法令(共通)

設置許可・変更許可・完成検査・仮使用をわかりやすく解説!仮貯蔵との違いも

結論から言います

危険物を扱う施設(製造所等の区分 — 3種12施設をわかりやすく完全整理で紹介した製造所・貯蔵所・取扱所のこと)を新しく作るには、市町村長等の許可が必要です。

そして、許可をもらったあとも「工事 → 完成検査 → 使用開始」というステップを踏まなければいけません。

試験で狙われるポイント

・「誰の」許可・承認が必要か(市町村長等?消防長?)
・「仮使用」と「仮貯蔵」の違い(場面・承認者・期間がまったく違う!)
・完成検査前検査が必要なのはどの設備か

ここを押さえれば、設置許可まわりの問題はかなりラクになります。順番に見ていきましょう!

設置許可の流れ — 全体像をつかもう

まずは「製造所等を新しく作る → 使い始める」までの全体の流れをつかんでおきましょう。ここが頭に入っていると、個別の手続きが「どの段階の話か」がすぐわかるようになります。

STEP 1:設置許可申請
市町村長等に申請書を提出
STEP 2:許可
許可書が交付される
STEP 3:工事着手
許可をもらってから工事スタート
STEP 4:完成検査前検査
液体タンクがある場合のみ(水張・水圧試験)
STEP 5:完成検査
市町村長等が技術基準への適合を確認
STEP 6:完成検査済証の交付
合格の証
STEP 7:使用開始!

ポイントは、許可をもらう前に工事を始めてはいけないということ。そして、工事が終わったあとも完成検査に合格するまで使えないということです。

STEP 4の「完成検査前検査」は、液体危険物タンクがある場合だけに必要な特別なステップです。これは後ほど詳しく解説します。

設置許可と変更許可

製造所等を新しく作るときだけでなく、既存の施設の位置・構造・設備を変更するときも許可が必要です。根拠となる条文を見てみましょう。

消防法 第11条第1項

製造所、貯蔵所又は取扱所を設置しようとする者は、政令で定めるところにより、製造所、貯蔵所又は取扱所ごとに、その位置、構造及び設備が第十条第四項の技術上の基準に適合しているものであることについて、当該製造所、貯蔵所又は取扱所の位置が同項の政令で定める区分に応じ、当該区分に定める市町村長、都道府県知事又は総務大臣の許可を受けなければならない。製造所、貯蔵所又は取扱所の位置、構造又は設備を変更しようとする者も、同様とする。

……ちょっと長いですよね。ざっくり現代語にするとこうなります。

現代語訳

「製造所等を新しく作るときも、位置・構造・設備を変更するときも、市町村長等の許可が必要ですよ。技術上の基準に合っているかチェックしますからね!」

「市町村長等」って誰?

条文には「市町村長、都道府県知事又は総務大臣」とありますが、試験ではまとめて「市町村長等」と出てきます。どの施設をどの人が管轄するかは政令で決まっていますが、試験対策では「設置・変更の許可 = 市町村長等」と覚えればOKです。

変更許可が必要なのは「位置・構造・設備」の変更

ここは試験でよくひっかけてくるポイントです。

変更の種類 手続き
位置・構造・設備の変更 変更許可が必要
上記以外の軽微な変更 届出でOK

たとえば、ガソリンスタンドで地下タンクの数を増やすのは「設備の変更」なので変更許可が必要。一方、危険物保安監督者が代わったときは届出で済みます。

「位置・構造・設備」の3つは、消防法と危険物の定義をわかりやすく解説!第1〜6類の分類も一気に理解でも出てきた消防法第10条第4項の「技術上の基準」と直結しています。技術基準に関わるような変更だから許可が必要、というわけですね。

完成検査と完成検査前検査

許可をもらって工事が終わったら、次は完成検査です。「ちゃんと基準どおりに作りましたか?」を市町村長等にチェックしてもらいます。

完成検査

消防法 第11条第5項(要旨)

製造所等の設置許可・変更許可を受けた者は、工事が完了したときは市町村長等が行う完成検査を受け、技術上の基準に適合していると認められた後でなければ使用してはならない。

現代語訳

「工事が終わったら市町村長等の完成検査を受けてね。合格するまで使っちゃダメだよ!合格したら完成検査済証を出すから、それが使用OKのサインです。」

完成検査に合格すると「完成検査済証」が交付されます。これが出て初めて使用開始できるということですね。

完成検査前検査 — 液体タンクだけの特別ステップ

ここがちょっとややこしいところ。液体危険物タンクがある施設は、完成検査の「前に」もう1つ検査を受ける必要があります。

危険物の規制に関する政令 第8条の2(要旨)

液体危険物タンクを有する製造所等は、完成検査を受ける前に、当該タンクについて市町村長等が行う完成検査前検査(水張検査又は水圧検査)を受けなければならない。

なぜ事前に検査するの?

タンクは完成後に壁や配管で覆われてしまうと、中を確認できなくなります。だから隠れてしまう前に水を入れて「漏れないか?」「強度は大丈夫か?」をテストするんです。これが水張試験・水圧試験です。

具体的にイメージすると——ガソリンスタンドの地下タンクを思い浮かべてください。地面に埋めてコンクリートで固めてしまったら、あとからタンクの漏れを確認するのは大変ですよね。だから埋める前に水を入れてチェックする、というわけです。

仮使用 — 変更工事中でも使いたい!

ここからは試験の超頻出テーマ「仮使用」です。

たとえば、ガソリンスタンドで地下タンクを1基増設する工事をしているとします。工事が終わって完成検査に合格するまで使えない……となると、増設とは関係ない既存の給油設備まで止めなきゃいけないのでしょうか?

さすがにそれは困りますよね。そこで登場するのが「仮使用」の制度です。

消防法 第11条第5項ただし書

変更の工事に係る部分以外の部分の全部又は一部を仮に使用しようとする場合は、市町村長等の承認を受けて使用することができる。

現代語訳

「変更工事をしている最中でも、工事とは関係ない部分なら、市町村長等の承認を受ければ使えますよ!」

仮使用のポイント3つ

1. 使えるのは「変更に係る部分以外」だけ
工事中の部分は当然使えません。あくまで工事と関係ない部分だけです。

2. 必要なのは「承認」(許可ではない!)
ここは試験で狙われます。設置・変更は「許可」ですが、仮使用は「承認」です。言葉の違いに注意してください。

3. 承認者は「市町村長等」
設置許可・変更許可と同じ、市町村長等です。

先ほどの例でいえば、ガソリンスタンドが地下タンクを1基増設する工事中、既存の給油設備で営業を続けたい → 市町村長等の仮使用の承認を受ければOK、ということですね。

仮貯蔵・仮取扱い — 仮使用とは別物!

「仮使用」と名前が似ていて紛らわしいのが「仮貯蔵・仮取扱い」です。この2つはまったく別の制度なので、しっかり区別しましょう。

仮貯蔵・仮取扱いは、消防法と危険物の定義をわかりやすく解説!第1〜6類の分類も一気に理解でも登場した消防法第10条第1項のただし書に出てきます。

消防法 第10条第1項ただし書

ただし、所轄消防長又は消防署長の承認を受けて指定数量以上の危険物を、十日以内の期間、仮に貯蔵し、又は取り扱う場合は、この限りでない。

現代語訳

「製造所等じゃない普通の場所でも、消防長か消防署長の承認を受ければ、10日以内に限って指定数量以上の危険物を一時的に貯蔵・取扱いできますよ!」

どんな場面で使うの?

たとえば、こんなケースが該当します。

  • 建設現場で一時的に大量のガソリン(発電機の燃料)を保管したい
  • イベント会場で一時的に灯油を大量に使いたい
  • 災害時に臨時で燃料を集積したい

どれも「専用の施設(製造所等)を作るほどではないけど、一時的に大量の危険物を扱いたい」という場面ですね。

仮使用 vs 仮貯蔵・仮取扱い — ここが試験に出る!

この2つの違いは本当によく出題されます。以下の表で整理しておきましょう。

仮使用 仮貯蔵・仮取扱い
どんな場面? 変更工事中に、工事と関係ない部分を使いたい 製造所等以外の場所で一時的に危険物を貯蔵・取扱いたい
承認者 市町村長等 消防長又は消防署長
期間の制限 なし(工事が終わるまで) 10日以内

覚え方のコツ

仮使用 → 「使用」だから、もともとある施設を使い続ける話。承認者は施設の設置許可と同じ市町村長等
仮貯蔵 → 「貯蔵」だから、施設の外で臨時に置く話。現場に近い消防長・消防署長が承認。期間は10日以内

特に「承認者が違う」というのが最大のひっかけポイントです。仮使用は市町村長等、仮貯蔵は消防長又は消防署長。ここを入れ替えた選択肢がよく出るので、しっかり区別しておきましょう。

手続きの種類を整理 — 許可・承認・届出

この記事では「許可」「承認」という言葉が何度も出てきました。試験では「届出」も含めて3つの手続きが問われるので、ここで一気に整理しておきましょう。

許可・承認・届出の使い分け
許可(もっとも厳格)
設置許可:新設
変更許可:位置・構造・設備の変更
市町村長等
承認(事前にOKをもらう)
仮使用:変更工事中の使用
市町村長等
仮貯蔵:施設外で10日以内
消防長・消防署長
届出(事後でもOKが多い)
品名・数量の変更
保安監督者の選解任
譲渡・引渡し など
市町村長等

「許可」は一番ハードルが高い手続き — 安全基準への適合が審査されます。「承認」は許可ほど厳格ではないけれど、事前にOKをもらう必要がある手続き。「届出」は事後でも認められるものが多い手続きです。

届出の種類や期限について詳しくは届出のすべてをわかりやすく解説!許可と届出の違い・届出先・期限を完全整理で解説しています。

試験直前チェック ── 設置許可の暗記ポイント
1. 新設・変更 → 市町村長等の「許可
2. 仮使用 → 市町村長等の「承認」(期間制限なし)
3. 仮貯蔵・仮取扱い → 消防長・消防署長の「承認」(10日以内
4. 完成検査前検査 → 液体危険物タンクがある場合のみ(水張・水圧試験)
5. 完成検査済証 → これが交付されて初めて使用開始OK

まとめ問題

ここまでの内容を4問でチェックしましょう!

問1

製造所等の設置許可を与えるのは、次のうち誰か。

① 消防長
② 消防署長
③ 市町村長等
④ 都道府県公安委員会

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正解:③ 市町村長等
消防法第11条第1項の規定により、製造所等の設置許可・変更許可は市町村長等が行います。消防長・消防署長は「仮貯蔵・仮取扱い」の承認者です。公安委員会は危険物とは無関係(火薬類は公安委員会ですが、危険物は消防法の管轄です)。

問2

仮貯蔵・仮取扱いの承認を行うのは誰か。また、その期間は最長何日か。

① 市町村長等 / 30日以内
② 消防長又は消防署長 / 10日以内
③ 市町村長等 / 10日以内
④ 消防長又は消防署長 / 30日以内

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正解:② 消防長又は消防署長 / 10日以内
消防法第10条第1項ただし書の規定です。仮貯蔵・仮取扱いは「所轄消防長又は消防署長」の承認で「10日以内」の期間に限り認められます。③の「市町村長等で10日以内」は承認者の部分がひっかけ。仮使用(市町村長等の承認)と混同しないようにしましょう。

問3

製造所等の変更工事中に、変更に係る部分以外の部分を使用するために必要な手続きはどれか。

① 設置許可
② 変更許可
③ 仮使用の承認
④ 仮貯蔵の承認

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正解:③ 仮使用の承認
消防法第11条第5項ただし書の規定です。変更工事中に「変更に係る部分以外」を使いたい場合は、市町村長等の「仮使用の承認」を受けます。④の仮貯蔵は「製造所等以外の場所で一時的に危険物を貯蔵する」場面のことなので、状況がまったく異なります。

問4

完成検査前検査(水張試験・水圧試験)が必要なのは、次のうちどの設備か。

① すべての製造所等
② 液体危険物タンク
③ 屋内貯蔵所の棚
④ 給油取扱所の事務所

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正解:② 液体危険物タンク
危険物の規制に関する政令第8条の2の規定です。液体危険物タンクは完成後に壁や土で覆われると検査が困難になるため、完成検査の前に水張試験(又は水圧試験)を受ける必要があります。すべての製造所等に必要なわけではないので①は誤りです。

問5

ガソリンスタンド(給油取扱所)が地下タンクを増設する工事中に、既存の給油設備で営業を続けたい場合、必要な手続きとして正しいものはどれか。

① 消防長の仮貯蔵の承認を受ける
② 市町村長等の仮使用の承認を受ける
③ 市町村長等の変更許可のみで使用できる
④ 完成検査を受けるまで一切使用できない

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正解:② 市町村長等の仮使用の承認を受ける
変更工事中に、工事に係る部分以外の部分を使用するには「仮使用の承認」が必要です(消防法第11条第5項ただし書)。承認者は設置許可と同じ市町村長等。①の仮貯蔵は「製造所等以外の場所で一時的に危険物を貯蔵する」場面なので状況が違います。③の変更許可だけでは工事中の使用はできません。④は仮使用の制度を無視した誤りです。この問題のように「具体的な場面→必要な手続き」を問う出題が頻出です。

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