【解答・解説】乙4模擬試験 第1回

解答・解説

採点する前に

このページは、乙4模擬試験 第1回の五肢択一オリジナル問題に対応する解答・解説です。まず35問を最後まで解き、法令15問、物化10問、性質10問の正答数を分けて記録してください。

問題数は消防試験研究センター、試験方法・時間・合格基準は「試験の方法」、法令問題は消防法危険物政令危険物規則で確認できます。

第1科目:危険物に関する法令

問1 正解:(2)危険物には固体と液体があり、気体は含まれない

消防法上の危険物は、別表第一に掲げる品名で、同表の区分に応じた性状を有する固体または液体です。気体は消防法別表第一の危険物には含まれません。気体に適用される法令は物質・圧力・用途などで異なるため、すべてを一つの法律の対象と決めつけないようにします。

問2 正解:(4)6.0

指定数量の倍数=各品名の貯蔵量÷指定数量の合計です。ガソリン(第1石油類非水溶性)の指定数量は200Lなので400÷200=2.0、灯油(第2石油類非水溶性)は1,000Lなので2,000÷1,000=2.0、重油(第3石油類非水溶性)は2,000Lなので4,000÷2,000=2.0。合計=2.0+2.0+2.0=6.0です。

問3 正解:(5)移動タンク貯蔵所は取扱所に分類される

移動タンク貯蔵所(タンクローリー)は「貯蔵所」に分類されます。取扱所ではありません。貯蔵所は屋内・屋外・屋外タンク・屋内タンク・地下タンク・簡易タンク・移動タンクの7種類です。

問4 正解:(4)製造所等を設置するには、市町村長等の許可が必要である

製造所等を設置しようとする者は、市町村長等(市町村長・都道府県知事・総務大臣)の許可を受けなければなりません。位置・構造・設備の変更も許可が必要であり、届出だけでは足りません。完成検査に合格しなければ使用できません。

問5 正解:(3)製造所、屋外タンク貯蔵所、屋外貯蔵所

選択肢(3)の製造所・屋外タンク貯蔵所・屋外貯蔵所には、危険物政令で保安距離の基準があります。製造所・屋内貯蔵所・屋外タンク貯蔵所・屋外貯蔵所・一般取扱所を基本として整理しつつ、ただし書や施設ごとの特例も条文と許可条件で確認します。

問6 正解:(4)窓にガラスを用いる場合は、強化ガラスを使用すること

窓にガラスを用いる場合は、網入りガラスを使用しなければなりません。強化ガラスではありません。網入りガラスは割れても飛散しにくいため、火災時の安全性を高めます。

問7 正解:(3)防油堤の容量は、タンク容量の110%以上とする

引火点を有する液体危険物では、防油堤容量は原則としてタンク容量の110%以上が基準です。複数タンクを同じ防油堤内に置く場合や、引火点を有しない液体危険物などには計算方法・読み替えがあるため、110%だけを無条件に当てはめません。

問8 正解:(5)タンクの材質はステンレス鋼に限られる

移動貯蔵タンクは、厚さ3.2mm以上の鋼板または同等以上の機械的性質を有する材料で造るため、ステンレス鋼だけに限定されません。常置場所は設置許可の申請事項であり、許可を受けた場所に置きます。容量・間仕切り・車両に備える書類は、タンク構造や危険物の種類に応じた特例も含めて確認してください。

問9 正解:(5)固定給油設備のホースの長さは、5m以下であること

固定給油設備のホース長さは5m以下(懸垂式は6m以下)です。給油空地は間口10m以上・奥行6m以上が必要です。給油取扱所に保安距離は不要ですが、周囲には塀や壁を設けます。

問10 正解:(3)免状の写真は、撮影から5年以内のものに書き換えなければならない

免状の写真の書換え期限は、撮影から10年以内です。5年ではありません。書換え申請は、免状を交付した都道府県知事または居住地・勤務地の都道府県知事に行います。

問11 正解:(1)危険物保安監督者は、甲種または乙種の免状を持ち、6か月以上の実務経験が必要である

危険物保安監督者は、甲種または乙種の危険物取扱者で、6か月以上危険物取扱いの実務経験がある者から選任します。乙種の場合は、その免状で取り扱える類が対象です。丙種は選任対象にならず、選任・解任は市町村長等へ届け出ます。

問12 正解:(5)予防規程はすべての製造所等で必ず定めなければならない

予防規程の対象は、原則として指定数量の倍数が10以上の製造所、150以上の屋内貯蔵所、200以上の屋外タンク貯蔵所、100以上の屋外貯蔵所、移送取扱所、10以上の一般取扱所、給油取扱所です。自家用の給油取扱所などには除外条件があるため、施設区分と例外を組み合わせて確認します。

問13 正解:(1)運搬容器の外部に品名・数量・注意事項を表示する

運搬容器には、品名・危険等級・化学名、水溶性第4類なら「水溶性」、数量、危険物に応じた注意事項を表示します。容器による運搬そのものに危険物取扱者免状は必要なく、指定数量未満でも容器・積載・運搬の基準は適用されます。車両の「危」標識は指定数量以上を運搬する場合の基準で、すべての運搬へ一律に掲げるものではありません。

問14 正解:(4)泡消火設備は第3種消火設備である

消火設備は、第1種が屋内・屋外消火栓、第2種がスプリンクラー、第3種が水噴霧、泡、不活性ガス、ハロゲン化物、粉末などの設備、第4種が大型消火器、第5種が小型消火器や乾燥砂等です。修正後の選択肢では、泡消火設備を第3種とする(4)だけが正解です。

問15 正解:(4)従業者の一人が保安講習を受講していないとき

消防法第12条の2第1項では、無許可変更、完成検査前の使用、位置・構造・設備の措置命令違反、法定の保安検査違反、定期点検違反が、許可取消しまたは使用停止命令の対象になり得ます。従業者個人の保安講習未受講は、この項に列挙された施設許可の直接事由ではありません。

第2科目:基礎的な物理学及び基礎的な化学

問16 正解:(1)可燃物・酸素供給体・点火源

燃焼の3要素は「可燃物」「酸素供給体(空気)」「点火源(熱エネルギー)」です。この3つが同時にそろうと燃焼が起こり、1つでも取り除けば消火できます。

問17 正解:(2)引火点が低い液体ほど危険性が高い

引火点は、規定の試験条件で点火源を近づけたとき、引火するのに十分な蒸気を発生する最低の液温です。低いほど、より低い液温で引火可能な蒸気を生じやすくなりますが、総合的な危険性は燃焼範囲、発火点、蒸気密度、有害性、取扱量なども含めて判断します。

問18 正解:(5)水による消火はすべて冷却消火である

冷却消火は燃焼の継続に必要な温度より低くする方法です。水は主に冷却に使われますが、霧状水などでは蒸発による効果も加わります。水系消火剤の適否は危険物の水反応性・水溶性、設備の適応、火災規模で異なるため、「水ならすべて同じ原理・同じ用途」とは扱いません。

問19 正解:(2)液体が気体になることを蒸発(気化)という

液体→気体は蒸発(気化)、固体→液体は融解、液体→固体は凝固、気体→液体は凝縮(液化)、固体→気体は昇華です。沸騰は液体の内部からも気化が起こる現象です。

問20 正解:(3)42,000 J

熱量Q=質量m×比熱c×温度変化ΔT=200g×4.2 J/(g·℃)×(70−20)℃=200×4.2×50=42,000 Jです。

問21 正解:(2)湿度が高いと静電気は蓄積しやすい

一般に湿度が高い環境では表面の電荷が漏れやすく、乾燥時より静電気が蓄積しにくい傾向があります。ただし、湿度だけに頼らず、流速管理、接地・ボンディング、導電性、作業手順を設備ごとに確認します。

問22 正解:(2)燃焼は酸化反応の一種である

燃焼は熱と光を伴う激しい酸化反応です。酸化は酸素と結合する(水素を失う・電子を失う)こと、還元はその逆です。酸化と還元は必ず同時に起こります。第6類危険物(酸化性液体)は酸化剤として作用します。

問23 正解:(3)pH値が7より大きいとアルカリ性を示す

25℃付近の希薄な水溶液では、pH7を中性の目安とし、7未満を酸性、7より大きいものを塩基性として整理します。中性のpHは温度で変わり、濃い溶液などではpHが0未満または14を超えることもあるため、0〜14を絶対範囲とはしません。

問24 正解:(4)有機化合物は水に溶けやすいものが多い

有機化合物の水への溶けやすさは、分子の大きさや官能基で変わります。炭化水素には水へ溶けにくいものが多い一方、メタノール、エタノール、アセトンなど水と混ざるものもあり、「すべて水に溶けやすい」は誤りです。炭素を含んでも二酸化炭素や炭酸塩など有機化合物に含めないものがあります。

問25 正解:(2)不動態とは、金属が酸化被膜で覆われて腐食が進行しにくくなった状態をいう

不動態は、金属表面に緻密な被膜が生じ、反応や腐食が進みにくくなった状態です。鉄、アルミニウム、クロムなどで見られます。腐食性はイオン化傾向だけで決まらず、酸化被膜、溶液、濃度、温度などの条件にも左右されます。

第3科目:危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法

性質・消火の解説について

ここでは試験上の代表的な分類・性質を解説しています。実物の保管、移し替え、漏えい、火災対応へそのまま転用せず、製品SDS、設備の適応表示、施設の緊急時手順、消防機関の指示を優先してください。

問26 正解:(4)電気の良導体であり、静電気は蓄積しない

第4類には電気を通しにくく、流動・ろ過・噴出などで静電気を蓄積しやすい液体が多くあります。ただし導電率は物質、水分、混合状態で異なります。接地・ボンディング等の要否と方法は、設備・容器・作業条件に応じて確認します。

問27 正解:(2)ジエチルエーテルの沸点は約35℃で、引火点は−45℃である

ジエチルエーテルは、沸点約35℃、引火点は代表値で約−45℃の特殊引火物です。消防法別表第一では、特殊引火物をジエチルエーテル、二硫化炭素のほか、1気圧で発火点100℃以下のもの、または引火点−20℃以下かつ沸点40℃以下のものと定義しています。指定数量は50Lです。

問28 正解:(4)水によく溶ける

自動車用ガソリンは第1石油類(非水溶性)の代表例で、製品SDSでは水より軽い混合物として示されます。棒状注水は燃焼液を広げるおそれがありますが、水系消火剤の用途を一律に否定せず、製品SDS、消火設備の適応、消防機関の指示を確認してください。物性値や色は製品・規格で異なり得ます。

問29 正解:(2)メタノールは有毒で、誤飲すると失明するおそれがある

メタノールは有害で、飲み込むと視覚障害などの重い健康影響を生じるおそれがあります。消防法上のアルコール類は、原則として炭素数1〜3の飽和一価アルコールで、2-プロパノールも含まれます。指定数量は400Lです。

問30 正解:(5)灯油は第1石油類、軽油は第3石油類に分類される

灯油と軽油は、いずれも非水溶性第2石油類の代表例です。第2石油類は1気圧で引火点21℃以上70℃未満のものをいい、非水溶性の指定数量は1,000Lです。製品ごとの引火点は規格・組成で変わるため、灯油と軽油の固定値だけで一律に大小比較しません。

問31 正解:(4)重油は褐色〜暗褐色の粘性のある液体である

重油は第3石油類の代表例で、褐色〜暗褐色の粘性のある製品が一般的です。第3石油類は1気圧で引火点70℃以上200℃未満のものです。外観、粘度、引火点は重油の種類・製品で異なるため、実務では製品SDSを確認します。

問32 正解:(5)動植物油類の指定数量は5,000Lである

動植物油類の指定数量は10,000Lで、5,000Lではありません。乾性油が布や紙へ染み込み、それらが重なって放熱しにくい状態では、酸化熱が蓄積して発火するおそれがあります。ヨウ素価は不飽和度の指標の一つですが、発火の有無は含浸量、堆積、温度、放熱条件も含めて判断します。

問33 正解:(3)泡消火剤は液面を覆って窒息消火の効果がある

対象液体と適合する泡消火剤は、燃焼液面を覆って蒸気発生と空気供給を抑える用途があります。第4類という類別だけで消火剤を決めず、物質の水溶性、火災規模、設備の適応を確認します。二酸化炭素は風や開放空間の影響を受けやすいため、屋外で常に最適とはいえません。

問34 正解:(2)耐アルコール泡(水溶性液体用泡)消火剤を使用する

水溶性第4類の液面火災に泡を用いる場合は、対象物質に適合する耐アルコール泡などを選びます。粉末・不活性ガス等を含め、適応する消火剤は物質、火災規模、設備表示で異なるため、「水溶性なら必ず一種類」とは決めません。

問35 正解:(3)二硫化炭素

二硫化炭素は水より重い特殊引火物の代表例です。選択肢のガソリン、灯油、軽油、エタノールは、一般的な製品・純物質の代表値では水より軽いものとして整理します。密度は温度・組成・純度で変わるため、実物は製品SDSの測定条件を確認してください。

採点後の見直し

  1. 法令は15問中9問、物化・性質は各10問中6問を科目別の目安にする
  2. 法令は届出と許可、物化は計算問題、性質は水溶性消火方法へ戻る
  3. 正解番号だけでなく、他の選択肢が誤りになる条件を一文で説明する
  4. 第1回の問題へ戻って解き直すか、第2回で別問題を解く

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