危険物1類から6類は6つの法令上の性状で覚える
消防法上の危険物は、第1類「酸化性固体」、第2類「可燃性固体」、第3類「自然発火性物質及び禁水性物質」、第4類「引火性液体」、第5類「自己反応性物質」、第6類「酸化性液体」の6類です。数字だけでなく、この性状名を物質名と結び付けます。
覚え方は、まず第1・6類を酸化性の固体/液体、第2・4類を可燃性固体/引火性液体の組として押さえ、残る第3類は空気・水との反応、第5類は自己反応と整理します。これは学習用のまとめ方で、正式名称と品名は消防法別表第一で確認します。
甲種での使い方:消防試験研究センターの現行案内では、「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」は20問です。一覧を丸暗記して終わらず、類→品名→代表物質→製品SDSの順で確認します。
1類から6類の覚え方は「外側・偶数・残り」の3組
正式名称を崩さず覚えるため、次の3組に分けます。この3組は記憶の入口として当サイトが整理したもので、法令上の追加分類ではありません。
| 組 | 覚える対 | 正式な性状名 | 判断の入口 |
|---|---|---|---|
| 外側の1・6 | 酸化性の固体/液体 | 第1類=酸化性固体 第6類=酸化性液体 |
状態と品名を区別する |
| 偶数の2・4 | 燃える固体/引火する液体 | 第2類=可燃性固体 第4類=引火性液体 |
固体の着火と液体の引火を分ける |
| 残る3・5 | 外との反応/自己反応 | 第3類=自然発火性物質及び禁水性物質 第5類=自己反応性物質 |
第3類は「及び」でも定義は試験性状の「又は」 |
最後に「酸化性固体→可燃性固体→自然発火性・禁水性→引火性液体→自己反応性→酸化性液体」と1から6まで声に出し、代表物質を1つずつ付けます。語呂だけで、消火剤、水反応、指定数量まで一緒に決めないことが重要です。
消防法別表第一は、第3類を固体または液体で、空気中で発火する性状または水と接触して発火・可燃性ガス発生の性状を示すものと定義しています。「自然発火性と禁水性を全物質が両方持つ」という意味ではありません。
甲種の性質は20問・比較するときの3つの軸
消防試験研究センターの案内では、甲種の「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」は20問です。横断比較では次の順に整理します。
- 法令上の性状:酸化性固体、可燃性固体、自然発火性・禁水性、引火性液体、自己反応性、酸化性液体
- 法令上の品名:無機過酸化物、有機過酸化物、硝酸塩類、硝酸エステル類など
- 物質別の注意:水との反応、酸化性、自己反応性、適応する消火剤をSDSで確認
「固体か液体か」「有機か無機か」は手掛かりになりますが、それだけで類別を決定せず、最終的には消防法別表第一の品名区分と物質名で確認します。
危険物第1類〜第6類の性質・状態・代表物質一覧
次の表は、消防法別表第一と消防庁「危険物とは?」に沿って6類の入口を並べたものです。代表物質は暗記の起点であり、同じ類の全物質へ性質や消火方法を一般化するための表ではありません。
| 類 | 法令上の性状 | 状態 | 代表物質・品名の例 | 個別に確認する点 |
|---|---|---|---|---|
| 第1類 | 酸化性固体 | 固体 | 塩素酸カリウム、過マンガン酸カリウム、過酸化ナトリウム | 酸化力・衝撃感度、水反応、指定数量の性状区分 |
| 第2類 | 可燃性固体 | 固体 | 硫化りん、赤りん、硫黄、鉄粉、金属粉、マグネシウム | 粒度、水反応、粉じん、適応消火剤 |
| 第3類 | 自然発火性物質及び禁水性物質 | 固体または液体 | カリウム、ナトリウム、黄りん、アルキルアルミニウム | 空気・水のどちらに対する性状か、保護条件 |
| 第4類 | 引火性液体 | 液体 | ガソリン、灯油、軽油、アルコール類 | 引火点、水溶性、蒸気、泡等の適応性 |
| 第5類 | 自己反応性物質 | 固体または液体 | 有機過酸化物、硝酸エステル類、ニトロ化合物、アゾ化合物 | 熱分解、衝撃・摩擦、濃度・安定化条件 |
| 第6類 | 酸化性液体 | 液体 | 過塩素酸、過酸化水素、硝酸 | 濃度、混触物質、漏えい先、製品SDS |
状態の並びは「固・固・固液・液・固液・液」です。第3類と第5類は固体・液体の両方を含むため、「1〜3はすべて固体、4〜6はすべて液体」と覚えないでください。
「第1類」と「第一種酸化性固体」は別の分類
第1類危険物は消防法別表第一の「類」です。一方、第一種・第二種・第三種酸化性固体は、危険物政令別表第三で第1類の指定数量を決めるための「性状区分」です。数字が同じでも階層が異なり、第一種酸化性固体を第1類の別名にはできません。
| 比べる言葉 | 法令上の役割 | 数量 | 間違えやすい点 |
|---|---|---|---|
| 第1類・酸化性固体 | 消防法別表第一の類・性状名 | 品名と性状区分を見て決める | 第1類全体が50kgではない |
| 第一種/第二種/第三種酸化性固体 | 法定試験による第1類の性状区分 | 50kg/300kg/1,000kg | 品名だけで第一種に固定しない |
| 第5類・自己反応性物質 | 消防法別表第一の類・性状名 | 性状区分を見て決める | 「第一種自己反応性物質」は第1類ではない |
| 第一種/第二種自己反応性物質 | 圧力容器試験による第5類の性状区分 | 10kg/100kg | 類番号ではなく指定数量側の区分 |
根拠は危険物の規制に関する政令・別表第三です。実際の倍数計算は指定数量と倍数計算、6類を通した品名・数量表は指定数量一覧で確認できます。
「可燃・不燃」だけで6類を二分しない
第1類と第6類は、そのもの自体は燃焼しない酸化性危険物です。第2類は可燃性固体、第4類は引火性液体です。一方、第3類と第5類は「可燃性の類」と一語でまとめず、法令上の性状をそのまま押さえます。
| 類 | 法令上の性状 | 比較時の要点 |
|---|---|---|
| 第1類 | 酸化性固体 | 自身は燃焼せず、可燃物の燃焼を著しく促進 |
| 第2類 | 可燃性固体 | 着火・引火しやすい固体 |
| 第3類 | 自然発火性物質及び禁水性物質 | 空気または水との反応性を物質別に確認 |
| 第4類 | 引火性液体 | 液体そのものではなく蒸気の引火にも注意 |
| 第5類 | 自己反応性物質 | 加熱分解等で多量の熱または爆発的反応のおそれ |
| 第6類 | 酸化性液体 | 自身は燃焼せず、混在する可燃物の燃焼を促進 |
第5類の定義は「分子内に酸素を持つ可燃物」ではありません。アゾ化合物や金属のアジ化物なども含まれるため、自己反応性という法令上の性状で整理します。
消火・漏えい対応は「類→品名→SDS」の順に確認する
試験では代表的な消火方法が問われますが、「第○類なら必ず水」「第○類なら必ず乾燥砂」と一律には決められません。特に第1類・第2類・第3類には、水との反応性が異なる物質があります。
| 類 | 消火前に確認するポイント |
|---|---|
| 第1類 | 無機過酸化物など、水との反応に注意する品名か |
| 第2類 | 金属粉・マグネシウム等か、引火性固体・硫黄等か |
| 第3類 | 禁水性を有する物質か、黄りんのように性状が異なる物質か |
| 第4類 | 水溶性・非水溶性、液比重、使用する泡等の適応性 |
| 第5類 | 品名、温度、自己反応性、SDS記載の適応消火剤 |
| 第6類 | 濃度、混触物質、流出先、周囲の可燃物、SDSの漏えい対応 |
安全上の注意:実際の火災・漏えいでは、記事の類別表だけで消火・希釈・中和を試みないでください。使用製品のSDS、施設の緊急時手順、消防機関等の指示に従ってください。
第5類についても「すべて分子内酸素で燃え続ける」「大量の水だけが唯一の方法」とは説明しません。外部酸素がなくても自己反応が進む物質はありますが、適応する消火方法は物質・状態・規模で確認します。
代表物質を法令上の品名とセットで確認する
名称の一部だけで類別せず、次のように「物質名→法令上の品名→類」の順で確認します。
| 代表物質 | 品名・類 | 区別する相手 |
|---|---|---|
| 過マンガン酸カリウム | 過マンガン酸塩類・第1類 | 過酸化水素とは別類 |
| 硫黄・赤りん | 第2類 | 黄りんは第3類 |
| 黄りん・ナトリウム・アルキルアルミニウム | 第3類 | 物質ごとに自然発火性・禁水性を確認 |
| ジエチルエーテル・二硫化炭素 | 特殊引火物・第4類 | 液体の引火性危険物 |
| ニトログリセリン・TNT・過酸化ベンゾイル | 硝酸エステル類・ニトロ化合物・有機過酸化物/第5類 | 品名は互いに別 |
| 過酸化水素・硝酸・過塩素酸 | 第6類 | 濃度・性状はSDSで確認 |
名前が似た物質は「品名」を取り違えない
硝酸・硝酸塩・硝酸エステル・ニトロ化合物
| 硝酸カリウム | 硝酸塩類・第1類 |
| 硝酸 | 第6類 |
| ニトログリセリン | 硝酸エステル類・第5類 |
| TNT | ニトロ化合物・第5類 |
硝酸エステル類とニトロ化合物は別の品名区分です。ニトログリセリンを「ニトロ化合物」とまとめないようにします。
無機過酸化物・過酸化水素・有機過酸化物
| 過酸化ナトリウム | 無機過酸化物・第1類 |
| 過酸化水素 | 第6類 |
| 過酸化ベンゾイル | 有機過酸化物・第5類 |
「過酸化+金属名」「過酸化+有機物名」といった語形は暗記の補助にとどめ、物質名と法令上の品名で確認します。
黄りん・赤りん・りん化物・硫化りん
| 黄りん | 第3類 |
| 赤りん・硫化りん | 第2類 |
| りん化カルシウム | 第3類 |
横断比較の直前チェック
✔ 第4類=引火性液体、第5類=自己反応性物質、第6類=酸化性液体
✔ 第1類・第6類は自身が燃焼せず、可燃物の燃焼を促進する
✔ 第3類は、自然発火性・禁水性のどちらを持つか物質別に確認する
✔ 第5類を「すべて分子内酸素を持つ可燃物」と定義しない
✔ 硝酸エステル類とニトロ化合物は別の品名区分
✔ 消火・漏えい対応は、類別だけでなく品名・製品SDS・現場条件を確認
理解度チェック
法令上の品名と類を対応できるか確認しましょう。
まとめ — 横断比較は法令上の性状と品名を軸にする
- 甲種の性質・火災予防・消火方法は20問
- 第1類〜第6類は、消防法別表第一の性状名をそのまま押さえる
- 第3類・第5類を単純な可燃・不燃だけで分類しない
- 硝酸エステル類とニトロ化合物など、似た名称でも品名区分を分ける
- 消火・漏えい対応は「類→品名→物質別SDS・現場条件」の順に確認する
試験では代表物質と類の対応を確認し、実務では試験用の一般則をそのまま適用せず、最新のSDSと施設の手順へ戻るようにしてください。
あわせて読みたい
※当サイトの画像にはAI生成のものが含まれており、実際の機器・器具とは外観が異なる場合があります。問題・解答の内容には細心の注意を払っておりますが、誤りが含まれる可能性があります。学習の参考としてご活用いただき、最終的な確認は公式テキスト・法令等で行ってください。当サイトの情報に基づく判断によって生じた損害について、一切の責任を負いかねます。
内容の誤りやお気づきの点がございましたら、お問い合わせフォームよりご連絡いただけますと幸いです。正確な情報をお届けできるよう、随時修正してまいります。
