第5類は一つの分子構造や消火方法でまとめない
このページは、第5類・自己反応性物質を確認する4択のオリジナル問題10問です。公式過去問題の転載ではありません。
第5類は、爆発の危険性をみる熱分析試験、または加熱分解の激しさをみる圧力容器試験で法令上の性状を示す固体または液体です。アゾ化合物や金属のアジ化物も含むため、「すべて分子内に酸素を持つ」とは説明できません。
法令と公的モデルSDSの確認先
第5類の定義・品名はe-Gov法令検索の消防法 別表第一、性状区分・指定数量は危険物の規制に関する政令、類別の概要は総務省消防庁「危険物とは?」を参照しています。
個別物質は厚生労働省「職場のあんぜんサイト」のニトログリセリン、ジベンゾイルペルオキシド、AIBN、ヒドロキシルアミン、アジ化ナトリウムのモデルSDSで確認しました。
ミニテスト10問
問1
消防法別表第一の第5類・自己反応性物質の定義として、正しいものはどれか。
(1)法令所定の熱分析試験または圧力容器試験で自己反応性を示す固体または液体
(2)分子内に酸素を含む物質はすべて該当する
(3)水と接触して可燃性ガスを生じる物質だけ
(4)不燃性の酸化性液体だけ
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正解:(1)法令所定の熱分析試験または圧力容器試験で自己反応性を示す固体または液体
第5類は法令所定の試験で性状を判定します。化学式に酸素があるか、窒素があるかだけでは分類できません。
問2
「第5類はすべて分子内に酸素を持つ」という説明が誤りであることを示す代表例はどれか。
(1)AIBNなどのアゾ化合物
(2)ニトログリセリン
(3)ジベンゾイルペルオキシド
(4)ニトロセルロース
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正解:(1)AIBNなどのアゾ化合物
AIBNの分子式はC₈H₁₂N₄で酸素を含みません。第5類にはアゾ化合物や金属のアジ化物などがあるため、全品名を分子内酸素だけで説明できません。
問3
消防法別表第一で第5類の品名に含まれないものはどれか。
(1)有機過酸化物
(2)硝酸エステル類
(3)アゾ化合物
(4)無機過酸化物
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正解:(4)無機過酸化物
無機過酸化物は第1類です。第5類には有機過酸化物、硝酸エステル類、ニトロ化合物、ニトロソ化合物、アゾ化合物、ジアゾ化合物、ヒドラジンの誘導体、ヒドロキシルアミン・同塩類などが掲げられています。
問4
第5類の性状区分と指定数量の組合せとして、正しいものはどれか。
(1)第一種自己反応性物質10kg・第二種100kg
(2)全品名10kg
(3)第一種50kg・第二種300kg
(4)第一種100kg・第二種1,000kg
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正解:(1)第一種自己反応性物質10kg・第二種100kg
危険物政令別表第三の数値です。有機過酸化物やニトロ化合物という品名だけで10kgへ固定せず、法令上の性状区分を確認します。
問5
ニトログリセリンの凍結状態について、モデルSDSに沿う説明はどれか。
(1)凍結すると必ず液体より敏感になる
(2)凍結すれば完全に安全になる
(3)凍結状態は液体よりやや鈍感でも、半解凍・部分解凍で鋭敏になり得るため状態を問わず危険として扱う
(4)利用者が加熱して解凍してよい
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正解:(3)凍結状態は液体よりやや鈍感でも、半解凍・部分解凍で鋭敏になり得るため状態を問わず危険として扱う
「凍結すると必ず極めて敏感」「凍結すれば安全」のどちらも一律化できません。加熱・解凍・移し替えを自己判断で行わず、製品SDSと専門手順に従います。
問6
ジベンゾイルペルオキシドのモデルSDSに沿う保管・取扱いはどれか。
(1)金属や還元剤と混ぜて安定化する
(2)乾燥状態なら安全なので高温で保管する
(3)利用者が別容器へ移し、湿潤剤を自由に追加する
(4)指定温度以下で日光・熱・衝撃・摩擦・混触を避け、最初の容器で保管する
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正解:(4)指定温度以下で日光・熱・衝撃・摩擦・混触を避け、最初の容器で保管する
モデルSDSは製造者指定温度以下、日光遮断、衝撃・摩擦回避、最初の容器での保管を示します。製品の濃度や湿潤状態を利用者が変更しません。
問7
AIBNのモデルSDSに沿う説明はどれか。
(1)温度上昇の影響を受けない
(2)管理温度を超えると激しく自己分解・発火するおそれがあり、冷所で指定温度以下に保管する
(3)酸素を含まないので第5類ではない
(4)容器を移し替えて温度を確かめる
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正解:(2)管理温度を超えると激しく自己分解・発火するおそれがあり、冷所で指定温度以下に保管する
AIBNはアゾ化合物の代表例です。モデルSDSは温度上昇に敏感で、管理温度を超えると自己加速的な分解・発火のおそれがあると示します。
問8
ヒドロキシルアミンのモデルSDSを読むとき、適切な考え方はどれか。
(1)白色結晶なら安全である
(2)加熱・混触・濃度・健康有害性を確認し、純物質と製品溶液を同一視しない
(3)還元性だけを見れば保管・消火方法が決まる
(4)においで物質を確認する
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正解:(2)加熱・混触・濃度・健康有害性を確認し、純物質と製品溶液を同一視しない
モデルSDSは加熱分解・爆発のおそれと健康有害性を示します。実製品では濃度、安定剤、容器、温度条件が異なり得るため、使用製品の最新版SDSを優先します。
問9
アジ化ナトリウムのモデルSDSに記載された消火剤の組合せはどれか。
(1)二酸化炭素だけ
(2)棒状放水だけ
(3)水噴霧・泡消火剤・乾燥砂類
(4)第5類なので消火剤は存在しない
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正解:(3)水噴霧・泡消火剤・乾燥砂類
モデルSDSは水噴霧・泡・乾燥砂類を挙げ、棒状放水・二酸化炭素・粉末・ハロゲン化物を不適としています。この例からも、第5類を「大量の水だけ」「窒息消火は全部無効」と一律化できないことが分かります。
問10
第5類の保管・消火を確認する手順として、最も適切なものはどれか。
(1)乾燥・加熱・打撃で安定性を確かめる
(2)第5類ならすべて大量注水だけに固定する
(3)品名だけで容器や保管温度を決める
(4)物質名・濃度・希釈剤・安定剤・湿潤状態・管理温度・製品SDS・設備を確認する
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正解:(4)物質名・濃度・希釈剤・安定剤・湿潤状態・管理温度・製品SDS・設備を確認する
同じ法令上の品名でも製品形態で危険性と対応が変わります。実火災では自己判断で近づかず、安全確保・避難・119番通報、施設の緊急手順、消防機関の指示を優先します。
採点後は「品名→性状→製品条件→SDS」で復習する
- 定義:熱分析試験または圧力容器試験で自己反応性を判定
- 指定数量:第一種10kg・第二種100kg
- 製品条件:濃度、希釈剤、安定剤、湿潤状態、管理温度を確認
- 消火:類別だけで決めず、製品SDSと設備・施設手順を確認
加熱・衝撃・乾燥・混合を試さない
味やにおいの確認、加熱、打撃、摩擦、乾燥、湿潤剤や安定剤の追加、別容器への移し替えを行わないでください。異常・漏えい・火災時は近づかず、退避・119番通報と施設の緊急手順を優先してください。
採点後の復習順
- 第5類の共通性質で定義・品名・指定数量を確認する
- 有機過酸化物・硝酸エステル類・ニトロ化合物を比較する
- アゾ化合物・ヒドロキシルアミン・金属のアジ化物を確認する
- 乙5 4択練習で性質・消火を復習する
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