特殊引火物・第一石油類は「法令分類」と「SDS物性」を分ける
このページは、特殊引火物と第一石油類を確認する4択のオリジナル問題10問です。公式過去問題の転載ではありません。
消防法上の品名は別表第一の定義で判断します。一方、引火点、沸点、自然発火温度、密度、溶解度などは、物質の純度、製品組成、測定方法で差が生じます。試験用の代表値と、実際の製品SDSを同じものとして扱わないようにしましょう。
法令と公的モデルSDSの確認先
特殊引火物・第一石油類の定義はe-Gov法令検索の消防法 別表第一、指定数量は危険物の規制に関する政令 別表第三を参照しています。
代表物性と危険有害性は、厚生労働省「職場のあんぜんサイト」のジエチルエーテル、二硫化炭素、ガソリン、アセトン、トルエン、ベンゼンのモデルSDSで確認しました。
ミニテスト10問
問1
消防法別表第一の特殊引火物について、正しい説明はどれか。
(1)発火点100℃以下、または引火点−20℃以下かつ沸点40℃以下のもの
(2)引火点が0℃未満のものすべて
(3)第一石油類のうち非水溶性のもの
(4)蒸気が空気より重いものすべて
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正解:(1)発火点100℃以下、または引火点−20℃以下かつ沸点40℃以下のもの
消防法別表第一は、ジエチルエーテルと二硫化炭素を例示し、二つの判定経路を定めています。指定数量は50Lで、水溶性・非水溶性による別の値はありません。
問2
厚生労働省のジエチルエーテルのモデルSDSに記載された組合せとして正しいものはどれか。
(1)沸点約35℃・引火点−45℃・蒸気密度約2.55(空気=1)
(2)沸点約80℃・引火点−11℃・蒸気は空気より軽い
(3)沸点約100℃・不燃性
(4)相対密度が1より大きく水中に沈む
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正解:(1)沸点約35℃・引火点−45℃・蒸気密度約2.55(空気=1)
モデルSDSでは、沸点35℃、引火点−45℃、蒸気密度2.55、相対密度0.7134が示されています。数値には条件があるため、別製品へ無条件に固定せず、その製品のSDSを確認します。
問3
ジエチルエーテルの長期保管に関する注意として適切なものはどれか。
(1)古い容器は安全確認のため振って開ける
(2)水を加えれば過酸化物は必ず安全になる
(3)光や空気の影響で爆発性過酸化物を生成することがある
(4)強酸化剤と同じ場所へまとめて保管する
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正解:(3)光や空気の影響で爆発性過酸化物を生成することがある
モデルSDSは、光や空気の影響で爆発性過酸化物を生成する可能性と、強酸化剤などとの反応を示しています。古い容器を自己判断で開封・振とう・濃縮せず、供給者と専門手順に従います。
問4
二硫化炭素が特殊引火物に該当する理由の説明として適切なものはどれか。
(1)自然発火温度がモデルSDSで90℃とされ、100℃以下の条件に該当する
(2)沸点が40℃以下だからだけ
(3)水へ完全に混和するから
(4)固体だから
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正解:(1)自然発火温度がモデルSDSで90℃とされ、100℃以下の条件に該当する
二硫化炭素のモデルSDSは、沸点46℃、引火点−30℃、自然発火温度90℃を示しています。沸点が40℃を超えていても、発火点100℃以下の経路で特殊引火物に該当します。
問5
二硫化炭素のモデルSDSに沿った取扱い・保管の説明はどれか。
(1)流しへ流して希釈する
(2)高温面との接触を避け、容器を密閉し、換気の良い涼しい場所で保管する
(3)においを直接かいで漏れを確認する
(4)圧縮空気で充填する
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正解:(2)高温面との接触を避け、容器を密閉し、換気の良い涼しい場所で保管する
モデルSDSは、高温面との接触禁止、圧縮空気を使わないこと、接地・静電気対策、密閉、換気、冷所保管などを示しています。「水より重いから水中保存」だけを一律の実務手順にしません。
問6
ガソリンについて、法令分類と物性値の扱いとして正しいものはどれか。
(1)純粋なオクタンだけからなる特殊引火物
(2)代表的には非水溶性の第一石油類で、混合物なので製品SDSの沸騰範囲や引火点を確認する
(3)水溶性の第一石油類
(4)すべての製品で組成・色・蒸気密度が完全に同じ
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正解:(2)代表的には非水溶性の第一石油類で、混合物なので製品SDSの沸騰範囲や引火点を確認する
消防法別表第一はガソリンを第一石油類の例として掲げます。ガソリンは複数成分を含む製品で、季節・用途・供給者などにより組成や物性が変わり得るため、一つの固定値だけで扱いません。
問7
アセトンのモデルSDSと法令分類に沿う説明はどれか。
(1)蒸気は空気より軽い
(2)炭素数3のアルコールなのでアルコール類
(3)水に易溶で、第一石油類の水溶性液体として整理する
(4)引火性はない
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正解:(3)水に易溶で、第一石油類の水溶性液体として整理する
アセトンはケトンで、消防法別表第一では第一石油類の例示物質です。モデルSDSでは引火点−20℃、水に易溶、蒸気密度2.0が示されています。指定数量は水溶性の第一石油類として400Lです。
問8
トルエンについて正しい説明はどれか。
(1)不燃性なのでSDS確認は不要
(2)水溶性の第二石油類
(3)アルコール類
(4)代表的には非水溶性の第一石油類で、蒸気・ばく露・着火源に注意する
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正解:(4)代表的には非水溶性の第一石油類で、蒸気・ばく露・着火源に注意する
トルエンは引火点が21℃未満の代表的な芳香族炭化水素で、水への溶解度は低く、非水溶性の第一石油類として整理します。実務では引火性だけでなく健康有害性とばく露防止もSDSで確認します。
問9
ベンゼンについて、モデルSDSに沿う説明はどれか。
(1)発がん性はなく家庭で安全に扱える
(2)第一石油類の代表例であり、発がん性などの健康有害性も確認が必要
(3)蒸気は必ず空気より軽い
(4)水へ完全に混和する
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正解:(2)第一石油類の代表例であり、発がん性などの健康有害性も確認が必要
ベンゼンは引火点が低い非水溶性の第一石油類として整理されます。モデルSDSは発がん性を含む重大な健康有害性を示しています。試験上の物性暗記だけで安全性を判断しません。
問10
物性値を使って問題を解くときの確認手順として、最も適切なものはどれか。
(1)引火点が同じなら健康有害性も同じとみなす
(2)古い参考書の一つの数値を全製品へ適用する
(3)においと色だけで物質を特定する
(4)物質名・純度・製品を特定し、測定条件とSDSの改訂日を確認する
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正解:(4)物質名・純度・製品を特定し、測定条件とSDSの改訂日を確認する
物性値は、純度、混合物組成、測定法、温度・圧力などで差が出ます。法令上の分類、試験用の代表値、製品SDSの値、健康有害性を分けて読みます。
代表値は「比較の目安」、SDSは「製品ごとの確認資料」
- ジエチルエーテル:低い沸点・引火点、蒸気滞留、過酸化物生成に注意
- 二硫化炭素:低い自然発火温度、高温面、蒸気ばく露に注意
- ガソリン:混合物として製品別の組成・沸騰範囲・引火性を確認
- アセトン:第一石油類の水溶性液体で、アルコール類とは区別
- トルエン・ベンゼン:引火性に加えて健康有害性とばく露防止を確認
物性確認のための実験はしない
容器を開ける、においをかぐ、点火する、加熱・蒸留する、水や他薬品と混ぜる、古いエーテルを振るといった行為は危険です。漏えい、異臭、容器の異常があれば近づかず、安全確保・避難・119番通報と施設の緊急手順を優先してください。
採点後の復習順
- 特殊引火物で法令定義と代表物質を確認する
- 第一石油類で水溶性区分と代表物質を確認する
- 引火点・発火点・燃焼範囲ミニテストで用語を整理する
- 第4類の分類ミニテストへ戻って品名を横断確認する
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