乙種第2類(可燃性固体)

第2類危険物7品名|除外条件・確認試験・指定数量の判定表

第2類7品名を「該当性」と「安全対応」に分けて整理

第2類危険物は可燃性固体です。この記事では、硫化りん、赤りん、硫黄、鉄粉、金属粉、マグネシウム、引火性固体を比較します。

重要なのは、色や物質名だけでなく、法令上の品名・性状区分・製品SDSを分けて確認することです。同じ金属粉でも、粒径、表面処理、合金、酸化膜、混合物の違いで水との反応や適切な消火剤が変わります。

法令とSDSの確認先

第2類の品名と可燃性固体の定義はe-Gov法令検索「消防法」別表第一、第一種・第二種可燃性固体と指定数量は「危険物の規制に関する政令」別表第三で確認できます。消火方法は類別だけで決めず、厚生労働省「職場のあんぜんサイト」の物質別モデルSDSと使用製品のSDSを照合します。

第2類該当性を4段階で判定する

第2類の学習では、物質名の暗記と法令判定を一つの表に混ぜると、「アルミニウムなら必ず第2類」「金属粉なら指定数量100kg」といった誤答につながります。次の4段階に分けると、どの資料へ戻るべきかが明確になります。

  1. 品名候補:消防法別表第一の9区分のどこに当たるかを確認する。
  2. 除外条件:鉄粉・金属粉・マグネシウムは、材質だけでなく粒度・形状による法令上の除外を確認する。
  3. 性状試験:試験が必要な物品は、小ガス炎着火試験または引火点測定試験の結果を確認する。
  4. 指定数量:品名または第一種・第二種の性状区分が確定してから100・500・1,000kgを対応させる。

境界を先に確認:硫化りん・赤りん・硫黄・法令上の鉄粉は、消防法の備考で可燃性固体の性状を示すものとみなされます。一方、金属粉・マグネシウム・含有物は、名称だけで最終判定を固定しません。引火性固体は別ルートで、1気圧における引火点40℃未満という定義を確認します。

STEP 1・2:品名候補と除外条件を切り分ける

粒度の境界は「粒が大きければ燃えない」という一般論ではなく、消防法上の品名から除外する条件です。総務省消防庁の施行通知は、次のように整理しています。

確認する品名 法令上の除外条件 読み違えないための注意
鉄粉 目開き53μmの網ふるいを通過するものが50%未満 除外されない鉄粉は、備考により可燃性固体の性状を示すものとみなされる
金属粉 銅粉、ニッケル粉、または目開き150μmの網ふるいを通過するものが50%未満 消防法上の金属粉は、アルカリ金属・アルカリ土類金属・鉄・マグネシウムも定義から除く
マグネシウム 目開き2mmの網ふるいを通過しない塊状、または直径2mm以上の棒状 粉・薄片・合金・含有物は、名称だけでこの除外を当てはめない

この表は実物を家庭でふるい分ける手順ではありません。製品の全成分、含有率、形状、粒度分布は、供給者資料や消防庁の第2類確認試験結果報告書と同じ単位で確認します。判断が必要な実務では、メーカーと所轄消防機関へ確認します。

STEP 3:10秒と3秒は別の境界

危険物の規制に関する政令 第1条の4では、小ガス炎着火試験で10秒以内に着火し、かつ燃焼を継続することが、火炎による着火危険性の基準です。さらに政令別表第三の備考では、同じ試験で3秒以内に着火して燃焼を継続するものを第一種可燃性固体とします。

確認結果 法令上の読み方 指定数量
3秒以内に着火し、燃焼継続 第一種可燃性固体 100kg
3秒超10秒以内に着火し、燃焼継続 第二種可燃性固体 500kg
10秒以内の着火・燃焼継続に該当しない この試験結果だけでは可燃性固体の性状に該当しない 品名、含有物、引火性固体の別ルートを再確認

危険物の試験及び性状に関する省令は、試料の調整・炎の接触・観察方法などの細目を定めています。3秒・10秒だけを抜き出して、日常の着火実験で分類することはできません。

指定数量は判定後に割り当てる

品名・性状 指定数量 判定の要点
硫化りん・赤りん・硫黄 100kg 法令上、可燃性固体の性状を示すものとみなされる
第一種可燃性固体 100kg 政令の小ガス炎着火試験による性状
鉄粉 500kg 粒度等により鉄粉から除外されるものがある
第二種可燃性固体 500kg 第一種可燃性固体以外のもの
引火性固体 1,000kg 政令の引火危険性試験で判定

金属粉、マグネシウム、含有物などは、第一種または第二種可燃性固体の判定に応じて指定数量を確認します。「アルミニウム粉は必ず100kg」のように物質名だけで固定しません。

4つの仮想製品で「次に見る資料」を決める

次の例は危険物該当性の断定ではなく、情報不足を見つける練習です。実際の製品名や試験結果を想定していません。

手元の説明 まだ決められないこと 次に確認する記録
「鉄を主成分とする粉末」 法令上の鉄粉に当たるか 全成分・含有率、53μmふるいの通過割合、製品SDS
「アルミニウムを含む研磨材」 金属粉か含有物か、第一種か第二種か 粒度分布、混合物組成、小ガス炎着火試験の確認結果
「直径3mmのマグネシウム棒」 切削くず・粉が同じ扱いか 製品形状と、取扱工程で生じる別形態のSDS・管理手順
「固形燃料、引火点35℃」 試験法と製品状態を含む最終該否 セタ密閉式引火点測定結果、1気圧での状態、組成資料

この練習の要点は、物質名から消火剤まで一気に飛ばないことです。品名候補→除外条件→性状→指定数量→製品SDSの順に空欄を埋めると、法令分類と現場対応を混同しにくくなります。

硫化りん

硫化りんは、りんと硫黄からなる複数の化合物の総称です。三硫化四りん(P4S3)、五硫化二りん(P2S5)、七硫化四りん(P4S7)などがあり、外観、融点、水との反応性は同一ではありません。

厚生労働省の五硫化二りんモデルSDSは、水反応可燃性化学品として、乾燥粉末、二酸化炭素、乾燥砂を適切な消火剤に挙げ、水を使用しないよう示しています。ほかの硫化りんへそのまま一般化せず、対象物質のSDSを確認します。

赤りんと硫黄

赤りん

赤りんは赤褐色の固体で、黄りんとは同じ元素の同素体ですが、法令上は第2類です。酸化剤との混触、摩擦、熱、粉じんに注意します。「黄りんより安定」という比較を「安全」と読み替えてはいけません。

赤りんモデルSDSは、小火災に二酸化炭素、粉末、砂、土、泡、大火災に散水、噴霧水、泡を挙げています。火災規模と設備条件を無視して「水なら常に使える」とはしません。

硫黄

硫黄は黄色の固体で、加熱すると溶融し、燃焼時には二酸化硫黄などの有害なガスが生じます。粉じんの飛散と静電気、酸化剤との接触、溶融物の流出を防ぐ管理が必要です。

硫黄モデルSDSは、水噴霧、泡、所定の粉末、乾燥砂を挙げる一方、炭酸ガスと炭酸水素塩系粉末を不適切としています。棒状放水で粉末や溶融物を飛散させない点も確認します。

鉄粉・金属粉・マグネシウム

代表例 学習上の確認点 消火剤の確認
鉄粉 塊の鉄と微粉末を区別。粒径・油分・堆積状態を確認 製品SDSと金属火災用設備で確認
アルミニウム粉 粉じん爆発、酸・アルカリ・水との反応は製品条件で確認 モデルSDSは粉末、ソーダ灰、石灰、砂を挙げ、水・泡を不適とする
亜鉛粉 酸化膜の有無などで反応性が変わる モデルSDSは活性の高い粉末とそれ以外で消火剤を分ける
マグネシウム 粒径・純度・形状で水反応性や燃焼性が変わる モデルSDSは粉末、ソーダ灰、石灰、砂を挙げ、水・泡を不適とする

参考:アルミニウム粉亜鉛粉マグネシウム粉のモデルSDS。亜鉛粉のように、同じ物質名でも活性の高い粉末かどうかで水や粉末消火剤の適否が分かれる例があります。

引火性固体

引火性固体は、法令で定める引火危険性試験において引火性を示す固体です。溶剤を含むペーストや固形燃料などは、成分と製品形態により危険物該当性が変わります。見た目が固体だから安全、または第4類と同じ消火方法でよい、とは判断できません。

第2類を1行で記録する9欄シート

復習ノートは「物質名=色=消火剤」の3列では足りません。次の9欄を一行にすると、法令の該当性と製品ごとの安全情報を別々に更新できます。

  1. 製品の特定:製品名、供給者、SDS改訂日
  2. 組成:化学名、含有率、混合物か
  3. 状態:塊・棒・粉・ペーストなど
  4. 粒度:対象となるふるい目と通過割合
  5. 消防法上の品名:硫黄、鉄粉、金属粉など
  6. 性状区分:固定品名、第一種、第二種、引火性固体
  7. 指定数量:100・500・1,000kg
  8. 反応性:SDS第10項の水・酸・酸化剤等との関係
  9. 火災時:SDS第5項の適切・不適切な消火剤と特有危険

粒度や含有率が空欄なら、空欄のまま「要確認」と残します。推測で埋めないこと自体が、誤分類を防ぐ確認手順です。

物質を見分けるときの注意

  • 色は代表的な外観の学習に使い、実物の同定には使わない
  • においを嗅ぐ、触る、水を加える、加熱するなどの確認をしない
  • 物質名だけでなく、粒径、濃度、混合物、表面処理、製品形態を確認する
  • SDS第5項の消火措置、第7項の取扱い・保管、第10項の安定性・反応性を読む

実火災では類別だけで消火剤を選ばない

試験では代表的な性質を学びますが、実火災では避難・通報を優先し、施設の緊急時手順、設置消火設備、対象製品のSDS、消防機関の指示に従ってください。乾燥砂も第2類すべてに共通する万能消火剤ではありません。

確認問題

問1:金属粉とマグネシウムの指定数量は物質名だけで決まる?

物質名だけでは決まりません。第一種または第二種可燃性固体の性状に応じ、100kgまたは500kgを確認します。

問2:硫化りんはどの化合物でも同じ消火剤でよい?

一律には扱いません。硫化りんには複数の化合物があるため、対象物質のSDS第5項を確認します。

問3:亜鉛粉は常に注水禁止?

一律ではありません。モデルSDSでも活性の高い金属粉末とそれ以外を分けています。製品条件を確認します。

問4:色だけで物質を判別してよい?

できません。色は試験学習上の代表例であり、実物は表示とSDSで確認します。

第2類の復習順

  1. 第2類の共通性質で品名と指定数量を確認する
  2. この記事で物質別SDSの違いを整理する
  3. 第2類ミニテスト10問で誤答を記録する
  4. 乙2 4択練習で性質・消火を確認する
資格太郎

この記事を書いた人

「危険物取扱者への道」運営者。危険物取扱者試験を独学で学習している受験生です。免状は保有していないため、記載する内容は消防法・危険物の規制に関する政令および規則の条文(e-Gov法令検索)と、消防試験研究センターの公開情報で必ず確認してから公開しています。

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