乙種第4類(引火性液体)

第4石油類・動植物油類とは?引火点・指定数量・違いを比較

第4石油類(だいよんせきゆるい)動植物油類(どうしょくぶつゆるい)は、どちらも消防法上の第4類・引火性液体です。第4石油類は引火点200℃以上250℃未満が定義の中心で指定数量6,000L、動植物油類は動植物由来・引火点250℃未満・貯蔵保管条件を確認し、指定数量10,000Lです。

先に結論:「ギヤー油だから第4石油類」「食用油だから必ず動植物油類」と商品名だけで決めません。第4石油類は引火点の境界、動植物油類は油の由来・引火点・規則上の貯蔵保管条件まで確認します。ヨウ素価は不飽和度の指標であり、消防法区分を直接決める数値ではありません。

第4石油類と動植物油類の違い

第4石油類と動植物油類は、どちらも消防法上の第4類・引火性液体ですが、法令上の定義と指定数量が異なります。製品名だけで決めず、引火点、由来、組成、貯蔵保管の状態を確認することが大切です。

現行法令で確認する

定義は消防法 別表第一、指定数量は危険物の規制に関する政令 別表第三、動植物油類から除かれる貯蔵保管条件は危険物の規制に関する規則 第1条の3第7項で確認できます。

実際の製品分類、保管、廃棄、火災時対応は、製品ラベル・SDSと所轄消防の案内を優先してください。

区分 法令上の考え方 指定数量
第4石油類 1気圧で引火点200℃以上250℃未満の液体。法令で除外される物品を除く 6,000L
動植物油類 動物の脂肉等または植物の種子・果肉から抽出した油で、1気圧で引火点250℃未満のもの。所定の貯蔵保管品を除く 10,000L

第4石油類と動植物油類を判定する順番

境界を読み違えないため、商品名ではなく次の順で確認します。最終的な製品区分はラベル・最新版SDS・所轄消防の案内を優先してください。

順番 確認すること 読み違いを防ぐポイント
1 液体で、消防法別表第一の引火性液体に当たるか 用途名だけで危険物と決めない
2 動物の脂肉等・植物の種子や果肉から抽出した油か 動植物由来なら貯蔵保管条件も確認する
3 引火点が200℃以上250℃未満か、250℃未満か 第4石油類の250℃は「未満」で含まない
4 動植物油類の規則上の除外条件に当たらないか 容器・表示・タンク・常温保管等の条件を原文で確認する

定義の原文は消防法別表第一、指定数量は危険物の規制に関する政令別表第三、動植物油類の除外条件は危険物の規制に関する規則第1条の3第7項で確認できます。

100Lを扱うと指定数量の倍数はどう変わるか

第4石油類100Lなら100÷6,000=約0.0167倍、動植物油類100Lなら100÷10,000=0.010倍です。どちらも100Lだけなら指定数量未満ですが、同じ場所で別の危険物も扱う場合は、それぞれの数量を指定数量で割って合計します。計算手順は指定数量と倍数計算で確認できます。

このように、法令区分が変わると倍数計算の分母が変わります。引火点だけでなく、動植物由来と貯蔵保管条件まで確認する理由はここにあります。

第4石油類は引火点200℃以上250℃未満

第4石油類は、潤滑油、ギヤー油、シリンダー油などで見られる区分です。ただし、同じ用途名でも製品の組成や引火点は異なるため、「ギヤー油なら必ず第4石油類」のように商品名だけで判定しません。

数値の境界:第4石油類は200℃以上250℃未満です。250℃は含みません。指定数量は6,000Lです。

引火点が高いほど常温で可燃性蒸気を生じにくい傾向はありますが、燃えないという意味ではありません。加熱、ミスト化、布などへの付着、他物質との混合といった条件で危険性は変わります。

動植物油類は由来と貯蔵状態も確認する

動植物油類は、動物の脂肉など、または植物の種子・果肉から抽出した油で、引火点250℃未満のものです。アマニ油、桐油、大豆油などが学習例として挙げられますが、実際の法令区分は製品の性状と保管状態で確認します。

規則で定める基準に合うタンクで、加圧せず常温保管されるものや、基準に合う容器へ収納・表示して保管されるものは、消防法別表第一の動植物油類から除かれる場合があります。そのため、家庭用の食用油を見て直ちに「すべて消防法上の危険物」と判断するのは正確ではありません。

アマニ油など植物油と法令分類を確認するイメージ
製品名だけでなく、引火点・組成・容器・貯蔵状態を確認する

ヨウ素価は何を表すのか

ヨウ素価は、油脂100gが吸収するヨウ素の量を表し、油脂中の炭素間二重結合の多さ、つまり不飽和度をみる指標です。一般に、ヨウ素価の高い油ほど酸化・重合して乾燥膜を作りやすく、乾性油・半乾性油・不乾性油という整理に使われます。

慣用的な区分 ヨウ素価の目安 特徴
乾性油 130以上 酸化・重合して膜を作りやすい
半乾性油 100〜130程度 中間的
不乾性油 100未満 乾燥膜を作りにくい

この数値区分は油脂化学上の慣用的な整理で、消防法の第4石油類・動植物油類を直接決める基準ではありません。また、ヨウ素価だけで自然発火の有無や発火しやすさを断定することもできません

植物油が付着した布類と蓄熱

植物油などが繊維へ染み込むと、空気との接触面積が大きくなります。酸化で生じた熱が、布類を重ねた内部などに蓄積すると温度が上がり、条件によっては自然発火へ至ることがあります。消防研究センターの「植物油の蓄熱による自然発火危険性について」でも、植物油が染み込んだ布類の酸化発熱と蓄熱が検討されています。

危険性は、油の種類・配合、乾燥促進剤の有無、付着量、布の材質、積み重ね方、周囲温度、保管時間、放熱状態などに左右されます。「ヨウ素価が高ければ必ず発火する」「密閉すれば常に安全」「広げておけば必ず安全」といった一律の説明は避けてください。

植物油が付着した布類で酸化発熱と蓄熱が進むイメージ
酸化発熱と、重なった布類の内部に熱がこもる条件を分けて考える

実務上の安全注意

油が付着した布・紙・研磨材などの一時保管や廃棄は、使用製品のラベル・SDS、事業所の手順、自治体・消防の案内に従ってください。発熱、焦げ臭、変色、煙を認めた場合は触ったり運んだりせず、人を離して119番通報します。消火剤も油の種類、火災規模、設備への適応で選ぶため、記事の類別だけで一律に決めません。

確認問題

含まれません。第4石油類は200℃以上250℃未満です。

第4石油類は6,000L、動植物油類は10,000Lです。

一律にはいえません。引火点などの性状に加え、規則で定める容器・表示・貯蔵保管条件による除外を確認します。

誤りです。ヨウ素価は不飽和度の指標ですが、発火リスクは付着量、表面積、蓄熱、温度、時間など複数条件で変わります。

復習順

  1. 第4石油類は200℃以上250℃未満、指定数量6,000L
  2. 動植物油類は由来・引火点・貯蔵保管条件を確認し、指定数量10,000L
  3. ヨウ素価は不飽和度の指標であり、消防法分類や自然発火を単独では決めない
  4. 第4類の全体分類第4類の消火確認へつなげる
資格太郎

この記事を書いた人

「危険物取扱者への道」運営者。危険物取扱者試験を独学で学習している受験生です。免状は保有していないため、記載する内容は消防法・危険物の規制に関する政令および規則の条文(e-Gov法令検索)と、消防試験研究センターの公開情報で必ず確認してから公開しています。

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