結論から言います
危険物取扱者試験は「数値を覚えているかどうか」で決まる問題が全体の3〜4割を占めます。指定数量、保安距離、引火点、発火点、保安講習の期限……覚えるべき数字はたくさんありますが、丸暗記はキツいですよね。
- 数値の暗記には「パターン認識」と「語呂合わせ」の2本立てが最強
- パターン認識 → 規則性を見抜けば、丸暗記ゼロで覚えられるものがある
- 語呂合わせ → 規則性がないものは、リズムやストーリーで脳に定着させる
- この記事は試験に出るすべての数値を1ページに集約した"暗記辞典"です
ブックマークして試験直前にもう一度見返してください。
指定数量(第4類)の覚え方 — 最頻出!
指定数量はほぼ毎回出題される最重要テーマです。第4類の指定数量を覚えるコツは2つのパターンを押さえることです。
パターン① — 非水溶性の数列を丸ごと覚える
第4類の非水溶性の指定数量は、特殊引火物から動植物油類まで次の数列です。
50 → 200 → 1,000 → 2,000 → 6,000 → 10,000
語呂合わせで覚えましょう。
🔥 「ゴ(50)ニ(200)は セン(1000)ニ(2000)の ロク(6000)マン(10000)長者」
特殊引火物50L → 第1石油類200L → 第2石油類1,000L → 第3石油類2,000L → 第4石油類6,000L → 動植物油類10,000L
パターン② — 水溶性は非水溶性の「2倍」
第1〜第3石油類には「水溶性液体」の区分がありますが、覚え方は超シンプル。
水溶性の指定数量 = 非水溶性の2倍
| 品名 | 非水溶性 | 水溶性 |
|---|---|---|
| 第1石油類 | 200L | 400L(×2) |
| 第2石油類 | 1,000L | 2,000L(×2) |
| 第3石油類 | 2,000L | 4,000L(×2) |
つまり、非水溶性の数列「50・200・1000・2000・6000・10000」さえ覚えれば、水溶性も自動的にわかるんです。
アルコール類は400L — 「水溶性の第1石油類と同じ」と覚えると忘れにくいです。実際、アルコール類はすべて水溶性ですし、引火点も第1石油類に近い範囲なので、指定数量も同じ400Lというわけです。
第4類以外の指定数量はこう覚える
第1〜第6類の指定数量も試験に出ます。ただし第4類以外は「kg単位」です。
各類の指定数量は品名ごとに「第I種・第II種・第III種」に分かれますが、ここでは出題頻度の高い代表値を押さえましょう。
| 類 | 覚え方 | 指定数量 |
|---|---|---|
| 第1類 | 「ゴー・サン・セン」 | 50kg / 300kg / 1,000kg |
| 第2類 | 「ヒャク・ゴヒャク・セン」 | 100kg / 500kg / 1,000kg |
| 第3類 | 「ジュウ・ゴジュウ・サンビャク」 | 10kg / 50kg / 300kg |
| 第5類 | 「ジュウ・ヒャク・ニヒャク」 | 10kg / 100kg / 200kg |
| 第6類 | 「サンビャクだけ!」 | 300kg(1種類のみ) |
第3類と第5類は「10kg」が最小 — この2つだけ極端に少ないのは、自然発火性物質(第3類)と自己反応性物質(第5類)が少量でも大きな事故につながるからです。「危ないヤツは10kgから規制」と覚えましょう。
※ 全品名の完全一覧表は「指定数量 総まとめ!全6類・全品名の一覧表と覚え方のコツ」で確認できます。
保安距離の覚え方
保安距離は施設の周囲に確保すべき安全マージンです。対象となる建物ごとに距離が決まっています。
「住(10)に ガス(20) サン(30)ゴ(50)の文化財」
住居10m → 高圧ガス施設20m → 学校・病院等30m → 重要文化財50m
| 対象 | 距離 | 覚え方のヒント |
|---|---|---|
| 一般住居 | 10m以上 | 住居は「10」→ じゅう(住) |
| 高圧ガス施設 | 20m以上 | ガスは爆発するから住居より遠く |
| 学校・病院・劇場等 | 30m以上 | 「多くの人が集まる場所」は特に守る |
| 重要文化財 | 50m以上 | 燃えたら二度と戻らない=最大距離 |
特別高圧架空電線は別枠です。35,000V以下 → 3m以上、35,000V超 → 5m以上。「サンゴ(35,000)でサンゴ(3m/5m)」と覚えると引っかかりません。
引火点の分類境界 — 数直線で覚える
第4類危険物は引火点で分類されます。この「境界線の数字」を覚えれば、どの物質がどの分類かすぐに判別できます。
-20℃ → 21℃ → 70℃ → 200℃ → 250℃
| 分類 | 引火点の範囲 | 覚え方 |
|---|---|---|
| 特殊引火物 | -20℃以下 +沸点40℃以下 |
「マイナス20+沸点40」の2条件 |
| 第1石油類 | 21℃未満 | 21歳=「成人」→ 1番目の石油 |
| 第2石油類 | 21℃以上 70℃未満 | 「ナナジュウ(70)」がポイント |
| 第3石油類 | 70℃以上 200℃未満 | 70→200は「高温ゾーン」 |
| 第4石油類 | 200℃以上 250℃未満 | ニヒャク(200)の「ニ」で第4 |
| 動植物油類 | 250℃未満 | 引火点は高いが自然発火に注意 |
ひっかけ注意!
「21℃未満」と「21℃以上」の境界に要注意。引火点がちょうど21℃の液体は第2石油類です(「未満」なので21℃は含まない)。同様に、引火点がちょうど70℃なら第3石油類になります。
代表物質の引火点・発火点 — セットで覚える
試験では「引火点が最も低いものはどれか」「発火点が100℃以下の物質はどれか」といった問題が頻出です。物質名と数値をセットで覚えるのが鍵です。
引火点の代表値
| 物質名 | 引火点 | 覚え方のヒント |
|---|---|---|
| ジエチルエーテル | -45℃ | 「シゴ(45)く危険なエーテル」 |
| 二硫化炭素 | -30℃以下 | 発火点90℃が超頻出(別途覚える) |
| ガソリン | -40℃以下 | 「ヨンジュウ(40)度、マイナスでも引火」 |
| アセトン | -20℃ | 「第1石油類の水溶性」代表 |
| メタノール | 11℃ | 「いい(11)お酒」(飲んだら危険!) |
| エタノール | 13℃ | メタ11→エタ13、2つ違い |
| 灯油 | 40℃以上 | ガソリンの-40と対になる「プラス40」 |
| 軽油 | 45℃以上 | 灯油+5℃ → 「灯油よりちょっと高い」 |
| 重油 | 60〜150℃ | 1種60℃→2種→3種150℃と段階的 |
発火点の超頻出ポイント
発火点は「火種なしで自然に発火する温度」です。試験でよく狙われるのは次の2つ。
① 二硫化炭素の発火点 = 90℃(全危険物で最低レベル。お湯でも発火する!)
② ガソリンの発火点 = 約300℃(引火点は-40℃で超低いのに発火点は高い)
「引火点が低い ≠ 発火点も低い」がポイントです。ガソリンは引火点が-40℃以下で非常に燃えやすいですが、火種なしで自然発火するには300℃必要です。一方、二硫化炭素はお湯より少し高い90℃で勝手に発火するので、蒸気管の表面温度ですら危険なんです。
法令の期限・日数
法令科目では「何日以内」「何年ごと」がよく出ます。パターンで整理しましょう。
「10日」のグループ
| 内容 | 期限 |
|---|---|
| 仮貯蔵・仮取扱いの期間 | 10日以内 |
| 届出の期限(品名・数量変更、用途廃止、保安監督者の選解任等) | 遅滞なく |
ひっかけポイント:「仮貯蔵は30日以内」と出題されたらバツ!正しくは10日以内です。消防長または消防署長の承認が必要で、延長はできません。
免状関連の期限
「免状は ジュウ(10年)で写真 サン(3年)で講習」
| 内容 | 期限 | 覚え方 |
|---|---|---|
| 免状の写真の書換え | 10年以内 | パスポートも10年更新 |
| 保安講習(通常) | 前回から3年以内 | 3年ごとに知識を更新 |
| 保安講習(新たに取扱い業務に就いた場合) | 1年以内 | 実務スタートから1年で初回 |
| 免状の再交付申請先 | — | 交付した都道府県知事 or 書換えをした知事 |
定期点検の記録保存
「原則 サン(3)年、地下だけ ニムロク(26)年」
定期点検の記録保存期間は原則3年ですが、地下タンクを有する施設のみ26年です。地下タンクは腐食が進行しても目視で確認しにくいため、長期間の記録が必要というわけです。
施設の数値基準
施設の構造・容量に関する数値も頻出です。数が多いので、試験で狙われやすいものに絞って覚えましょう。
移動タンク貯蔵所(タンクローリー)
「サンマン(30,000)リットルを ヨンセン(4,000)で仕切る」
最大容量30,000L以下 / 間仕切りは4,000L以下ごと
簡易タンク貯蔵所
「ロッピャク(600)L × サン(3)基まで」
1基あたり600L以下、同一品質の危険物は1基に限る
防油堤の容量
屋外タンク貯蔵所の防油堤は、タンク容量の110%以上(複数タンクの場合は最大タンクの110%以上)。
「タンクが漏れても全部受け止める+余裕10%」と覚えましょう。
給油取扱所の数値
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 固定給油設備のホース長 | 5m以下(懸垂式は3m以下を含む場合あり) |
| 固定注油設備のホース長 | 4m以下 |
| 販売取扱所 第1種 | 指定数量の15倍以下 |
| 販売取扱所 第2種 | 指定数量の15倍超〜40倍以下 |
イオン化傾向の覚え方
物理学及び化学で出題されるイオン化傾向。金属をイオンになりやすい順に並べたものです。
Li K Ca Na Mg Al Zn Fe Ni Sn Pb (H) Cu Hg Ag Pt Au
よく使われる語呂合わせはこちら。
「リッチに 貸そうか な、まあ あてに すんな、ひ どすぎる 借金」
リ(Li)ッチ(K=kalium)に カ(Ca)そうか ナ(Na)、
マ(Mg)ア(Al) ア(Zn=亜鉛)テ(Fe=鉄)ニ(Ni) ス(Sn=錫)ン(Pb=鉛)ナ、
ヒ(H=水素) ド(Cu=銅)ス(Hg=水銀)ギル(Ag=銀) シャッ(Pt=白金)キン(Au=金)
試験での使い方は主に次の2つです。
- イオン化傾向が大きい金属(Li〜Al)→ 反応性が高く、水と反応するものもある。腐食しやすい
- イオン化傾向が小さい金属(Cu〜Au)→ 酸に溶けにくい。「王水」でしか溶けない金や白金
- 水素(H)より左 → 酸に溶けて水素を発生。水素より右 → 希酸には溶けない
不動態(Fe、Al、Ni)もセットで覚えましょう。濃硝酸に漬けると表面に酸化被膜ができて、それ以上溶けなくなります。「鉄(Fe)とアルミ(Al)とニッケル(Ni)は不動態をつくる」— イオン化傾向の列で3つ並んでいるので見つけやすいですね。
燃焼範囲の代表値
燃焼範囲は「空気中で蒸気が燃える濃度の幅」です。試験で問われやすい代表値を押さえましょう。
| 物質名 | 燃焼範囲 | ポイント |
|---|---|---|
| ガソリン | 1.4〜7.6% | 範囲が狭い=換気が効きやすい |
| ジエチルエーテル | 1.9〜36% | 範囲が非常に広い |
| アセトアルデヒド | 4.0〜60% | 上限60%=最も範囲が広い部類 |
| アセトン | 2.5〜13% | 水溶性の第1石油類 |
| 灯油 | 1.1〜6.0% | ガソリンより範囲が狭い |
覚え方のコツ:数値を全部覚える必要はありません。試験では「燃焼範囲が最も広いのはどれか」「下限が最も低いのはどれか」という比較問題が多いです。
- 範囲が最も広い → アセトアルデヒド(4〜60%)やジエチルエーテル(1.9〜36%)
- 下限が最も低い → 灯油(1.1%)やガソリン(1.4%)。つまり少量の蒸気でも燃える
- 温度が上がると → 燃焼範囲は広がる(下限は下がり、上限は上がる)
その他の頻出数値
蒸気比重の計算
蒸気比重 = 分子量 ÷ 29
29は空気の平均分子量です。例えばガソリンの主成分オクタン(C₈H₁₈)の分子量は114なので、蒸気比重 = 114 ÷ 29 ≒ 3.9。空気の約4倍の重さなので、床面や低い場所にたまりやすいんです。
消火設備の分類
消火設備は第1種〜第5種に分かれます。覚え方はこう。
「いちお(屋内消火栓)に(屋外消火栓)さん(スプリンクラー)よ(大型消火器)ご(小型消火器)」
第1種=屋内消火栓 / 第2種=屋外消火栓 / 第3種=スプリンクラー等 / 第4種=大型消火器 / 第5種=小型消火器
注意:第1〜3種は固定設備(建物に設置されたもの)、第4〜5種は可搬式(持ち運べるもの)です。「固定か持ち運びか」で大分類を押さえておくと、個別の分類も混乱しにくくなります。
まとめ問題 — 数値暗記チェック
ここまでの内容を4択問題で確認しましょう。
問題1
第4類危険物のうち、第2石油類(水溶性液体)の指定数量として正しいものはどれか。
(1)400L (2)1,000L (3)2,000L (4)4,000L
問題2
保安距離について、重要文化財から確保すべき距離として正しいものはどれか。
(1)20m以上 (2)30m以上 (3)40m以上 (4)50m以上
問題3
二硫化炭素の発火点として正しいものはどれか。
(1)50℃ (2)90℃ (3)260℃ (4)300℃
問題4
危険物取扱者免状の写真の書換えは、撮影から何年以内に行う必要があるか。
(1)3年 (2)5年 (3)10年 (4)15年
数値暗記でやりがちなミス5選
→ ガソリン−40℃ / 灯油40℃以上。「40」の数字が同じで符号だけ違う→頻出の入れ替え。
→ 水溶性は非水溶性の2倍。例: 第1石油類の非水溶性200L → 水溶性400L(600Lではない)。
→ 保安距離=施設から外部の建物等までの距離。保有空地=施設の周囲に確保する空地。対象施設も異なる。
→ 保安講習は3年に1回。免状の写真の書換えが10年。数字のすり替えがひっかけの定番。
→ 第1石油類は引火点21℃未満。ちょうど21℃は第2石油類。境界値は「未満/以上」の区別を必ず確認。
超重要数値クイックリファレンス
✔ 特殊引火物50 → 第1石油類200 → 第2石油類1,000 → 第3石油類2,000 → 第4石油類6,000 → 動植物油類10,000
✔ 水溶性 = 非水溶性の2倍 / アルコール類 = 400L
【引火点】
✔ ガソリン−40℃ / 灯油40℃以上 / 軽油45℃以上 / 重油60〜150℃ / 第4石油類200℃以上
✔ 分類境界: 21℃未満=第1 / 21℃以上70℃未満=第2 / 70℃以上200℃未満=第3
【法令の数値】
✔ 保安講習3年 / 写真書換10年 / 仮貯蔵10日 / 点検記録3年保存
✔ 保安監督者の実務経験6ヶ月 / 「危」標識0.3m×0.3m
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