行政上の対応を「違反内容」と「根拠条文」で分ける
このページは、危険物施設への命令、使用停止、許可取消し、事故対応を確認する4択のオリジナル問題10問です。公式過去問題の転載ではありません。
消防法の対応は、必ず修理命令→使用停止→許可取消しの順に進むわけではありません。位置・構造・設備の不適合、貯蔵・取扱い基準違反、重大な5事由、保安体制に関する4事由、緊急時、事故時を条文ごとに確認します。
現行法令と公式問題で確認する
貯蔵・取扱い基準に従わせる命令は消防法 第11条の5、位置・構造・設備の修理・改造・移転命令は第12条、許可取消し・使用停止は第12条の2、緊急時の一時停止・使用制限は第12条の3です。
事故時の応急措置・通報・代執行は同第16条の3、火災を除く一定事故の原因調査は第16条の3の2です。出題形式は消防試験研究センターの公開問題を参照しています。実際の事故では試験上の分類より、人命確保・避難・119番通報・施設手順・消防機関の指示を優先してください。
| 場面 | 主な対応 | 根拠 |
|---|---|---|
| 位置・構造・設備が不適合 | 修理・改造・移転命令 | 第12条第2項 |
| 貯蔵・取扱い基準違反 | 基準に従うよう命令 | 第11条の5 |
| 第12条の2第1項の5事由 | 許可取消しまたは期間を定めた使用停止 | 第12条の2第1項 |
| 緊急の必要 | 一時停止命令または使用制限 | 第12条の3 |
ミニテスト10問
問1
製造所等の位置・構造・設備が技術上の基準に適合していない場合、市町村長等が命じることができる内容はどれか。
(1)修理・改造・移転
(2)従業員の給与変更
(3)危険物取扱者免状の書換え
(4)必ず直ちに許可取消しだけ
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正解:(1)修理・改造・移転
消防法第12条第2項です。所有者・管理者・占有者のうち権原を有する者に、位置・構造・設備を技術上の基準へ適合させるための修理・改造・移転を命じることができます。
問2
危険物の貯蔵・取扱いが技術上の基準に違反している場合の命令として、正しいものはどれか。
(1)第11条の5に基づき、基準に従って貯蔵・取扱いをするよう命じる
(2)必ず許可を即時取消しする
(3)予防規程の認可だけを取り消す
(4)何も命じることはできない
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正解:(1)第11条の5に基づき、基準に従って貯蔵・取扱いをするよう命じる
施設・設備側の第12条と、貯蔵・取扱い側の第11条の5を分けます。第11条の5の命令に違反した場合は、第12条の2第2項の使用停止命令の対象になり得ます。
問3
次のうち、消防法第12条の2第1項が定める「許可取消しまたは使用停止」の直接事由に含まれないものはどれか。
(1)無許可で位置・構造・設備を変更した
(2)完成検査で適合と認められる前に使用した
(3)法定の定期点検・記録作成・保存に違反した
(4)使用停止命令に違反した
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正解:(4)使用停止命令に違反した
第12条の2第1項の5事由は、無許可変更、完成検査前使用、第12条第2項の命令違反、保安検査違反、定期点検等違反です。「使用停止命令違反」や「不正の手段で許可を得たこと」は、この5事由としては列挙されていません。
問4
第12条の2第1項の処分について、正しいものはどれか。
(1)必ず措置命令、使用停止、許可取消しの順に進む
(2)5事由のいずれかに該当すれば、許可取消しまたは期間を定めた使用停止を選択できる
(3)許可取消しは絶対にできない
(4)口頭注意しかできない
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正解:(2)5事由のいずれかに該当すれば、許可取消しまたは期間を定めた使用停止を選択できる
条文は固定的な3段階手順を定めていません。第1項の事由では、市町村長等が許可を取り消し、または期間を定めて使用停止を命じることができます。
問5
消防法第12条の2第2項の「使用停止命令だけ」の事由に含まれるものはどれか。
(1)必要な危険物保安監督者を定めて保安監督させていない
(2)無許可で位置・構造・設備を変更した
(3)完成検査前に使用した
(4)法定の保安検査を受けなかった
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正解:(1)必要な危険物保安監督者を定めて保安監督させていない
第12条の2第2項第3号です。同項の4事由は、貯蔵・取扱い基準に従う命令違反、危険物保安統括管理者を定めて統括管理させないこと、危険物保安監督者を定めて保安監督させないこと、これらの者の解任命令違反です。
問6
必要な危険物保安統括管理者を定めず、危険物の保安業務を統括管理させていない場合の処分として、正しいものはどれか。
(1)期間を定めた使用停止命令の対象
(2)第12条の2第1項の許可取消しだけ
(3)修理・改造・移転命令だけ
(4)消防法上の処分対象ではない
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正解:(1)期間を定めた使用停止命令の対象
消防法第12条の2第2項第2号です。この項は期間を定めた使用停止を規定し、許可取消しは規定していません。第1項の「取消しまたは停止」と区別します。
問7
公共の安全の維持または災害発生防止のため緊急の必要がある場合、市町村長等ができることはどれか。
(1)製造所等の使用の一時停止を命じ、または使用を制限する
(2)必ず通常の命令違反を待つ
(3)危険物取扱者免状を自動的に失効させる
(4)何もできない
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正解:(1)製造所等の使用の一時停止を命じ、または使用を制限する
消防法第12条の3です。違反処分の段階を待つ制度ではなく、緊急の必要に対応する独立した権限です。
問8
危険物の流出等の事故が発生したときの義務者について、正しいものはどれか。
(1)所有者・管理者・占有者は直ちに応急措置を講じ、事故を発見した者は直ちに消防署等へ通報する
(2)所有者等だけが応急措置と通報の両方を負い、発見者には義務がない
(3)危険物取扱者だけが通報する
(4)市町村長等の指示が来るまで何もしない
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正解:(1)所有者・管理者・占有者は直ちに応急措置を講じ、事故を発見した者は直ちに消防署等へ通報する
消防法第16条の3第1項・第2項です。応急措置の義務者と通報義務者は同じ書き方ではありません。通報先は消防署、市町村長が指定した場所、警察署または海上警備救難機関です。
問9
事故時の応急措置命令と行政代執行について、正しいものはどれか。
(1)所有者等が応急措置を講じていなければ命令でき、命令が履行されない等の場合は行政代執行法に従って措置を行わせることができる
(2)応急措置を命じることはできない
(3)代執行は所有者等の同意がなければ常に不可能
(4)事故原因調査だけが可能
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正解:(1)所有者等が応急措置を講じていなければ命令でき、命令が履行されない等の場合は行政代執行法に従って措置を行わせることができる
消防法第16条の3第3項〜第5項です。移動タンク貯蔵所には区域を管轄する行政庁に関する別の定めがあります。命令不履行、不十分な履行、期限までに完了見込みがない場合に代執行が可能です。
問10
消防法第16条の3の2による事故原因調査の対象として、正しいものはどれか。
(1)製造所等の流出等事故のうち、火災を除き、火災が発生するおそれのあったもの
(2)火災を含むすべての事故を必ず調査する
(3)交通事故だけ
(4)危険物と無関係の事故だけ
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正解:(1)製造所等の流出等事故のうち、火災を除き、火災が発生するおそれのあったもの
市町村長等は、この条件に当たる事故の原因を調査できます。必要に応じて資料提出命令、報告要求、立入り、検査、質問を行えます。「あらゆる事故を必ず調査する」と広げないことがポイントです。
採点後は「固定的な3段階」を捨てて整理する
- 設備側:第12条の修理・改造・移転命令
- 運用側:第11条の5の貯蔵・取扱い基準に従う命令
- 重大な5事由:許可取消しまたは期間を定めた使用停止
- 保安体制等の4事由:期間を定めた使用停止
- 緊急時・事故時:一時停止・使用制限、応急措置、通報、原因調査
「措置命令」「使用停止」「取消し」という名称だけで順番を作らず、どの条文のどの事由に当たるかを確認してください。
事故時は人命・退避・通報を優先する
「直ちに応急措置」を、無理に漏えい箇所へ近づく、素手で触れる、弁や設備を自己判断で操作する意味にしないでください。火災、大量漏えい、刺激臭、設備損傷がある場合は安全な場所へ退避し、119番通報、施設の緊急時手順、消防・警察等の指示を優先してください。
採点後の復習順
- 措置命令・使用停止命令・許可取消しで5事由と4事由を確認する
- 許可・届出・承認・認可で設置から使用までを整理する
- 許可・完成検査ミニテストで完成検査前使用を復習する
- 予防規程・定期点検ミニテストで定期点検違反の前提を確認する
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