製造所を「建築物・床・設備・空地」で確認する
このページは、危険物製造所の構造・設備基準を確認する4択のオリジナル問題10問です。公式過去問題の転載ではありません。
製造所の基準は、「すべて耐火構造」「電気設備はすべて防爆構造」のように一律ではありません。建築物全体の原則、延焼のおそれのある外壁、液状危険物を扱う床、可燃性蒸気・微粉が滞留するおそれのある場所など、条件が付く基準を分けて確認します。
現行法令と公式問題で確認する
製造所の位置・構造・設備は危険物の規制に関する政令 第9条、細目は危険物の規制に関する規則で確認できます。試験の出題形式は消防試験研究センターの公開問題を参照してください。
2026年4月施行の改正後は、防火上有効な所定の措置を講じた場合、保有空地の幅を減じ、または空地を保有しないことができる規定があります。実際の設計・変更は、最新法令・告示、許可内容、設備仕様、所轄消防の指導を確認してください。
| 確認軸 | 原則 | 条件・例外 |
|---|---|---|
| 建築物 | 地階なし、壁・柱・床・はり・階段は不燃材料 | 延焼のおそれのある外壁は、出入口以外の開口部がない耐火構造 |
| 床 | 液状危険物では浸透防止・傾斜・貯留設備 | 液状危険物を扱う建築物の床に付く条件 |
| 換気・排出 | 必要な採光・照明・換気 | 可燃性蒸気・微粉が滞留するおそれがあれば屋外の高所へ排出 |
| 設備・空地 | 電気法令、静電気除去、避雷設備、保有空地 | 発生のおそれ、指定数量倍数、周囲・防火措置などで適用を判断 |
ミニテスト10問
問1
危険物を取り扱う製造所の建築物について、正しいものはどれか。
(1)地階を設けなければならない
(2)地階を設けても、換気設備があればよい
(3)地階を有しないものとする
(4)地階の有無は危険物の種類を問わず自由である
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正解:(3)地階を有しないものとする
危険物政令第9条第1項第4号の基準です。危険物を取り扱う建築物は、建築基準法施行令上の地階を有しないものとします。
問2
製造所の壁・柱・床・はり・階段に関する説明として、正しいものはどれか。
(1)すべて例外なく耐火構造とする
(2)すべて木材で造る
(3)不燃材料で造り、延焼のおそれのある外壁は出入口以外の開口部がない耐火構造とする
(4)延焼のおそれのある外壁にも自由に窓を設けられる
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正解:(3)不燃材料で造り、延焼のおそれのある外壁は出入口以外の開口部がない耐火構造とする
同条第5号です。壁・柱・床・はり・階段は不燃材料で造ります。そのうえで、延焼のおそれのある外壁には、出入口以外の開口部を設けず、耐火構造とします。「全部を耐火構造」と一括りにしないことがポイントです。
問3
製造所の屋根の基本構造として、正しいものはどれか。
(1)木材で造り、重量のある瓦だけでふく
(2)不燃材料で造り、金属板など軽量な不燃材料でふく
(3)必ず鉄筋コンクリートの耐火構造とする
(4)屋根を設けてはならない
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正解:(2)不燃材料で造り、金属板など軽量な不燃材料でふく
同条第6号の原則です。第2類危険物のうち粉状のものと引火性固体を除く危険物だけを扱う建築物では、屋根を耐火構造とできる例外があります。
問4
製造所の窓・出入口について、正しいものはどれか。
(1)防火設備は不要で、ガラスの種類も自由
(2)窓と出入口には防火設備を設け、ガラスを用いる場合は網入りガラスとする
(3)延焼のおそれのある外壁にも通常の引き戸だけを設ける
(4)窓には透明な樹脂板だけを用いる
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正解:(2)窓と出入口には防火設備を設け、ガラスを用いる場合は網入りガラスとする
同条第7号・第8号です。延焼のおそれのある外壁に設ける出入口には、随時開けることができる自動閉鎖の特定防火設備を設けます。
問5
液状の危険物を取り扱う建築物の床に必要な組合せはどれか。
(1)浸透しない構造・適当な傾斜・貯留設備
(2)吸水性の床・水平面・排水口だけ
(3)木製床・段差・換気扇
(4)耐火塗料・天井・避雷針
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正解:(1)浸透しない構造・適当な傾斜・貯留設備
同条第9号です。漏れた液状危険物を広げず一時的に収容できるよう、床を危険物が浸透しない構造とし、適当な傾斜と貯留設備を設けます。すべての危険物に無条件で付く床基準ではなく、「液状」が条件です。
問6
製造所の採光・換気と排出設備について、正しいものはどれか。
(1)採光だけあれば照明と換気は不要
(2)必要な採光・照明・換気を設け、可燃性蒸気または可燃性微粉が滞留するおそれがあれば屋外の高所へ排出する
(3)蒸気は床下へ排出する
(4)可燃性微粉は排出設備の対象にならない
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正解:(2)必要な採光・照明・換気を設け、可燃性蒸気または可燃性微粉が滞留するおそれがあれば屋外の高所へ排出する
同条第10号・第11号です。必要な採光・照明・換気と、滞留のおそれに応じた排出設備は別の基準です。排出対象には可燃性蒸気だけでなく可燃性微粉も含まれます。
問7
製造所の電気設備に関する政令上の表現として、正しいものはどれか。
(1)電気工作物に係る法令の規定による
(2)すべての機器を無条件に同じ防爆構造とする
(3)電気設備は一切設置できない
(4)施設所有者が自由に基準を決める
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正解:(1)電気工作物に係る法令の規定による
同条第17号は、電気設備を「電気工作物に係る法令の規定による」と定めています。危険場所に応じた防爆対策が必要になる場合はありますが、政令の条文を「製造所の全電気設備が一律に同じ防爆構造」と読み替えないでください。
問8
静電気対策が必要となる設備について、正しいものはどれか。
(1)静電気が発生するおそれのある設備に、有効に除去する装置を設ける
(2)静電気の発生可能性に関係なく、すべての机に避雷針を付ける
(3)静電気は火災と無関係なので対策しない
(4)木製設備に交換するだけでよい
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正解:(1)静電気が発生するおそれのある設備に、有効に除去する装置を設ける
同条第18号です。対象は、危険物を取り扱う際に静電気が発生するおそれのある設備です。方法を接地だけに限定せず、設備に蓄積される静電気を有効に除去できる措置として確認します。
問9
製造所の避雷設備について、正しいものはどれか。
(1)指定数量の倍数に関係なく必ず設ける
(2)指定数量の倍数が10以上なら原則として設けるが、周囲の状況により安全上支障がない場合は例外がある
(3)指定数量の倍数が10未満の場合だけ設ける
(4)避雷設備を設けることは禁止されている
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正解:(2)指定数量の倍数が10以上なら原則として設けるが、周囲の状況により安全上支障がない場合は例外がある
同条第19号です。境界は「10以上」で、10倍を含みます。ただし、周囲の状況によって安全上支障がない場合の例外も条文に明記されています。
問10
製造所の保有空地の基本幅について、正しいものはどれか。
(1)10倍以下は3m以上、10倍超は5m以上
(2)10倍以下は5m以上、10倍超は3m以上
(3)倍数に関係なく1m以上
(4)空地は常に不要
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正解:(1)10倍以下は3m以上、10倍超は5m以上
同条第2号の基本幅です。2026年4月施行の改正後は、隔壁の設置など総務省令で定める防火上有効な措置を講じたとき、定められた範囲で幅を減じ、または空地を保有しないことができます。
採点後は「原則」と「条件」を一緒に言えるか確認する
- 建築物:地階なし、主要部分は不燃材料、延焼のおそれのある外壁は耐火構造
- 屋根・開口部:軽量な不燃材料、防火設備、網入りガラス
- 床・換気:液状危険物、可燃性蒸気・微粉という適用条件を確認
- 設備・空地:電気法令、静電気発生のおそれ、10倍以上、改正後の空地例外を区別
「壁・柱・床はすべて耐火構造」「電気設備はすべて一律に防爆構造」「採光設備そのものの材料は不燃材料」といった覚え方は、政令第9条の表現と一致しません。数値だけでなく、何を対象にした基準かを確認してください。
実際の設備は許可内容と最新基準で確認する
この記事は試験学習用の一般整理です。危険物の品名・状態・数量、建築物の位置、工程、危険場所、既存施設への経過措置によって適用基準は変わります。設計・工事・変更は、最新法令・告示、許可図書、メーカー仕様、所轄消防の確認を優先してください。
採点後の復習順
- 製造所の位置・構造・設備で条文の全体像を確認する
- 保安距離・保有空地で距離と空地を区別する
- 製造所・貯蔵所・取扱所の区分へ戻る
- 屋内・屋外貯蔵所ミニテストへ進む
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