酸化・還元は「電子」と「酸化数」で判定する
このページは、酸化・還元、酸化剤・還元剤を確認する4択のオリジナル問題10問です。公式過去問題の転載ではありません。
先に結論をいうと、電子を失い酸化数が増える変化が酸化、電子を受け取り酸化数が減る変化が還元です。酸化剤は相手から電子を受け取って自身が還元され、還元剤は相手へ電子を与えて自身が酸化されます。消防法の類別名と、個別反応での役割は分けて判断します。
化学用語・危険物類別・試験範囲の確認先
定義はIUPAC Gold Book「oxidation」、「reduction」、「oxidation number」を参照しています。消防法上の6分類は総務省消防庁「危険物とは?」で確認できます。
危険物取扱者試験の科目名・問題数は消防試験研究センターの試験科目、出題の確認は公式の過去に出題された問題を参照しました。公式問題は複製せず、以下はすべて当サイトで作成した問題です。
酸化
電子を失う
酸化数が増える
還元
電子を受け取る
酸化数が減る
反応での役割
酸化剤は還元される
還元剤は酸化される
ミニテスト10問
問1
酸化の説明として、最も基本的で一般的なものはどれか。
(1)電子を失い、酸化数が増える
(2)電子を受け取り、酸化数が減る
(3)必ず酸素を放出する
(4)必ず水素を得る
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正解:(1)電子を失い、酸化数が増える
酸化は電子の正味の喪失または酸化数の増加で判定できます。酸素を得る、水素を失うという見方もありますが、すべての反応に酸素や水素が登場するとは限りません。
問2
還元の説明として、正しいものはどれか。
(1)電子を受け取り、酸化数が減る
(2)電子を失い、酸化数が増える
(3)必ず酸素と化合する
(4)必ず燃焼する
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正解:(1)電子を受け取り、酸化数が減る
還元は電子の受け取りまたは酸化数の減少です。酸素を失う、水素を得るという見方が使える反応もあります。
問3
Fe²⁺が電子を1個失ってFe³⁺になる変化はどれか。
(1)中和
(2)還元
(3)酸化
(4)相変化
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正解:(3)酸化
Fe²⁺→Fe³⁺+e⁻です。電子を失い、鉄の酸化数が+2から+3へ増えているため酸化です。
問4
酸化剤の説明として、正しいものはどれか。
(1)相手から電子を受け取り、自身は還元される
(2)相手へ電子を与え、自身は還元される
(3)自身だけが変化し、相手は変化しない
(4)必ず酸素分子を含む
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正解:(1)相手から電子を受け取り、自身は還元される
酸化剤は相手を酸化させる物質です。相手が失った電子を受け取るため、酸化剤自身は還元されます。名称は相手へ及ぼす作用を表します。
問5
還元剤の説明として、正しいものはどれか。
(1)相手から電子を受け取り、自身は酸化される
(2)相手へ電子を与え、自身は酸化される
(3)酸化数が必ず0のまま変わらない
(4)危険物第2類・第4類の全物質だけを指す
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正解:(2)相手へ電子を与え、自身は酸化される
還元剤は相手を還元させるために電子を与え、自身は酸化されます。消防法の類別だけから、あらゆる反応で還元剤になると一律には決められません。
問6
Zn+Cu²⁺→Zn²⁺+Cu の反応について、正しいものはどれか。
(1)Znは還元される酸化剤、Cu²⁺は酸化される還元剤
(2)Znは酸化される還元剤、Cu²⁺は還元される酸化剤
(3)両方とも酸化される
(4)電子の移動はない
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正解:(2)Znは酸化される還元剤、Cu²⁺は還元される酸化剤
Zn→Zn²⁺+2e⁻で亜鉛は酸化され、Cu²⁺+2e⁻→Cuで銅イオンは還元されます。電子を与えたZnが還元剤、受け取ったCu²⁺が酸化剤です。
問7
CuO+H₂→Cu+H₂O の反応について、正しいものはどれか。
(1)H₂は還元されるだけである
(2)CuO中のCuは0から+2へ酸化される
(3)CuO中のCuは+2から0へ還元され、H₂は酸化される
(4)酸化数はどこも変わらない
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正解:(3)CuO中のCuは+2から0へ還元され、H₂は酸化される
CuO中の銅は酸素を失い、酸化数+2から0へ下がるため還元です。水素は酸化数0から水中の+1へ上がるため酸化です。
問8
メタンの完全燃焼 CH₄+2O₂→CO₂+2H₂O について、正しいものはどれか。
(1)酸化だけが単独で起こる
(2)炭素は還元され、酸素は酸化される
(3)どの元素の酸化数も変わらない
(4)炭素は−4から+4へ酸化され、酸素は0から−2へ還元される
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正解:(4)炭素は−4から+4へ酸化され、酸素は0から−2へ還元される
これは完全燃焼を表すモデル反応です。燃料中の炭素が酸化され、酸素分子が還元されます。実際の燃焼では酸素不足などにより一酸化炭素や未燃成分が生じることがあります。
問9
消防法の危険物類別と酸化還元の関係について、正しいものはどれか。
(1)第2類・第4類の全物質は、どの反応でも必ず還元剤になる
(2)第1類・第6類は法令上それぞれ酸化性固体・酸化性液体だが、個別反応と安全対応は物質・条件で確認する
(3)第1類と第6類は、運搬のときに混載できない
(4)類番号だけで酸化数の変化が決まる
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正解:(2)第1類・第6類は法令上それぞれ酸化性固体・酸化性液体だが、個別反応と安全対応は物質・条件で確認する
消防法の類別は火災危険性による分類です。化学反応での酸化剤・還元剤の役割、運搬時の混載可否、貯蔵時の同時貯蔵、内容物の混触危険は別々に確認します。(3)第1類と第6類は混載できます(危険物の規制に関する規則 別表第4)。
問10
爆発と酸化還元の関係について、正しいものはどれか。
(1)爆発では圧力変化は起こらない
(2)爆発は必ず酸素との反応だけで起こる
(3)爆発は「最も速い酸化」の同義語である
(4)爆発には急速な燃焼のほか、分解反応や物理的な圧力解放などもあり、すべてを酸化とみなせない
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正解:(4)爆発には急速な燃焼のほか、分解反応や物理的な圧力解放などもあり、すべてを酸化とみなせない
燃焼爆発は酸化還元反応ですが、自己反応性物質の急激な分解や、加圧容器の破裂など酸化だけでは説明できない爆発もあります。「さび→燃焼→爆発」を単純な酸化速度の順位として暗記しません。
採点後は半反応式で電子をそろえる
- 酸化:電子を失う、酸化数が増える
- 還元:電子を受け取る、酸化数が減る
- 酸化剤:電子を受け取り、自身は還元される
- 還元剤:電子を与え、自身は酸化される
- 確認順:注目元素の酸化数→電子の向き→酸化剤・還元剤
類別だけで混合・保管・消火を判断しない
酸化や分解などの発熱が放散を上回ると、蓄熱して発火へ至る場合があります。ただし自然発火の経路は酸化だけに限られず、物質、量、堆積状態、水分、温度、換気などで変わります。
危険物を混ぜる、加熱する、酸化性を実験で確かめることはしないでください。異常な発熱・発煙・膨張・漏えいがあれば退避・119番通報を優先し、製品SDS、施設手順、消防機関の指示に従ってください。蓄熱発火の例は労働安全衛生総合研究所の解説で確認できます。
採点後の復習順
- 酸化と還元の解説で酸化数を確認する
- 燃焼の仕組みで酸素供給源との反応を確認する
- 危険物第1〜6類の横断比較で法令上の類別を確認する
- 酸・塩基・pH・中和ミニテストへ進む
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