解答・解説
第1科目:危険物に関する法令
問1 正解:(1)火災を予防し、警戒し及び鎮圧し、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、火災又は地震等の災害による被害を軽減すること
消防法第1条にその目的が規定されています。(4)は労働安全衛生法、(5)は建築基準法の目的です。消防法は火薬類や高圧ガスは対象外で、危険物の規制はその一部にすぎません。
問2 正解:(3)5.0
指定数量の倍数=各品名の貯蔵量÷指定数量の合計です。ガソリン(第1石油類非水溶性・指定数量200L):200÷200=1.0、アセトン(第1石油類水溶性・指定数量400L):400÷400=1.0、灯油(第2石油類非水溶性・指定数量1,000L):1,000÷1,000=1.0、重油(第3石油類非水溶性・指定数量2,000L):4,000÷2,000=2.0。合計=1.0+1.0+1.0+2.0=5.0です。
問3 正解:(2)完成検査に合格した後でなければ、製造所等を使用してはならない
製造所等は、設置または変更の許可を受けた後、完成検査に合格し完成検査済証の交付を受けてからでなければ使用できません。完成検査は市町村長等が行います。変更工事のときも完成検査は必要です。仮使用は工事部分以外の使用であり、全体の使用を認めるものではありません。
問4 正解:(3)仮使用の承認は市町村長等が行う
仮使用とは、変更許可を受けて工事中に、工事部分以外について市町村長等(または市町村長等から委任を受けた消防長・消防署長)の承認を受けて使用することです。設置許可前の使用ではなく、変更工事中の措置です。完成検査は別途必要です。
問5 正解:(2)硫黄
屋外貯蔵所で貯蔵できる危険物は限定されており、第2類の硫黄・引火性固体(引火点0℃以上)、第4類の第1石油類(引火点0℃以上)・アルコール類・第2石油類・第3石油類・第4石油類・動植物油類です。ガソリン(引火点−40℃)やジエチルエーテル(特殊引火物)、アセトン(引火点−20℃)は引火点が0℃未満のため貯蔵できません。硫黄は第2類で屋外貯蔵所に貯蔵できます。
問6 正解:(2)タンクの容量は指定数量の40倍以下(第4石油類・動植物油類以外は20,000L以下)
屋内タンク貯蔵所のタンク容量は、指定数量の40倍以下であり、かつ第4石油類及び動植物油類以外の場合は20,000L以下と定められています。タンクは屋内のタンク専用室に設置し、専用室は耐火構造としなければなりません。通気管も必要です。
問7 正解:(3)危険物施設保安員は、施設の維持管理や定期点検などの保安業務を行う
危険物施設保安員は、製造所等の施設の維持管理や定期点検の実施、異常時の応急措置など保安業務を行う者です。免状の要件はなく、届出も不要です。すべての施設ではなく、一定規模以上の製造所等で選任が必要です。保安監督者と兼任の義務もありません。
問8 正解:(2)第1類と第6類の危険物は混載が認められている
第1類(酸化性固体)と第6類(酸化性液体)は性質が共通(ともに酸化性)のため混載が認められています。類が異なっても一定の組合せでは混載可能です。指定数量未満でも運搬基準(混載禁止含む)は適用されます。第2類と第4類は混載可能な組合せです。
問9 正解:(2)移動タンク貯蔵所には0.3m四方の「危」の標識を車両の前後に掲げる
移動タンク貯蔵所には0.3m四方の地が黒色・文字が黄色の「危」の標識を車両の前後に掲げます。製造所等の標識は0.3m×0.6m以上の「危険物○○○」で、地は白色・文字は黒色です。給油取扱所には「給油中エンジン停止」、第4類を扱う施設には「火気厳禁」と表示します。「火気注意」ではありません。
問10 正解:(3)移動タンク貯蔵所
移動タンク貯蔵所は、危険物保安監督者を選任しなくてもよい施設の一つです。製造所、屋外タンク貯蔵所、給油取扱所、移送取扱所、一定規模以上の一般取扱所などでは選任が必要です。ほかに、引火点40℃以上の第4類のみを貯蔵する屋内タンク貯蔵所なども選任不要の場合があります。
問11 正解:(2)二重殻タンクは、タンクの外側にFRP等の外殻を設け、漏えい検知機能を持たせたものである
二重殻タンクは、鋼製タンクの外側にFRP(強化プラスチック)等の外殻を設けた構造で、内殻と外殻の間で漏えいを検知できます。地下タンクは一重殻のほか二重殻タンクも認められています。鋼板またはFRP等が用いられ、アルミニウム合金に限られません。
問12 正解:(3)給油取扱所の建築物には、事務所・整備室・店舗・飲食店・展示室のほか、居住用の部分も認められる
給油取扱所に設ける建築物の用途は、事務所・給油等の作業場・整備室・店舗・飲食店・展示室のほか、給油取扱所の業務を行うための事務所に付随する居住部分等が認められています。ただし壁・柱・床・はりを耐火構造とするなどの基準を満たす必要があります。
問13 正解:(3)製造所・屋内貯蔵所・屋外タンク貯蔵所・屋外貯蔵所・一般取扱所
保有空地が必要な施設は、製造所・屋内貯蔵所・屋外貯蔵所・屋外タンク貯蔵所・一般取扱所・簡易タンク貯蔵所の6施設です。選択肢(3)は簡易タンクを除く5施設で、すべて保有空地が必要です。地下タンク・移動タンク・給油取扱所・販売取扱所には保有空地は不要です。
問14 正解:(3)市町村長等
予防規程は市町村長等の認可を受けなければなりません。予防規程の作成義務があるのは、一定規模以上の製造所等(製造所で倍数10以上、屋外タンク貯蔵所で倍数150以上、給油取扱所、移送取扱所など)です。内容の変更時も改めて認可が必要です。
問15 正解:(2)甲種危険物取扱者が立ち会えば、無資格者でもすべての類の危険物を取り扱える
甲種危険物取扱者はすべての類の危険物の取扱いおよび立会いができるため、甲種の立会いのもとであれば無資格者もすべての類を取り扱えます。丙種は立会い不可、乙種は取得した類のみ立会い可能です。立会いは現場にいる必要があります。
第2科目:基礎的な物理学及び基礎的な化学
問16 正解:(2)気化熱(蒸発熱)は、液体が気体に変わるときに吸収される熱である
液体が気体に変わる(蒸発・気化)ときには周囲から熱を吸収します(気化熱)。融解熱も吸収される熱です(放出ではない)。凝縮(気体→液体)では熱を放出します。潜熱は状態変化に伴う熱で、温度変化を伴いません。氷が溶ける間は温度が0℃のまま一定です。
問17 正解:(4)ろうそくが燃えるのは物理変化である
ろうそくが燃えるのは、ろう(パラフィン)が酸素と反応して二酸化炭素と水を生じる化学変化(燃焼)です。蒸発・溶解・昇華は物質そのものは変わらないため物理変化です。化学変化では元の物質と異なる新しい物質が生成します。
問18 正解:(3)絶縁体は静電気が蓄積しやすい
絶縁体は電気を通しにくいため、発生した静電気が逃げにくく蓄積しやすい性質があります。ガソリンなどの第4類危険物は電気の不良導体(絶縁体)であり、静電気が蓄積しやすいです。金属は良導体、ゴムは絶縁体です。湿度が低いと静電気は蓄積しやすくなります。
問19 正解:(3)31,500 J
熱量Q=質量m×比熱c×温度変化ΔT=500g×2.1 J/(g·℃)×(45−15)℃=500×2.1×30=31,500 Jです。
問20 正解:(3)温度が上がると燃焼範囲の下限値は下がり、上限値は上がる(範囲が広がる)
温度が上がると可燃性蒸気の発生量が増えるため、燃焼範囲の下限値は低下し、上限値は上昇します。つまり燃焼範囲が広くなり、危険性が高まります。圧力が高くなった場合も同様に燃焼範囲は広がります。
問21 正解:(2)蒸気圧が外圧(大気圧)と等しくなったときに沸騰が起こる
液体の蒸気圧が外圧(大気圧)に等しくなると、液体の内部からも気化(沸騰)が起こります。蒸気圧は温度が上がると上昇します。蒸気圧が高い液体は低い温度で沸騰するため、沸点が低くなります。山頂など気圧が低い場所では100℃より低い温度で水が沸騰します。
問22 正解:(5)イオン化傾向が小さい金属ほど腐食されやすい
イオン化傾向が大きい金属ほど陽イオンになりやすく、酸化されやすい(腐食されやすい)です。小さい金属(銅・銀・金など)は酸化されにくく、腐食に強いです。ステンレス鋼はクロムの不動態被膜により優れた耐食性を持ちます。
問23 正解:(3)アルデヒド基(−CHO) — アルデヒドの特徴
アルデヒド基(−CHO)はアルデヒドの官能基です。アセトアルデヒド(特殊引火物)が代表例です。ヒドロキシ基(−OH)はアルコールの官能基、カルボキシ基(−COOH)はカルボン酸の官能基です。アミノ基(−NH₂)はアミンの特徴です。
問24 正解:(2)分子は物質の化学的性質を示す最小の粒子である
分子は物質の化学的性質を示す最小の単位です。原子が結合して分子を構成します(原子→分子の順)。同じ元素でも質量数の異なる同位体が存在します。水素分子H₂は2個の水素原子からなります。原子は化学変化ではそれ以上分割されません。
問25 正解:(4)気体の溶解度は一般に温度が上がると大きくなる
気体の溶解度は温度が上がると小さくなります(気体は温度が高いと溶けにくくなる)。炭酸飲料を温めると気が抜けるのはこのためです。一方、固体の溶解度は一般に温度が上がると大きくなります。飽和溶液では溶質の溶解と析出が平衡状態にあります。
第3科目:危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法
問26 正解:(2)発火点が100℃以下のもの、または引火点が−20℃以下で沸点が40℃以下のもの
特殊引火物は、発火点が100℃以下のもの(二硫化炭素:約90℃)、または引火点が−20℃以下かつ沸点が40℃以下のもの(ジエチルエーテル:引火点−45℃、沸点35℃)です。どちらかの条件を満たせば特殊引火物に該当します。
問27 正解:(3)沸点が約35℃と低く、引火点は−37℃で、特殊引火物に分類される
酸化プロピレンは沸点約35℃、引火点−37℃で特殊引火物に分類されます。水に溶け、蒸気は空気より重い(蒸気比重約2.0)です。重合しやすく、重合反応は発熱を伴い危険です。容器は窒素ガスなどの不活性ガスで置換して貯蔵します。
問28 正解:(4)第1石油類の水溶性に分類される
メチルエチルケトン(MEK)は引火点が約−9℃で第1石油類に分類されます。水にある程度溶けるため水溶性に区分され、指定数量は400Lです。ケトン類の一種で無色の液体、有機溶剤として広く使用されます。アルコール類は炭素数1〜3の飽和一価アルコールのみが該当します。
問29 正解:(2)炭素数が4のため、消防法上はアルコール類ではなく第2石油類に分類される
消防法上のアルコール類は、炭素数1〜3の飽和一価アルコール(メタノール・エタノール・1-プロパノール・2-プロパノール)です。n-ブタノール(1-ブタノール)は炭素数4のためアルコール類には該当せず、引火点約29℃で第2石油類に分類されます。
問30 正解:(4)水によく溶ける
スチレンは水にほとんど溶けません(非水溶性)。第2石油類に分類され、引火点は約31℃です。重合しやすい物質で、重合反応が進むと発熱し、蓄熱すると火災・爆発の危険があります。禁止剤(重合防止剤)を添加して貯蔵します。
問31 正解:(3)第3石油類(水溶性)に分類され、不凍液の原料に使用される
エチレングリコールは引火点が約111℃で第3石油類(水溶性)に分類されます。水と任意の割合で混合し、自動車の不凍液(LLC)や合成繊維の原料として使用されます。無色・粘性の液体で甘味があります。指定数量は4,000L(水溶性)です。
問32 正解:(2)乾性油が布や紙にしみ込んで堆積すると、酸化熱が蓄積して自然発火するおそれがある
乾性油(アマニ油・キリ油など)は不飽和脂肪酸を多く含み、空気中の酸素と反応して酸化熱を発生します。この油が布・紙・木くずなどにしみ込んで堆積すると、発生した熱が放散されずに蓄積し、発火点に達して自然発火します。密閉容器内では酸素不足で起こりにくく、ヨウ素価が高い(不飽和度が高い)ほど起こりやすいです。
問33 正解:(3)水中に保存する
二硫化炭素は発火点が約90℃と非常に低く、蒸気が引火しやすいため、水中に保存して蒸気の発生を防ぎます。比重が約1.26と水より重いため水中に沈みます。灯油中に保存するのはナトリウムやカリウム(第3類)であり、二硫化炭素の保存法ではありません。
問34 正解:(5)危険物の流速を速くして静電気を素早く放出させる
流速を速くすると摩擦が増え、かえって静電気の発生量が増加します。正しい対策は、流速を遅くする・接地(アース)を行う・湿度を高くする・帯電防止用具を使用する・不活性ガスを封入するなどです。
問35 正解:(2)1.4〜7.6 vol%
ガソリンの燃焼範囲はおよそ1.4〜7.6 vol%です。この範囲内の濃度で空気と混合した蒸気に点火源があると引火・爆発します。5.0〜15.0はメタノール付近、12.5〜74.0は水素の燃焼範囲に近い値です。ガソリンは燃焼範囲が比較的狭いですが、引火点が約−40℃と極めて低いため非常に危険です。
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