法令(共通)

屋外・屋内・地下・簡易タンク貯蔵所の違い|定置式4種の基準

タンクを使う危険物施設は、設置場所だけで決めません。この記事では定置式の4種――屋外・屋内・地下・簡易タンク貯蔵所を比較します。タンクローリーの移動タンク貯蔵所は別の施設であり、給油取扱所の地下専用タンクも、埋まっているから自動的に地下タンク貯蔵所になるわけではありません。

先に訂正する2点:簡易タンクは「同一品質を3基まで」ではありません。総数3基以内で、同一品質を2基以上置けません。また、ガソリンスタンドの地下タンクは通常、給油取扱所に付属する専用タンクとして判定します。施設名は用途・許可単位まで確認します。

定置式4種を「場所・流出対策」で比較する

施設 設置の中心 漏えい時の中心対策
屋外タンク 屋外の貯蔵タンク 防油堤で流出を囲う
屋内タンク 建築物のタンク専用室 室外へ流出させない床・構造
地下タンク 地盤面下 漏れ検知・防食・埋設構造
簡易タンク 屋外または専用室の小型タンク 固定・空地または壁間隔

基本条文は危険物の規制に関する政令第11条〜第14条、細部は危険物の規制に関する規則です。実際の設計・変更はタンク容量だけでなく、危険物の品名・引火点・圧力・タンク構造・特例を含めて所轄消防機関へ確認します。

屋外タンク貯蔵所:防油堤で流出範囲を限定する

屋外に設ける貯蔵タンクです。大容量の設備も含むため、保安距離・保有空地、基礎・地盤、タンク本体、通気・安全装置、配管、避雷設備、防油堤などを確認します。特定屋外タンク貯蔵所には容量等に応じた追加基準があります。

屋外タンク貯蔵所と周囲の防油堤
防油堤は、漏れた危険物を敷地外へ広げないための囲いです。

防油堤は最大タンクの110%以上が基本

規則第22条は、防油堤の容量を、原則としてその中にあるタンクのうち容量が最大のものの110%以上とします。「全タンク合計の110%」ではありません。高さは0.5m以上、防油堤内面積は8万m2以下が基本です。

ただし、引火点やタンク容量による規定・例外が続きます。試験では110%だけを切り取らず、「一つの防油堤内に複数タンクがあるなら最大タンクを基準にする」と対象を一緒に読みます。

屋内タンク貯蔵所:容量と専用室を確認する

屋内貯蔵タンクは、原則として平家建の建築物に設けたタンク専用室へ設置します。タンクと壁、複数タンク相互の間隔は0.5m以上です。

40倍以下と2万L上限の関係

容量は指定数量の40倍以下です。ただし、第4石油類・動植物油類以外の第4類では、40倍が2万Lを超えるときも2万L以下です。つまり「すべての危険物で40倍だけ」「すべて一律2万L」ではありません。

タンク専用室は、液体危険物が室外へ流出しない構造とし、床を危険物が浸透しない構造にして、適当な傾斜と貯留設備を設けます。建物の中では漏れが別区画へ広がるため、タンク本体だけでなく部屋全体で受け止めます。

地下タンク貯蔵所:見えない漏れを検知する

地下貯蔵タンクは地盤面下に設置します。政令第13条第1項の基本形はタンク室へ設け、タンクと室内側の間を0.1m以上空けて周囲へ乾燥砂を詰め、タンク頂部を地盤面から0.6m以上下にします。

地下貯蔵タンクを地盤面下へ設置するイメージ
地下タンクは外から漏れを見つけにくいため、構造と検知を組み合わせます。

タンク室だけが唯一の設置方法ではない

現行政令には、二重殻タンクなどをタンク室以外へ設置する形や、危険物の漏れを防止できる構造で地盤面下へ設置する形もあります。「地下タンクは必ずコンクリート室+乾燥砂」と一律にすると、これらの方式を見落とします。

漏れ検知は必要だが、方式は一つではない

地下貯蔵タンクまたはその周囲には、液体危険物の漏れを検知する設備が必要です。規則はタンク構造に応じ、液体漏えいセンサー、タンク周囲の検知管、二重殻の間げきで検知する方法などを定めています。「検知管4本だけが唯一の正解」ではありません。

第4類の地下貯蔵タンクに設ける開放式通気管では、先端を屋外の地上4m以上とする等の基準があります。圧力タンクの安全装置など別方式もあるため、「全タンク共通で通気管30mm・4m」と広げません。

ガソリンスタンドの注意:給油取扱所の地下にあるガソリン・軽油タンクは、通常は給油取扱所に付属する「専用タンク」です。埋設方法の学習例にはなりますが、施設区分を問われたら用途と許可単位を確認します。給油取扱所の基準と分けてください。

簡易タンク貯蔵所:600L・3基・同一品質1基

簡易貯蔵タンクは1基600L以下です。一つの簡易タンク貯蔵所に置ける総数は3基以内ですが、同一品質の危険物のタンクを2基以上置くことはできません。したがって3基置くなら、同じ品質3基ではなく異なる品質を1基ずつという構成です。

屋外に固定された簡易貯蔵タンクのイメージ
「簡易」でも、固定・空地・構造・水圧試験などの基準があります。
  • 設置:屋外または専用室。容易に移動しないよう固定する。
  • 間隔:屋外は周囲1m以上の空地、専用室は壁との間0.5m以上。
  • 構造:厚さ3.2mm以上の鋼板で気密に造る。
  • 試験:70kPaで10分間の水圧試験に耐える。
  • 設備:さび止め塗装と所定の通気管を設ける。

600Lは灯油用18Lポリ容器なら約33.3個分です。ただし家庭用容器を並べる行為が簡易タンク貯蔵所になるという意味ではありません。容量感をつかむ換算と、施設区分の法的判定は分けます。

「どのタンク施設か」を決める5問

  1. 用途:貯蔵所か、給油取扱所・一般取扱所等の付属タンクか。
  2. 移動性:車両固定タンクか、土地に設置する定置式か。
  3. 設置位置:屋外、建築物内、地盤面下のどこか。
  4. 容量・数:簡易タンクの600L・総数3・同一品質1基に当たるか。
  5. 構造方式:地下ならタンク室、二重殻、漏れ防止構造など何を採るか。

たとえば「地面の下に30kLのガソリンタンクがある」だけでは、地下タンク貯蔵所か給油取扱所の専用タンクか決められません。「そこで何をする施設か」を先に確認します。

頻出数値を対象つきで整理する

数値 対象 一緒に覚える条件
110%以上 屋外タンクの防油堤容量 防油堤内の最大タンクが基準
40倍・2万L 屋内タンク容量 第4類の品名による上限差
0.1m・0.6m 地下タンク基本形 タンク室方式の間隔・埋設深さ
600L・3基 簡易タンク 同一品質は2基以上不可

4問でひっかけを確認する

問1:簡易タンクは同じ品質の危険物を3基まで置けるでしょうか。

解答を見る

置けません。総数は3基以内ですが、同一品質を2基以上設置できません。

問2:防油堤容量は、中にある全タンク合計の110%でしょうか。

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違います。原則として防油堤内で容量が最大のタンクの110%以上です。

問3:地下タンクは必ずタンク室と乾燥砂の方式だけでしょうか。

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違います。それが第1項の基本形ですが、二重殻タンクや漏れ防止構造による設置方式もあります。

問4:ガソリンスタンドの埋設タンクは必ず地下タンク貯蔵所でしょうか。

解答を見る

必ずではありません。通常は給油取扱所に付属する専用タンクです。用途と許可単位で施設区分を確認します。

まとめ

定置式4種は、屋外なら防油堤、屋内なら容量と専用室、地下なら構造方式と漏れ検知、簡易なら600L・総数3・同一品質1基を軸に分けます。タンクローリーや給油取扱所の専用タンクを混ぜず、用途→移動性→設置位置→容量・構造の順で判定してください。

資格太郎

この記事を書いた人

「危険物取扱者への道」運営者。危険物取扱者試験を独学で学習している受験生です。免状は保有していないため、記載する内容は消防法・危険物の規制に関する政令および規則の条文(e-Gov法令検索)と、消防試験研究センターの公開情報で必ず確認してから公開しています。

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