燃焼・消火・静電気を10問でつなげて確認する
このページは、燃焼の3要素、燃焼形態、自然発火、粉じん爆発、消火原理、静電気を確認する4択のオリジナル問題です。公式過去問題の転載ではありません。
この分野では、「粉じん爆発には密閉が絶対必要」「湿度は75%以上ならよい」「接地だけですべて除電できる」といった一律暗記が誤りにつながります。現象の条件と、設備・物質ごとの対策を分けて整理してください。
公式問題・事故防止資料を確認する
出題範囲は消防試験研究センター「過去に出題された問題」、危険物施設での静電気着火や酸化・蓄熱は総務省消防庁「一般取扱所における火災対策のポイント」で確認できます。
粉体の静電気は労働安全衛生総合研究所「粉体充てん時の静電気対策」、第5類の法令上の性状は消防庁「危険物とは?」を参照しています。
| 燃焼の要素 | 対応する消火の考え方 | 例 |
|---|---|---|
| 可燃物 | 除去消火 | 安全に実施できる設備で燃料供給を止める |
| 酸素供給源 | 窒息消火 | 適合する泡などで液面を覆う |
| 点火源・熱 | 冷却消火 | 適合する水系消火剤などで温度を下げる |
| 燃焼の連鎖反応 | 抑制消火 | 適合する消火剤で連鎖反応を抑える |
実際の消火剤は、原理だけでなく対象物質、火災規模、設備の適応表示、SDS、消防機関の指示から選びます。
ミニテスト10問
問1
燃焼が始まるための3要素として、正しい組合せはどれか。
(1)可燃物・酸素供給源・点火源
(2)可燃物・窒素・触媒
(3)酸素供給源・水・触媒
(4)可燃物・二酸化炭素・水
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正解:(1)可燃物・酸素供給源・点火源
燃焼の3要素は、可燃物、酸素供給源、点火源です。一般的な消火は、これらのいずれかを取り除く、または燃焼の連鎖反応を抑える考え方で整理します。
問2
燃焼の一般的な説明として、最も適切なものはどれか。
(1)熱と光の発生を伴う酸化反応
(2)温度が下がる吸熱反応だけ
(3)すべて酸素を使わない分解反応
(4)液体が沸騰するだけの状態変化
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正解:(1)熱と光の発生を伴う酸化反応
危険物試験では、燃焼を一般に熱と光の発生を伴う酸化反応として整理します。「分解反応」と置き換えると誤りです。第5類の急激な自己反応は、通常の可燃物の燃焼と同じ単純な外部酸素依存だけでは説明できません。
問3
燃焼形態と代表例の組合せとして、適切なものはどれか。
(1)表面燃焼―木炭
(2)蒸発燃焼―木材
(3)分解燃焼―ガソリン
(4)表面燃焼―ろうそく
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正解:(1)表面燃焼―木炭
木炭やコークスは表面燃焼の代表例です。ガソリンは蒸発した蒸気が燃える蒸発燃焼、木材は熱分解で生じた可燃性ガスが燃える分解燃焼、ろうそくは溶融・気化した蒸気が燃える蒸発燃焼として整理します。
問4
第5類の自己反応性物質について、最も適切な説明はどれか。
(1)すべて分子内に酸素を含む
(2)加熱分解などで多量の熱を生じ、爆発的に反応するものがある
(3)すべて外部酸素を遮断すれば直ちに安全になる
(4)すべて同じ消火剤を使える
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正解:(2)加熱分解などで多量の熱を生じ、爆発的に反応するものがある
第5類には有機過酸化物、硝酸エステル類のほか、アゾ化合物や金属のアジ化物なども含まれます。「すべて分子内酸素を持つ」「窒息消火だけで止まる」とは整理できません。製品の状態やSDSを確認します。
問5
自然発火の発熱機構について、正しいものはどれか。
(1)酸化だけに限られる
(2)分解・吸着・酸化・発酵・重合など複数ある
(3)必ず静電気火花が必要
(4)必ず裸火を近づける必要がある
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正解:(2)分解・吸着・酸化・発酵・重合など複数ある
自然発火は、内部で生じた熱の発生が放熱を上回り、蓄熱して起こります。発熱機構には分解、吸着、酸化、発酵、重合などがあり、油を含んだウエスや粉体の堆積は酸化・蓄熱の例です。
問6
粉じん爆発について、最も適切な説明はどれか。
(1)可燃性粉じんが浮遊し、着火可能な濃度と着火源があると危険で、閉鎖・拘束は圧力被害を大きくし得る
(2)湿度が75%未満なら必ず起こる
(3)密閉容器の中でしか燃焼しない
(4)粒子が大きいほど必ず着火しやすい
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正解:(1)可燃性粉じんが浮遊し、着火可能な濃度と着火源があると危険で、閉鎖・拘束は圧力被害を大きくし得る
可燃性粉じんの浮遊、濃度、酸化剤、着火源などを確認します。閉鎖・拘束は爆発圧力による被害を大きくする重要条件ですが、「密閉されていなければ着火・急速燃焼しない」という意味ではありません。粉じんの種類、粒径、水分などでも危険性は変わります。
問7
消火原理と説明の組合せとして、正しいものはどれか。
(1)除去消火―可燃物や燃料供給を取り除く
(2)窒息消火―燃焼物の温度だけを下げる
(3)冷却消火―酸素濃度だけを下げる
(4)抑制消火―可燃物を運び出す
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正解:(1)除去消火―可燃物や燃料供給を取り除く
窒息消火は酸素供給を抑え、冷却消火は温度を下げ、抑制消火は燃焼の連鎖反応を抑えます。一つの消火剤が複数の効果を持つこともあります。
問8
危険物火災の消火剤を選ぶとき、最も適切な考え方はどれか。
(1)同じ類なら全物質に同じ消火剤を使う
(2)ABC表示があれば規模や設備を問わず万能
(3)物質名・状態・SDS・設備の適応表示・火災規模を確認する
(4)水溶性かどうかは確認しなくてよい
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正解:(3)物質名・状態・SDS・設備の適応表示・火災規模を確認する
同じ類でも、水との反応性、金属粉か液体か、水溶性、濃度などで適応消火剤が変わります。消火器の表示だけで実火災へ近づかず、避難・119番通報と施設手順を優先してください。
問9
静電気について、正しいものはどれか。
(1)摩擦・剥離・液体や粉体の流動で発生し得る
(2)陽子が物体間を移動して帯電する
(3)接地は静電気の発生原因である
(4)可燃性蒸気があっても放電は着火源にならない
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正解:(1)摩擦・剥離・液体や粉体の流動で発生し得る
帯電は主に電子の移動・偏りで生じます。摩擦、剥離、液体・粉体の流動や衝突などで電荷が発生・蓄積し、放電が可燃性蒸気や粉じんの着火源になることがあります。
問10
静電気対策として、最も適切なものはどれか。
(1)流速・充てん速度を上げて短時間で終える
(2)接地だけを行えば絶縁性粉体を含むすべての設備で十分
(3)接地・ボンディング、速度管理、導電性、除電、作業手順などを設備に応じて組み合わせる
(4)湿度を必ず75%以上にすれば他の対策は不要
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正解:(3)接地・ボンディング、速度管理、導電性、除電、作業手順などを設備に応じて組み合わせる
接地は導電性の設備に蓄積した電荷を逃がす基本対策ですが、絶縁物や帯電粉体では接地だけで十分とは限りません。流速・充てん速度の管理、導電性材料、除電、人体の帯電対策などを組み合わせます。加湿は条件によって役立つ補助策で、固定湿度を万能基準にしません。
採点後は「現象・着火源・対策」を分ける
- 現象:蒸発燃焼、分解燃焼、自然発火、粉じん爆発のどれか
- 着火源:裸火、高温面、衝撃・摩擦、静電気放電など何が関与するか
- 対策:可燃物管理、換気、温度・速度管理、接地・ボンディング、適応消火設備をどう組み合わせるか
湿度、接地、流速の一つだけで安全性は決まりません。対象物質と設備を特定し、製品SDS、設備仕様、施設の作業手順へ戻って確認してください。
燃焼・放電・消火を実物で試さない
危険物や粉じんへの点火、静電気火花の発生、消火剤の試射はしないでください。漏えい、異臭、発熱、発煙、火災時は近づかず、安全確保・避難・119番通報を優先し、製品SDS、施設の緊急時手順、消防機関の指示に従ってください。
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