解答・解説
採点する前に
このページは、乙4模擬試験 第5回の五肢択一オリジナル問題に対応する解答・解説です。まず35問を最後まで解き、法令15問、物化10問、性質10問の正答数を分けて記録してください。
科目・問題数は消防試験研究センター、試験方法・時間・合格基準は「試験の方法」、法令問題はe-Gov法令検索「消防法」と関連政省令で確認してください。
第1科目:危険物に関する法令
問1 正解:(2)指定数量未満の危険物の貯蔵・取扱いの基準は、市町村条例で定められる
指定数量未満の危険物の貯蔵・取扱いについては、消防法ではなく市町村条例で技術上の基準が定められています。許可は不要ですが、条例による規制は受けます。
問2 正解:(3)廃止届は、遅滞なく市町村長等に届け出なければならない
製造所等の用途を廃止したときは、遅滞なく市町村長等に届け出なければなりません。許可ではなく届出であり、届出先は消防庁長官ではなく市町村長等です。
問3 正解:(2)定期点検は、危険物取扱者、危険物施設保安員、または危険物取扱者の立会いのもと危険物取扱者以外の者が実施できる
定期点検は、①危険物取扱者、②危険物施設保安員、③危険物取扱者の立会いを受けた者のいずれかが実施できます。消防署員が実施するものではなく、資格を持つ者か立会いのもとで行います。
問4 正解:(2)鋼製二重殻タンクには、タンクと外側鋼板の間隙に検知液を満たし、その液の漏れを検知する方式がある
鋼製二重殻タンクには、鋼製タンクの外側に鋼板を間隙を設けて取り付け、その間隙に腐食防止措置を講じた液体を満たし、その液の漏れを検知する設備を設ける方式があります。二重殻には別の構造もあるため、すべてを検知液方式と一律には扱いません。
問5 正解:(2)セルフスタンドには、顧客が自ら給油等を行う旨を表示しなければならない
セルフ式の給油取扱所には、「顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所」である旨を見やすい箇所に表示しなければなりません。また、甲種または乙種第4類の危険物取扱者が監視・制御・指示を行う必要があり、完全に無人での運営はできません。
問6 正解:(4)免状の返納命令は、都道府県知事が行う
免状を交付した都道府県知事は、危険物取扱者が消防法または同法に基づく命令へ違反しているとき、免状の返納を命じることができます。返納命令から1年を経過しない者には免状を交付しないことができますが、消防法第13条の2は「1年間受験できない」とは規定していません。
問7 正解:(3)保安監督者の解任命令は、市町村長等が行う
危険物保安監督者が消防法令に違反した場合、市町村長等は製造所等の所有者等に対して保安監督者の解任を命じることができます。免状の返納命令が都道府県知事であるのに対し、保安監督者の解任命令は市町村長等である点が頻出の比較ポイントです。
問8 正解:(3)水抜口は、通常は閉鎖しておき、雨水等を排出するときに開放する
防油堤の水抜口は通常は閉鎖しておき、防油堤内にたまった雨水等を排出するときだけ開放します。常時開放していると、タンクから漏れた危険物が防油堤の外に流出してしまうため、平常時は閉じておくのが原則です。
問9 正解:(1)可燃性蒸気が滞留するおそれのある建築物には、排出設備を設けなければならない
可燃性の蒸気または微粉が滞留するおそれのある建築物には、その蒸気等を屋外の高所に排出する設備を設けなければなりません。排出口は屋外の高所に設け、引火防止に配慮します。強制換気装置(排風機等)も使用できます。
問10 正解:(2)事故を発見した者は、直ちに消防署、市町村長の指定した場所、警察署または海上警備救難機関へ通報しなければならない
製造所等で危険物の流出その他の事故が発生したときは、発見者は直ちに消防署、市町村長の指定した場所、警察署または海上警備救難機関へ通報します。通報義務は危険物取扱者に限定されません。
問11 正解:(1)完成検査を受けずに使用を開始した場合、許可を取り消されることがある
消防法第12条の2第1項には、無許可変更、完成検査前の使用、位置・構造・設備の基準適合命令違反、保安検査義務違反、定期点検義務違反の5区分があり、市町村長等は許可取消しまたは期間を定めた使用停止を命じることができます。保安監督者未選任などは同条第2項の使用停止事由と分けて確認します。
問12 正解:(4)予防規程の写し
移動タンク貯蔵所には、完成検査済証、定期点検記録に加え、危険物規則第7条の譲渡・引渡し届出書と第7条の3の品名・数量・指定数量の倍数の変更届出書を備え付けます。予防規程の写しは、この規定の常備書類には含まれません。
問13 正解:(2)危険物の温度が55℃を超えないよう、必要な措置を講じる
屋内貯蔵所では、容器に収納して貯蔵する危険物の温度が55℃を超えないよう、必要な措置を講じます。法令文は室温を一律55℃以下にする規定ではないため、対象を区別してください。
問14 正解:(1)第1類・塩素酸塩類 — 50 kg
第1類の塩素酸塩類の指定数量は50 kgです。ほかの選択肢の正しい値は、硫黄100 kg、カリウム10 kg、ニトロ化合物200 kg、過酸化水素300 kgです。選択肢(4)の500 kgは誤りであり、ニトロ化合物200 kgが正解という意味ではありません。
問15 正解:(5)避雷設備
警報設備には、①自動火災報知設備、②消防機関に報知できる電話、③非常ベル装置、④拡声装置、⑤警鐘があります。避雷設備(避雷針)は警報設備ではなく、建築物の付帯設備です。混同しやすいので注意が必要です。
第2科目:基礎的な物理学及び基礎的な化学
問16 正解:(2)圧力一定のとき、気体の体積は絶対温度に比例する
シャルルの法則は「圧力一定のとき、気体の体積は絶対温度に比例する」(V/T=一定)という法則です。温度が2倍になれば体積も2倍になります。なお、温度一定で体積と圧力が反比例するのはボイルの法則です。
問17 正解:(4)飽和蒸気圧は液体の種類に関係なく一定である
飽和蒸気圧は物質の種類と温度によって異なり、同じ液体では一般に温度が上がるほど大きくなります。引火点と蒸気圧は関係する場合があっても別の物性値なので、単純な大小関係だけで判断しません。
問18 正解:(2)発熱反応では、反応物のエネルギーが生成物のエネルギーより大きい
発熱反応では、反応物側から生成物側へ移るときに周囲へ熱が放出されます。燃焼や強酸と強塩基の中和は代表的な発熱反応です。反応が発熱か吸熱かと、反応速度が速いか遅いかは別に判断します。
問19 正解:(1)蒸留 — 沸点の違いを利用して液体混合物を分離する
蒸留は沸点の違いを利用して液体混合物を分離する方法です。原油からガソリン・灯油・軽油などを分離するのが代表例です。ろ過は粒子の大きさの違いを利用して固体と液体を分離する方法です。
問20 正解:(3)塩化水素は水中で水と反応し、オキソニウムイオンと塩化物イオンを生じる
塩化水素(HCl)は水中で水分子へプロトンを渡し、オキソニウムイオン(H3O+)と塩化物イオン(Cl−)を生じます。教科書でH+と略記する場合もあります。塩化ナトリウム水溶液はイオンを含み、砂糖水では砂糖は分子として溶けます。
問21 正解:(2)代表的な純金属では、銀は熱伝導率が非常に高い
室温付近の代表的な純金属では、銀や銅は熱伝導率が非常に高い材料です。ただし、熱伝導率は温度、純度、合金組成で変わり、ダイヤモンドのように高い値を示す非金属もあるため、「すべての金属>すべての非金属」とは一般化しません。
問22 正解:(5)発熱量だけを見れば、物質の着火しやすさを必ず判定できる
発熱量は完全燃焼したときに放出される熱量の指標であり、着火温度、状態、粒径、含水率、酸素濃度などを無視して着火しやすさを発熱量だけで決めることはできません。細分化による表面積増加、乾燥、酸素濃度上昇は、条件によって燃焼を促進します。
問23 正解:(1)空気中の酸素濃度は約21%である
乾燥空気の酸素濃度は約21 vol%です。燃焼を維持できる限界酸素濃度は燃料、温度、圧力、希釈ガス等で異なるため、14〜15%をすべての可燃物へ一律には適用しません。窒息消火と冷却消火は取り除く要素が異なります。
問24 正解:(1)水(H₂O)は、水素原子2個と酸素原子1個からなる
水(H₂O)は水素原子2個と酸素原子1個が結合した化合物です。二酸化炭素(CO₂)は炭素1個と酸素2個、メタン(CH₄)は炭素1個と水素4個からなります。エタノールは炭素・水素・酸素からなる有機化合物で窒素は含みません。塩化ナトリウムは無機化合物です。
問25 正解:(4)ガラスやゴムは電気の良導体である
一般的なガラスやゴムは電気を通しにくく、金属は通しやすい材料です。乾燥したガソリンなどの炭化水素液体も導電率が低く、流動・ろ過・移し替え等で生じた静電気が逃げにくいことがあります。帯電危険は液体の組成、水分、設備、流速などで変わります。
第3科目:危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法
性質・取扱いの解説について
ここでは試験上の代表的な性質を解説しています。実物の保管、移し替え、においの確認、漏えい・火災対応へそのまま転用せず、製品SDS、設備の適応表示、施設の緊急時手順、消防機関の指示を優先してください。
問26 正解:(3)オクタン価が高いほどアンチノック性が高い
オクタン価はガソリンのアンチノック性(ノッキングの起こりにくさ)を表す指標です。オクタン価が高いほどノッキングが起こりにくくなります。ハイオクガソリンはレギュラーよりオクタン価が高く、引火点とは異なる指標です。
問27 正解:(2)JISでは灯油を1号と2号に分類しており、家庭用暖房等には1号灯油が使われる
現行のJIS K 2203では灯油を1号と2号に区分し、家庭用暖房機器には通常1号灯油が使われます。両者は要求品質と用途が異なるため、2号を単純に「品質が低い」と決めず、機器の指定燃料と現行規格を確認してください。
問28 正解:(2)軽油は低温でワックス分が析出して流動性が低下することがあり、寒冷地では低温特性に合う種類を選ぶ
流動点は所定の試験条件で油が流動する最低温度の指標です。軽油は低温でワックス分が析出し、流動性低下やフィルター目詰まりを生じることがあります。JIS K 2204では特1号、1号、2号、3号、特3号があり、季節・地域・車両の指定に合うものを使います。
問29 正解:(4)クレオソート油は第3石油類(非水溶性)に分類される
クレオソート油は第3石油類(非水溶性)の代表例です。製品は混合物であり、外観・密度・組成などは製品ごとに異なり得ます。においを確認する目的で近づかず、実務の物性・有害性は製品SDSで確認してください。
問30 正解:(4)アニリンは第3石油類に分類され、水より重い非水溶性の液体である
アニリンは消防法上の第3石油類(非水溶性)で、水より重い代表例です。水へは20℃で約3.4 g/100 mL溶けますが、消防法上の水溶性区分とは別に扱います。有害で経皮吸収のおそれもあるため、物性値と取扱いは製品SDSで確認してください。
問31 正解:(3)ピリジンは第1石油類(水溶性)に分類され、水と混ざり、水より軽い
ピリジンは第1石油類(水溶性)に分類され、水と混ざり、水より軽い代表例です。物性値は温度・純度で変わり、有害なため、においを確かめる目的で近づいたり嗅いだりしないでください。
問32 正解:(3)酢酸エチルは第1石油類(非水溶性)に分類され、水より軽い
酢酸エチルは第1石油類(非水溶性)で、水より軽い代表例です。水へ一部溶けることと消防法上の非水溶性区分は分けて覚えます。物性は条件で変わり、有害な蒸気へ近づいてにおいを確認しないでください。
問33 正解:(2)空気より重い可燃性蒸気は低所やくぼみに滞留し、離れた火源で引火することがある
乙4で扱う代表的な可燃性蒸気には、空気より重く低所やくぼみに滞留しやすいものが多くあります。離れた点火源へ達して引火することがあるため、物質の蒸気密度、温度、換気条件をSDSと設備基準で確認します。
問34 正解:(4)可燃性蒸気は低所に滞留するため、高所の換気のみ行えばよい
空気より重い可燃性蒸気は低所やくぼみに滞留し得るため、高所の換気だけで十分とは限りません。容器の閉鎖方法や接地・ボンディングは、物質、容器、作業、設備の条件に応じて法令・SDS・施設手順で確認します。
問35 正解:(3)アマニ油などの乾性油が染み込んだ布を重ねて放置すると、酸化熱が蓄積して自然発火するおそれがある
アマニ油などの乾性油が布や紙へ染み込み、それらが堆積して放熱しにくい状態になると、酸化熱が蓄積して自然発火するおそれがあります。油種やヨウ素価だけで発火の有無を断定せず、含浸量、堆積、温度、放熱条件を確認します。使用済み布の処理は製品SDSと施設手順に従ってください。
採点後の見直し
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