移動タンクを「タンク本体・附属装置・表示」で確認する
このページは、移動タンク貯蔵所(タンクローリー)の基準を確認する4択のオリジナル問題10問です。公式過去問題の転載ではありません。
数値だけでなく、どのタンク室に防波板が必要か、底弁の自動閉鎖装置を省略できる条件、接地導線が必要な危険物を条件とセットで確認します。「すべて厚さ3.2mmの鋼板」「すべて接地導線が必要」のような一律暗記を避けましょう。
現行法令と公式問題で確認する
タンク本体、間仕切、底弁、接地導線、表示は危険物の規制に関する政令 第15条、危標識、防波板、側面枠・防護枠、手動閉鎖レバー、常備書類の細目は危険物の規制に関する規則 第17条・第24条の2の9〜第24条の4・第40条の2の3で確認できます。
出題形式は消防試験研究センターの公開問題を参照しています。積載式、航空機・船舶給油用、アルキルアルミニウム等、国際輸送規程に適合する施設には特例があります。実務では最新法令・告示、許可図書、車両仕様、所轄消防の確認を優先してください。
| 確認項目 | 基本数値・設備 | 条件・例外 |
|---|---|---|
| タンク | 30,000L以下、4,000L以下ごとに完全な間仕切 | 鋼板または同等以上の機械的性質を持つ材料 |
| 防波板 | 2,000L以上のタンク室に2箇所 | 1枚ごとの面積は原則50%以上、形状により40%以上 |
| 底弁 | 手動・自動閉鎖装置 | 引火点70℃以上の第4類または直径40mm以下は自動装置を省略可 |
| 表示・書類 | 類・品名・最大数量、「危」標識、所定書類 | 危標識は前後、届出書・点検記録は該当するものを備える |
ミニテスト10問
問1
移動タンク貯蔵所の常置場所に関する基本基準として、正しいものはどれか。
(1)道路上ならどこでもよい
(2)屋外の防火上安全な場所、または所定の耐火構造・不燃材料の建築物の1階
(3)木造建築物の地下階だけ
(4)危険物を積んでいなければ常置場所の基準はない
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正解:(2)屋外の防火上安全な場所、または所定の耐火構造・不燃材料の建築物の1階
危険物政令第15条第1項第1号です。屋外では防火上安全な場所、建築物内では、壁・床・はり・屋根を耐火構造または不燃材料で造った建築物の1階に常置します。
問2
移動貯蔵タンクの材料と水圧試験について、正しい組合せはどれか。
(1)鋼板だけに限られ、試験は不要
(2)厚さ3.2mm以上の鋼板または同等以上の機械的性質を持つ材料で気密に造り、非圧力タンクは70kPa、圧力タンクは最大常用圧力の1.5倍で各10分間
(3)厚さ1.6mm以上の材料なら材質を問わず、試験は1分間
(4)圧力タンクだけ70kPa、非圧力タンクは試験不要
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正解:(2)厚さ3.2mm以上の鋼板または同等以上の機械的性質を持つ材料で気密に造り、非圧力タンクは70kPa、圧力タンクは最大常用圧力の1.5倍で各10分間
同条第1項第2号です。試験では漏れまたは変形がないことを確認します。「必ず鋼板だけ」とせず、鋼板と同等以上の機械的性質を持つ材料も条文に含まれる点を押さえます。
問3
移動貯蔵タンクの容量と間仕切について、正しいものはどれか。
(1)総容量50,000L以下、10,000Lごとに間仕切
(2)総容量30,000L以下、4,000L以下ごとに完全な間仕切
(3)総容量30,000L未満で、間仕切は不要
(4)総容量の上限はなく、2,000Lごとに間仕切
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正解:(2)総容量30,000L以下、4,000L以下ごとに完全な間仕切
同条第1項第3号です。30,000Lと4,000Lはいずれも「以下」で、境界値を含みます。間仕切も厚さ3.2mm以上の鋼板または同等以上の機械的性質を持つ材料で設けます。
問4
防波板を設けるタンク室と設置方法について、正しいものはどれか。
(1)1,000L以上のタンク室に1箇所だけ
(2)2,000L以上のタンク室に2箇所、移動方向と平行に、高さまたは間仕切からの距離を異にして設ける
(3)4,000Lを超えるタンク室だけに3箇所
(4)防波板はすべてのタンク室で省略できる
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正解:(2)2,000L以上のタンク室に2箇所、移動方向と平行に、高さまたは間仕切からの距離を異にして設ける
危険物規則第24条の2の9です。政令は各区画に省令で定める防波板を設けるとし、規則が対象を容量2,000L以上のタンク室、設置数を2箇所と具体化しています。
問5
防波板1箇所の面積について、正しいものはどれか。
(1)タンク室の最大断面積の10%以上
(2)移動方向の最大断面積の50%以上が原則で、円形または短径1m以下の楕円形なら40%以上とできる
(3)形状を問わず40%ちょうど
(4)面積基準はない
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正解:(2)移動方向の最大断面積の50%以上が原則で、円形または短径1m以下の楕円形なら40%以上とできる
同規則第24条の2の9第3号です。40%の扱いは、移動方向に直角の断面が円形、または短径1m以下の楕円形の場合の例外です。防波板は危険物の動揺で容易に湾曲しない構造とします。
問6
タンク下部の排出口に設ける底弁について、正しいものはどれか。
(1)底弁だけ設ければ閉鎖装置は不要
(2)手動・自動閉鎖装置を設け、引火点70℃以上の第4類用の排出口または直径40mm以下の排出口では自動閉鎖装置を省略できる
(3)自動閉鎖装置だけで手動装置は禁止
(4)引火点70℃未満なら必ず自動閉鎖装置を省略する
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正解:(2)手動・自動閉鎖装置を設け、引火点70℃以上の第4類用の排出口または直径40mm以下の排出口では自動閉鎖装置を省略できる
危険物政令第15条第1項第9号の原則とただし書です。手動閉鎖装置のレバーは、規則第24条の4により手前へ引き倒して作動し、長さ15cm以上とします。
問7
側面枠・防護枠の目的として、最も適切なものはどれか。
(1)上部に突出するマンホール・注入口・安全装置などの附属装置の損傷を防ぐ
(2)運転席の空調を保護する
(3)車両のタイヤだけを保護する
(4)タンク容量を増やす
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正解:(1)上部に突出するマンホール・注入口・安全装置などの附属装置の損傷を防ぐ
危険物政令第15条第1項第7号と規則第24条の3です。保護対象は上部に突出した附属装置です。防護枠は厚さ2.3mm以上の鋼板または同等材料等で造り、原則として頂部を附属装置より50mm以上高くします。
問8
接地導線が必要な移動貯蔵タンクについて、正しいものはどれか。
(1)危険物の種類に関係なくすべて
(2)ガソリン、ベンゼンなど、静電気による災害が発生するおそれのある液体危険物
(3)第6類だけ
(4)固体危険物だけ
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正解:(2)ガソリン、ベンゼンなど、静電気による災害が発生するおそれのある液体危険物
危険物政令第15条第1項第14号です。接地導線の設置を移動タンク貯蔵所の全種類へ一律に広げず、静電気災害のおそれがある液体という条件を確認します。
問9
移動貯蔵タンクの表示と「危」標識について、正しいものはどれか。
(1)類・品名・最大数量の表示設備を見やすい箇所に設け、「危」標識を車両の前後に掲げる
(2)「危」標識は車内に1枚だけ置く
(3)最大数量だけを表示し、類・品名は不要
(4)表示も標識も不要
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正解:(1)類・品名・最大数量の表示設備を見やすい箇所に設け、「危」標識を車両の前後に掲げる
危険物政令第15条第1項第17号と規則第17条です。「危」標識は0.3m平方以上0.4m平方以下の黒地の板に、黄色の反射性を持つ材料で表示し、車両の前後の見やすい箇所に掲げます。
問10
移動タンク貯蔵所に備え付ける書類の組合せとして、正しいものはどれか。
(1)運転免許証だけ
(2)完成検査済証、定期点検記録、譲渡・引渡しの届出書、品名・数量・指定数量倍数変更の届出書
(3)危険物取扱者免状の写しだけ
(4)車検証だけ
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正解:(2)完成検査済証、定期点検記録、譲渡・引渡しの届出書、品名・数量・指定数量倍数変更の届出書
危険物政令第26条第1項第9号と規則第40条の2の3による書類です。届出や点検の該当状況に応じて備えます。移送時に乗車する危険物取扱者本人の免状携帯は消防法第16条の2の別の義務として区別します。
採点後は「数値」と「条件」を対にして復習する
- タンク本体:3.2mmまたは同等材料、70kPa・1.5倍、10分間、30,000L
- 区画:4,000L以下ごとの完全な間仕切、2,000L以上のタンク室に防波板2箇所
- 附属設備:底弁、手動・自動閉鎖、側面枠・防護枠、条件つきの接地導線
- 表示・書類:類・品名・最大数量、「危」標識、完成検査済証・点検記録・届出書
数値を覚えるときは、「4,000Lは間仕切」「2,000Lは防波板」「70℃・40mmは自動閉鎖装置の省略条件」のように対象設備まで結び付けてください。
実際の移送は車両・危険物ごとの手順を優先する
積込み、荷卸し、接地、ホース接続、底弁操作、点検、駐車、事故対応をこの記事だけで判断しないでください。危険物の品名・性状、許可図書、車両仕様、作業手順、SDS、所轄消防の指導を確認し、漏えい・発煙・火災時は安全確保、避難、119番通報を優先してください。
採点後の復習順
- 移動タンク貯蔵所の基準で10問の根拠を確認する
- 移送の基準で資格者乗車・点検・運転要員を確認する
- 運搬・移送・貯蔵ミニテストで制度を区別する
- 許可・完成検査ミニテストへ進む
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