分類は「何が含まれるか」、変化は「化学種が変わるか」で考える
このページは、純物質・混合物・単体・化合物と、物理変化・化学変化を確認する4択のオリジナル問題10問です。公式過去問題の転載ではありません。
一定組成の化学物質と、二つ以上の化学物質からなる混合物をまず分けます。次に、化学種が別の化学種へ変換される化学反応と、相や形が変わっても同じ物質として扱う物理変化を区別します。気泡、色、温度の変化は手掛かりですが、それだけで反応の有無を断定しません。
物質・混合物・反応・相変化の確認先
定義はIUPAC Gold Bookのchemical substance、mixture、chemical element、chemical reaction、phase transitionを参照しています。
危険物取扱者試験の科目名と問題数は消防試験研究センター、出題範囲は公式の過去に出題された問題を参照しました。掲載問題はすべて当サイトで作成しています。
純物質
一定組成の化学物質
単体・化合物を区別
混合物
二つ以上の化学物質
組成は製品・試料で確認
変化の判定
化学種の変換=化学反応
相変化とは区別
ミニテスト10問
問1
混合物の説明として、正しいものはどれか。
(1)二つ以上の化学物質からなる物質部分
(2)一種類の元素だけからなる物質に限る
(3)常に液体である
(4)化学式を一つ書ける物質だけを指す
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正解:(1)二つ以上の化学物質からなる物質部分
IUPACは混合物を二つ以上の化学物質からなる物質部分と説明しています。食塩水は水と塩化ナトリウム、空気は窒素・酸素など複数の成分からなる混合物です。混合物は気体・液体・固体のいずれにもなり得ます。
問2
化学物質(純物質)の説明として、最も適切なものはどれか。
(1)構成する分子・式単位・原子によって特徴づけられる一定組成の物質
(2)成分割合を自由に変えられる混合物だけ
(3)目で一様に見える物質はすべて純物質
(4)天然に存在する物質はすべて純物質
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正解:(1)構成する分子・式単位・原子によって特徴づけられる一定組成の物質
IUPACのchemical substanceは一定組成を持ち、構成する分子、式単位、原子などで特徴づけられる物質です。見た目が一様な食塩水やガソリンも複数成分を含めば混合物なので、外観だけでは判断できません。
問3
次のうち、一種類の元素からなる単体として扱うものはどれか。
(1)水H₂O
(2)オゾンO₃
(3)二酸化炭素CO₂
(4)塩化ナトリウムNaCl
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正解:(2)オゾンO₃
オゾンO₃は酸素元素だけからなる単体です。H₂O、CO₂、NaClはいずれも二種類以上の元素からなる化合物です。元素は原子核中の陽子数で区別します。
問4
酸素O₂とオゾンO₃の関係について、正しいものはどれか。
(1)同じ酸素元素からなるが構造・性質が異なる同素体
(2)水と氷のような同じ物質の状態違い
(3)互いに元素が異なる
(4)どちらも混合物
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正解:(1)同じ酸素元素からなるが構造・性質が異なる同素体
O₂とO₃はどちらも酸素元素だけからなる単体ですが、分子構造と性質が異なる同素体です。水と氷は同じH₂Oの液相・固相の違いであり、同素体とは区別します。
問5
化学変化の例として、最も適切なものはどれか。
(1)ガラスが割れて細片になる
(2)氷が融けて液体の水になる
(3)鉄が環境中で反応してさびを生じる
(4)ドライアイスが固体から気体になる
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正解:(3)鉄が環境中で反応してさびを生じる
化学反応は化学種が別の化学種へ変換される過程です。鉄の腐食では酸化・還元反応などによって腐食生成物が生じます。融解、破砕、ドライアイスの昇華は、ここでの基礎分類では物理変化として扱います。
問6
ドライアイスが気体になる変化について、正しいものはどれか。
(1)液体の水を生成する中和反応
(2)炭素と酸素へ必ず分解する化学変化
(3)別の元素へ変わる核反応
(4)固体CO₂から気体CO₂への相変化で、基礎分類では物理変化
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正解:(4)固体CO₂から気体CO₂への相変化で、基礎分類では物理変化
ドライアイスの昇華では相が固体から気体へ変わりますが、物質はCO₂のままです。IUPACのphase transitionは、温度や圧力など外部条件の変化に伴う相の性質や相数の変化として説明されます。
問7
「溶ける」という現象の扱いについて、正しい説明はどれか。
(1)溶ける現象は必ず化学変化である
(2)食塩の水への溶解は基礎分類では物理変化の例だが、「溶ける」という言葉だけで全現象を物理変化とは決められない
(3)溶ける現象は必ず物理変化で、反応を伴うことはない
(4)溶解では粒子間の相互作用は一切変わらない
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正解:(2)食塩の水への溶解は基礎分類では物理変化の例だが、「溶ける」という言葉だけで全現象を物理変化とは決められない
食塩を水へ溶かし、蒸発によって回収する例は物理変化として整理できます。一方、「金属が酸に溶ける」のように化学反応を伴う現象もあります。何が存在し、別の化学種が生成したかを確認します。
問8
化学反応の判定について、正しい説明はどれか。
(1)気泡が出れば必ず化学反応である
(2)気泡・色・温度の変化は手掛かりだが、それだけで断定せず化学種の変換を確認する
(3)色が変わらなければ化学反応ではない
(4)温度が変われば必ず新しい元素ができる
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正解:(2)気泡・色・温度の変化は手掛かりだが、それだけで断定せず化学種の変換を確認する
反応で気体や色のある生成物が生じる場合はありますが、溶けていた気体の放出、相変化、混合による温度変化などでも同様の観察が起こり得ます。観察事実と、化学反応が起きたという解釈を分けます。
問9
プロパンの完全燃焼を表す係数を最小の整数比にした式はどれか。
(1)C₃H₈+4O₂→2CO₂+4H₂O
(2)C₃H₈+3O₂→3CO₂+4H₂O
(3)C₃H₈+5O₂→3CO₂+4H₂O
(4)C₃H₈+O₂→CO₂+H₂O
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正解:(3)C₃H₈+5O₂→3CO₂+4H₂O
炭素3個からCO₂を3、 水素8個からH₂Oを4とすると、生成物側の酸素原子は10個なのでO₂は5です。係数は反応式で示した化学種の量的関係を表し、この式ではプロパン1molに酸素5molが対応します。
問10
自動車用ガソリンの分類について、正しい説明はどれか。
(1)水とガソリンの二成分だけからなる化合物
(2)純粋なオクタンC₈H₁₈だけからなる単一化合物
(3)炭素元素だけからなる単体
(4)複数の石油系炭化水素や添加剤からなる製品なので混合物として扱い、組成や沸騰範囲は製品SDSで確認する
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正解:(4)複数の石油系炭化水素や添加剤からなる製品なので混合物として扱い、組成や沸騰範囲は製品SDSで確認する
市販のガソリンは複数成分を含む混合物で、単一の化学式や一点の沸点で表しません。製品や季節などで組成が異なり得るため、実務では使用製品のSDSに記載された成分、沸騰範囲、引火性などを確認します。
採点後は「組成→化学種→量的関係」の順で確認する
- 純物質:一定組成の化学物質として扱う
- 混合物:二つ以上の化学物質を含み、組成を確認する
- 単体・化合物:一種類の元素か、二種類以上の元素かを確認する
- 物理変化・化学変化:相や形だけの変化か、化学種の変換かを確認する
- 反応式:左右の元素数を合わせ、係数から物質量の比を読む
「混合物だから安全」「物理変化だから安全」と判断しない
純物質・混合物や物理変化・化学変化は学習上の分類であり、危険性の大小を直接表しません。蒸発や気体の放出だけでも、可燃性蒸気への引火、酸欠、有害物質へのばく露につながる場合があります。
ガソリンは混合物ですが、厚生労働省のモデルSDSには高い引火性などの注意が示されています。実際の組成と取扱いは製品供給者の最新SDSを確認し、容器を開けた実験、蒸留、点火、混合は行わないでください。
採点後の復習順
- 物質の分類・化学反応式・溶解で基本を確認する
- 三態変化・潜熱ミニテストで相変化を確認する
- 酸化・還元ミニテストで化学反応を確認する
- 有機化合物・官能基ミニテストへ戻る
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