります。実物は製品SDSを優先してください。
実際の火災対応には転用しない
問4〜6と問10は試験学習用です。実際の危険物火災では、物質名・SDS・消火設備の適応表示が分からないまま近づかず、周囲への連絡、安全確保、避難、119番通報、施設の緊急時手順を優先してください。
問4
消火の原理のうち、「窒息消火」の説明として正しいものはどれか。
(1)燃えているものの温度を下げて消す
(2)燃えているものへの酸素の供給を遮断して消す
(3)燃えているものを取り除いて消す
(4)化学反応の連鎖を断って消す
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正解:(2)燃えているものへの酸素の供給を遮断して消す
窒息消火は、燃焼面を覆う、空気中の酸素濃度を下げるなどして酸素供給を抑える方法です。泡や二酸化炭素などが例ですが、適否は危険物の水溶性、火災規模、設備、消火剤の表示で判断します。温度を下げるのは冷却、可燃物を除くのは除去です(→「消火の原理と消火剤」)。
問5
ガソリンの液面火災に棒状の水を直接かける方法が不適切な主な理由として、正しいものはどれか。
(1)水そのものが可燃物になるから
(2)ガソリンは水に溶けにくく水より軽いため、水面に広がり、棒状水流で飛散・拡大するおそれがあるから
(3)水をかけるとガソリンの引火点が必ず下がるから
(4)ガソリンと水が必ず化学反応して有毒ガスを発生するから
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正解:(2)ガソリンは水に溶けにくく水より軽いため、水面に広がり、棒状水流で飛散・拡大するおそれがあるから
厚生労働省のガソリンモデルSDSでも、使ってはならない消火剤に棒状注水が挙げられています。ただし、第4類には水に溶けるものや水より重いものもあり、「第4類はすべて水に浮く」と一般化できません。実際の火災では近づいて消火方法を試さず、安全確保・避難・119番通報と施設の緊急手順を優先します(→「第4類の消火方法まとめ」)。
問6
非水溶性の引火性液体に適合する泡消火剤の主な消火効果として、最も適切なものはどれか。
(1)冷却効果のみ
(2)窒息効果のみ
(3)窒息効果と冷却効果
(4)抑制効果(負触媒効果)のみ
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正解:(3)窒息効果と冷却効果
適合する泡消火剤は液面を覆って蒸気の発生と酸素供給を抑え、泡に含まれる水分による冷却も行うため、主に窒息効果と冷却効果を利用します。水溶性液体では通常の泡が壊れやすく、耐アルコール泡など対象物に適合する消火剤が必要です。
問7
静電気による火災を防止する対策として、適切でないものはどれか。
(1)設備に接地(アース)を行う
(2)室内の湿度を高くする
(3)帯電しにくい作業服を着用する
(4)液体の流速を速くする
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正解:(4)液体の流速を速くする
液体の流速を不用意に速くすると、流動帯電が増えるおそれがあるため(4)が不適切です。接地、流速管理、導電性・帯電防止用品、湿度管理などを組み合わせますが、すべての物質・設備に同じ湿度値を一律適用するものではありません。設備基準と事業所の手順を確認してください(→「静電気と電気の基礎」)。
問8
引火点と発火点の違いとして、正しいものはどれか。
(1)どちらも点火源なしで発火する最低温度である
(2)引火点は点火源による引火、発火点は点火源なしの発火に関する温度である
(3)引火点は沸点と同じで、発火点は融点と同じである
(4)引火点が低い物質ほど発火点も必ず低い
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正解:(2)引火点は点火源による引火、発火点は点火源なしの発火に関する温度である
引火点は規定条件で点火源を近づけたとき、発火点は点火源なしで加熱により発火するときの温度です。両者は別の性質であり、一方の大小から他方の大小を必ず決めることはできません。混合物の代表値は組成や測定条件でも変わります。
問9
燃焼範囲(爆発範囲)の説明として、正しいものはどれか。
(1)可燃性蒸気やガスが空気と混合し、火炎を伝播できる濃度の下限から上限までの範囲
(2)液体が固体へ変化できる温度範囲
(3)消火剤が使用できる圧力範囲
(4)引火点から沸点までの温度範囲
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正解:(1)可燃性蒸気やガスが空気と混合し、火炎を伝播できる濃度の下限から上限までの範囲
下限未満は燃料が薄すぎ、上限を超えると酸素が不足して、通常は火炎が伝播しません。燃焼範囲の広さは危険性を考える一指標ですが、引火点、蒸気圧、発火点、換気、着火源なども合わせて評価します。数値は物質・測定条件で変わるためSDSを確認してください。
問10
粉末消火剤(ABC消火器)の主な消火効果として、正しいものはどれか。
(1)冷却効果のみ
(2)窒息効果のみ
(3)除去効果のみ
(4)抑制効果(負触媒効果)と窒息効果
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正解:(4)抑制効果(負触媒効果)と窒息効果
ABC粉末消火剤は、燃焼反応の連鎖を抑える抑制効果と、粉末による窒息効果などを利用します。表示上は普通火災・油火災・電気火災に適応しますが、すべての物質・規模・設備に使える万能型ではありません。金属火災など対象外の火災があり、再燃や視界不良にも注意が必要です。
採点後は誤答を5分野に分ける
本試験の5問に備えるには、用語だけでなく「どの条件で成り立つ説明か」を確認します。
- 燃焼の成立(問1・2) — 3要素と、液体の蒸発燃焼を区別する
- 引火点・発火点・燃焼範囲(問3・8・9) — 点火源の有無、測定条件、濃度の下限・上限を整理する
- 消火原理(問4) — 冷却・窒息・除去・抑制を、消火剤の適応と結び付ける
- 液体火災と消火剤(問5・6・10) — 水溶性、密度、消火剤の種類、対象火災を確認する
- 静電気(問7) — 接地、流速、用品、湿度を設備・手順に合わせて組み合わせる
全体を読み直す場合は丙種の燃焼・消火5問の要点、物性用語は引火点・発火点・燃焼範囲へ戻ってください。
次に見直すテーマ
- 燃焼の成立を間違えたら燃焼の3要素と燃焼形態へ戻る
- 消火原理を間違えたら冷却・窒息・除去・抑制を確認する
- 液体火災を間違えたら第4類の消火方法を物質別に確認する
- 丙種の次科目は危険物の性質10問へ進む
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