結合と結晶は「粒子・結合・例外」を分けて考える
このページは、化学結合と結晶構造を確認する4択のオリジナル問題10問です。公式過去問題の転載ではありません。
「イオン結晶は固体で導電しない」「分子結晶は比較的低融点」といった傾向は、構成粒子とその動きから説明します。ただし、溶解性、融点、硬さ、導電性を結晶分類だけで無条件に断定せず、物質ごとの構造と条件を確認します。
化学結合と分子間相互作用の確認先
IUPAC Gold Bookのイオン結合と共有結合の定義を参照しています。実際の結合は「完全なイオン結合」「完全な共有結合」と二分できない場合があり、イオン性の程度を考える必要があります。
水素結合、van der Waals力、London分散力も確認しました。水素結合は分子間だけでなく、同一分子内にも生じ得ます。
ミニテスト10問
問1
イオン結合の説明として、最も適切なものはどれか。
(1)陽イオンと陰イオンの電荷間に働く静電引力を中心とする結合
(2)中性分子間にだけ働くLondon分散力
(3)金属中の熱振動だけによる結合
(4)すべての電子が一方の原子へ完全移動した場合だけに使える名称
問2
共有結合の説明として、最も適切なものはどれか。
(1)電子の共有に少なくとも一部由来する核間の高い電子密度が引力を生む
(2)陽イオンと陰イオンが自由に移動する現象
(3)分子量が大きいほど必ず生じる分子間力
(4)共有結合は常にイオン結合・金属結合より強い
問3
金属結合と金属の性質の関係として、適切なものはどれか。
(1)価電子が結晶全体に非局在化し、導電性や展性・延性の理解につながる
(2)金属はすべて水に溶けてイオンになる
(3)金属結晶の融点はすべて低い
(4)金属は固体で電気を通さない
問4
水素結合について、最も適切な説明はどれか。
(1)電気陰性な原子に結合したHが別の受容部位と相互作用し、分子間にも分子内にも生じ得る
(2)H₂分子内のH-H共有結合だけをいう
(3)F・O・N以外が関係することは絶対にない
(4)水素イオンを含む物質に必ず生じる
問5
結晶の種類と代表例の組合せとして、正しいものはどれか。
(1)NaCl=イオン結晶、ダイヤモンド=共有結合の結晶、CO₂(s)=分子結晶、Cu=金属結晶
(2)NaCl=分子結晶、ダイヤモンド=金属結晶、CO₂(s)=イオン結晶、Cu=共有結合の結晶
(3)4物質はすべて分子結晶
(4)4物質はすべてイオン結晶
問6
NaClの電気伝導について、正しいものはどれか。
(1)固体ではイオンが格子位置に固定され導電しにくいが、融解状態では移動して導電する
(2)固体でも自由電子により金属と同様によく導電する
(3)融解してもイオンは移動できない
(4)水に溶けるかどうかに関係なく、すべてのイオン結晶の水溶液が得られる
問7
ダイヤモンドと黒鉛の比較として、適切なものはどれか。
(1)どちらも炭素の同素体だが結合・結晶構造が異なり、黒鉛には電気を流しやすい方向がある
(2)どちらも同じ構造なので硬さと導電性も同じ
(3)ダイヤモンドは分子結晶、黒鉛はイオン結晶
(4)黒鉛では炭素原子間に結合がない
問8
分子結晶の説明として、最も適切なものはどれか。
(1)分子を単位とし、分子間相互作用で結晶をつくる。比較的低融点の傾向はあるが物質ごとに確認する
(2)自由電子だけで結晶をつくる
(3)すべて常温で気体である
(4)水に溶ければ必ず電解質になる
問9
van der Waals力について、IUPACの説明に合うものはどれか。
(1)双極子-双極子、双極子-誘起双極子、London分散力などを含む
(2)陽イオンと陰イオンの静電引力だけをいう
(3)共有結合と同じ意味である
(4)無極性分子の間には働かない
問10
固体CO₂(ドライアイス)の結合と結晶の説明として、正しいものはどれか。
(1)CO₂分子内は共有結合で、固体はCO₂分子を単位とする分子結晶
(2)分子内も結晶内もイオン結合だけでできている
(3)固体になるとC=O結合が消える
(4)CO₂分子が金属結合で集まる
採点後は4段階で見直す
- 構成粒子:原子、分子、陽イオン・陰イオンのどれか
- 主な結合・相互作用:共有結合、イオン結合、金属結合、分子間相互作用
- 粒子が動けるか:固体、融解状態、溶液で導電性を分ける
- 例外と条件:黒鉛、溶解度、水素結合、結晶構造を確認する
加熱・融解・通電で確かめない
未知の固体や薬品を加熱・融解する、溶液へ通電する、導電性を自己流で測定すると、感電、火傷、有害ガス、火災のおそれがあります。この記事は用語と構造の学習用です。
採点後の復習順
- 化学結合と結晶構造の解説で構成粒子を確認する
- 物質の分類と化学反応式へ戻る
- 金属とイオン化傾向で金属の性質を復習する
- 三態変化ミニテストで分子間相互作用を確認する
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