丙種

危険物丙種とは?できること・乙4との違い・試験内容

危険物丙種(へいしゅ)とは、第4類のうち、ガソリン・灯油など指定された危険物を自ら取り扱える資格です。乙4と違い、第4類すべてを扱えるわけではなく、無資格者の取扱作業への立会いもできません。まずは「仕事で何を扱うか」「立会いが必要か」で違いを確認しましょう。

丙種はどんな資格?

丙種を選ぶ前に確認する4項目
知りたいこと 丙種の基本
できること 定められた範囲の危険物の取扱い・定期点検
できないこと 無資格者の取扱作業への立会い・危険物保安監督者への選任
受験資格 年齢・学歴・実務経験による制限なし
通常試験 25問・四肢択一・75分。各科目60%以上で合格

灯油を扱う仕事に使いたい人と、他の人の取扱作業に立ち会いたい人では、必要な資格が違います。資格の業務範囲は消防試験研究センター「危険物取扱者について」、受験資格は同「受験資格」で確認できます。

丙種と乙4の違い

取扱範囲と立会いを先に比較
比べる項目 丙種 乙4
取扱い・定期点検 第4類の指定された範囲 第4類すべて
無資格者の作業への立会い できない 第4類についてできる
保安監督者への選任 できない 実務経験等の要件を満たして選任
通常試験 25問・4択・75分 35問・5択・120分
免状取得後の他の乙種受験 丙種免状による科目免除なし 申請により法令・物化が免除

たとえばエタノールなどのアルコール類も扱うなら、丙種の範囲では足りません。第4類全体の取扱いや立会いを目指す場合は乙4を検討します。乙4を受けるために先に丙種を取る必要はありません。

危険物保安監督者は、甲種または該当する乙種の免状に加え、対象危険物の取扱作業に関する6か月以上の実務経験を持つ人から選任されます。根拠は消防法第13条。科目免除は試験科目及び問題数で確認できます。

丙種で取り扱える危険物

「ガソリン・灯油・軽油・重油の4品目だけ」ではありません。次の範囲を、品名の区分と条件を組にして確認します。

第4類のうち丙種免状が対象とする範囲
区分 丙種で扱える範囲
第1石油類 ガソリン
第2石油類 灯油・軽油
第3石油類 重油・潤滑油、および引火点130℃以上のもの
第4石油類 第4石油類
動植物油類 動植物油類

第3石油類は「全部」ではありません。一方、重油・潤滑油まで一律に「130℃以上でなければ扱えない」と覚えるのも誤りです。アセトンやベンゼンなどガソリン以外の第1石油類、アルコール類、キシレンなど灯油・軽油以外の第2石油類、特殊引火物は丙種の範囲外です。

根拠:危険物の規制に関する規則第49条、消防庁資料(4ページ:丙種の取扱範囲と立会権限)。製品名だけで判断せず、実務では製品のSDS(安全データシート)等で品名区分と性状を確認します。

試験概要

科目免除のない通常試験は、全25問・四肢択一・1時間15分です。合計点だけでなく、受験する各科目でそれぞれ60%以上が必要です。

通常試験の科目別合格基準
科目 問題数 必要な正解数
危険物に関する法令 10問 6問以上
燃焼・消火の基礎知識 5問 3問以上
危険物の性質・火災予防・消火 10問 6問以上

たとえば法令8問・燃焼消火2問・性質8問なら、合計18問正解でも燃焼消火が基準未満なので不合格です。丙種は誰でも受験でき、受験手数料は4,200円(非課税)。一定の勤務年数と消防学校の教育修了要件を満たす消防団員には、申請による一部科目免除があります。

科目・免除条件は試験科目及び問題数、形式・時間・手数料・合格基準は試験の方法、申し込みは受験案内から、受験地の最新案内を確認してください。

合格率と難易度

消防試験研究センターの令和7年度実績(2025年4月〜2026年3月)では、丙種は受験者19,969人、合格者9,593人、合格率48.0%でした。同年度の乙4は31.9%です。ただし受験者の構成が異なるため、この差だけで「丙種なら簡単」とは判断できません。

自分の準備状況は、科目別の正答数で確認します。燃焼消火は5問中3問が必要なので、ここが2問のままなら、他科目の合計点を伸ばすより先に復習が必要です。

勉強法のポイント

学ぶ順番と日数の配分は、危険物丙種の勉強法・7日/14日学習計画にまとめています。まず3科目の内容を確認し、ミニテストで理解を確かめてから、危険物丙種の無料練習問題25問【第2回】で科目別の得点を見ます。必要な勉強時間は理解度によって変わるため、一律の時間や日数で合格を保証するものではありません。

取得のメリット

仕事の場面から資格の範囲を確かめる
やりたいこと 資格を選ぶときの確認
灯油・軽油などを自ら扱う 対象が丙種の範囲に入るか確認する
セルフ給油所で顧客の給油を監視する 丙種には立会権限がない。乙4・甲種の業務と区別する
職場で保安監督者を担う 丙種では選任不可。乙種・甲種と実務経験等の要件を確認する

丙種で基礎を学んでから乙4へ進むことはできますが、丙種免状によって乙4の科目が免除されるわけではありません。最初から乙4の業務を目指す人は、乙4の学習ロードマップも比べて選びましょう。

理解度チェック

Q1:丙種で取り扱えない物質はどれか? → 解答を見る

正解:アセトン(第1石油類の水溶性)
丙種の範囲には、ガソリン、灯油、軽油、第3石油類のうち重油・潤滑油と引火点130℃以上のもの、第4石油類、動植物油類が含まれます。アセトンはガソリン以外の第1石油類なので、丙種の範囲外です。自ら取り扱う資格としては乙4または甲種が該当します。

Q2:丙種の試験は何問・何択か? → 解答を見る

正解:全25問・四肢択一
科目免除のない通常試験は25問・四肢択一です。乙種の通常試験は35問・五肢択一。問題数や選択肢の数と、自分に必要な学習量は分けて考えましょう。

Q3:丙種免状で危険物保安監督者になれる? → 解答を見る

正解:丙種は保安監督者になれない
丙種免状では選任できません。甲種または該当する乙種の免状と、対象危険物の取扱作業に関する6か月以上の実務経験が必要です。免状を取っただけで自動的に保安監督者になるわけではありません。

Q4:丙種で取り扱える物質の組合せとして正しいものはどれか。(1)ガソリン・アセトン・灯油 (2)ガソリン・灯油・エタノール (3)ガソリン・灯油・軽油 (4)ベンゼン・灯油・軽油 → 解答を見る

正解:(3) ガソリン・灯油・軽油
(1) アセトンは第1石油類の水溶性 → ガソリン以外の第1石油類は丙種の範囲外 ✕
(2) エタノールはアルコール類 → 丙種の範囲外 ✕
(4) ベンゼンは第1石油類の非水溶性 → ガソリン以外の第1石油類は丙種の範囲外 ✕

Q5:丙種の試験について誤っているものはどれか。(1)全25問の四肢択一 (2)各科目60%以上で合格 (3)受験資格に学歴制限がある (4)試験時間は1時間15分 → 解答を見る

正解:(3) 受験資格に学歴制限がある ← これが誤り
丙種は受験資格の制限がありません。年齢・学歴・実務経験を問わず誰でも受験可能です。(1)(2)(4)はすべて正しい記述です。

丙種を読み終えた後の復習順

丙種は、試験範囲を広げすぎるよりも、公式形式を確認したうえで法令10問、燃焼消火5問、性質10問の順に固めると進めやすくなります。概要を読んだら、科目別まとめ、ミニテスト、模擬試験の順に戻り学習をしてください。

資格太郎

この記事を書いた人

「危険物取扱者への道」運営者。危険物取扱者試験を独学で学習している受験生です。免状は保有していないため、記載する内容は消防法・危険物の規制に関する政令および規則の条文(e-Gov法令検索)と、消防試験研究センターの公開情報で必ず確認してから公開しています。

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