令和7年度(2025年度)の乙種第4類は、受験者222,545人、合格者71,059人、合格率31.9%でした。前年度の31.7%からは0.2ポイント上がっています。
ただし、「乙1・乙2などは60%を超えているから、乙4だけが2倍難しい」とは判断できません。他の乙種免状を持つ受験者には法令と物理・化学の科目免除があり、受験者の条件が同じではないためです。
この記事では、消防試験研究センターが公表した令和7年度の確定値を使い、乙4の合格率から分かることと、数字だけでは分からないことを分けて整理します。
先に要点
- 令和7年度の乙4合格率は31.9%で、前年度比は+0.2ポイントです。
- 危険物取扱者試験の受験者全体の71.5%を乙4が占めます。
- 他の乙種との合格率差には、科目免除を含む受験条件の違いがあります。
- 合格基準は総得点60%ではなく、3科目それぞれ60%以上です。
令和7年度の乙4合格率は31.9%
消防試験研究センターの令和7年度「試験実施状況」に掲載された確定値は次のとおりです。
| 年度 | 申請者 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 令和7年度 | 256,468人 | 222,545人 | 71,059人 | 31.9% |
| 令和6年度 | 256,812人 | 223,846人 | 71,023人 | 31.7% |
前年度と比べると、受験者は1,301人減り、合格者は36人増えました。合格率の変化は31.7%から31.9%への0.2ポイントです。年度ごとの小さな増減だけで、試験が急に易しくなった、難しくなったとは判断できません。
乙4の試験科目、申込み、受験手数料を先に確認したい場合は、乙4の試験概要にまとめています。
乙4は危険物試験の受験者全体の71.5%
令和7年度の危険物取扱者試験全体は、受験者311,230人、合格者119,136人でした。このうち乙4は受験者222,545人なので、当サイトの計算では全受験者の71.5%を占めます。合格者では59.6%です。
構成比は、公式表の人数を使い「乙4の人数÷危険物試験全体の人数」で小数第1位まで計算しました。乙4が危険物試験の中心的な区分であることは分かりますが、受験者が多いこと自体は難易度の根拠にはなりません。
数字の読み方
合格率は「合格者÷受験者」の集計値です。受験者の学習時間、受験回数、科目免除の有無は一人ずつ公表されていないため、31.9%だけから個人の合格確率を予測することはできません。
乙1〜乙6の合格率を単純比較できない理由
令和7年度の乙種各類は、乙1が65.7%、乙2が66.0%、乙3が65.1%、乙4が31.9%、乙5が62.1%、乙6が67.6%でした。表面上は乙4だけが低く見えます。
| 種類 | 乙1 | 乙2 | 乙3 | 乙4 | 乙5 | 乙6 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 合格率 | 65.7% | 66.0% | 65.1% | 31.9% | 62.1% | 67.6% |
ここで重要なのが科目免除です。消防試験研究センターの「試験科目及び問題数」によると、すでにいずれかの乙種免状を持つ人が別の乙種を受験する場合、法令と物理・化学が全部免除され、性質・消火の10問だけを35分で受験できます。
乙4を含め、他の乙種免状を持たずに受験する人は3科目35問を受けます。一方、乙1・乙2・乙3・乙5・乙6には、乙4などを取得した後に科目免除を使って受ける人も含まれます。公式の年度集計表には、合格率を科目免除の有無で分けた内訳がありません。
したがって、科目免除は合格率差を読むときに無視できない条件ですが、「差の何ポイント分が免除によるものか」までは公表値から計算できません。他類の合格率が高いことを、そのまま問題の易しさへ読み替えないことが大切です。科目免除の条件は危険物の科目免除と取得ルートでも整理しています。
31.9%でも、合格に必要なのは各科目60%以上
乙種の通常試験は、法令15問、基礎的な物理学・化学10問、性質・消火10問の合計35問です。消防試験研究センターの「試験の方法」では、合格基準を試験科目ごとにそれぞれ60%以上としています。
- 法令15問: 9問以上が60%
- 物理・化学10問: 6問以上が60%
- 性質・消火10問: 6問以上が60%
総得点が高くても、1科目が60%未満なら基準を満たしません。たとえば、法令と性質・消火だけを伸ばして物理・化学を後回しにする学習では、総得点だけを見たときの手応えと合否判定がずれる可能性があります。
合格率を学習計画へ使う3つの方法
1. 3科目を別々に採点する
問題演習では35問の合計点だけでなく、法令、物理・化学、性質・消火に分けて正答数を記録します。各科目の60%を下回った分野を先に戻ることで、合格基準に沿った復習になります。
2. 公式公開問題で現在地を確認する
消防試験研究センターは、受験の参考として過去の問題の一部を公開しています。入手先と使い方は危険物取扱者の公式公開問題の使い方、乙4の公開35問を分野へ戻す方法は公式公開35問の10テーマ分析で確認できます。
3. 合格率を目標点にしない
合格率31.9%は受験者集団の結果であり、自分の目標正答率ではありません。学習では「上位31.9%に入る」ことではなく、3科目すべてで公式の60%基準を安定して超えることを目標にします。
学習順を組み直す場合は乙4完全攻略ロードマップ、日数に合わせて進捗を調整する場合は2週間・1か月の学習プランを利用してください。当サイトのミニテストと模擬試験は公式過去問の転載ではなく、分野別の理解度確認に使うオリジナル問題です。
この分析で言えること・言えないこと
言えること
- 令和7年度の受験者・合格者・合格率
- 前年度との人数・合格率の差
- 乙4が全受験者に占める構成比
- 公式の科目免除制度と合格基準
言えないこと
- 個人が合格する確率
- 他類との純粋な問題難易度の差
- 科目免除が合格率へ与えた割合
- 次回試験の合格率や出題内容
出典と計算方法
- 受験者・合格者・合格率: 消防試験研究センター「試験実施状況(令和7年4月〜令和8年3月)」
- 試験科目・問題数・科目免除: 同センター「試験科目及び問題数」
- 合格基準: 同センター「試験の方法」
- 乙4合格率の確認: 71,059人 ÷ 222,545人 × 100 = 31.930…%(公式表の表記は31.9%)
- 受験者構成比: 222,545人 ÷ 311,230人 × 100 = 71.504…% → 71.5%
- 合格者構成比: 71,059人 ÷ 119,136人 × 100 = 59.645…% → 59.6%
集計日は2026年8月1日で、2026年8月8日に公式3ページと再照合しました。年度途中の数値ではなく、令和7年4月から令和8年3月までの年度確定値を使用しています。制度や公表値が更新された場合は、公式ページを確認して記事を更新します。
まとめ
令和7年度の乙4合格率は31.9%でした。受験者は危険物試験全体の71.5%を占めます。一方、他の乙種との合格率差には科目免除を含む受験条件の違いがあり、数字だけで問題の難しさを比較することはできません。
受験者が使える最も具体的な基準は、3科目それぞれ60%以上という公式の合格基準です。合計点ではなく科目別に採点し、60%を下回る分野から復習してください。
※当サイトの画像にはAI生成のものが含まれており、実際の機器・器具とは外観が異なる場合があります。問題・解答の内容には細心の注意を払っておりますが、誤りが含まれる可能性があります。学習の参考としてご活用いただき、最終的な確認は公式テキスト・法令等で行ってください。当サイトの情報に基づく判断によって生じた損害について、一切の責任を負いかねます。
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