mol計算は「何を数えるか・条件・単位」を先に書く
このページは、mol計算と化学量論を確認する4択のオリジナル問題10問です。公式過去問題の転載ではありません。
計算前に、粒子の種類、相対分子質量とモル質量の違い、気体の温度・圧力、溶液体積の単位、反応式の係数、限界反応物を確認します。問題文に示した近似値を使い、有効数字も最後にそろえます。
定義と数値の確認先
国際度量衡局(BIPM)のmol定義では、アボガドロ定数を正確に6.022 140 76×1023 mol−1と定めています。IUPAC Gold Bookは相対分子質量を分子の質量と統一原子質量単位の比として定義しています。
NIST Guide to the SIでモル体積・モル質量、IUPAC/CIAAWの原子量表で標準原子量を確認できます。試験問題で整数の相対原子質量が指定された場合は、その指定値を使います。
ミニテスト10問
問1
現在のSIにおけるアボガドロ定数Nₐとして、正しいものはどれか。
(1)正確に6.022 140 76×10²³ mol⁻¹
(2)正確に6.02×10²⁰ mol⁻¹
(3)約3.011×10²³ g
(4)22.4 L mol⁻¹
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正解:(1)正確に6.022 140 76×10²³ mol⁻¹
1molは、指定された要素粒子を正確に6.022 140 76×10²³個含む物質量です。試験計算では問題文に合わせて6.02×10²³などへ丸める場合があります。
問2
相対分子質量Mᵣとモル質量Mの説明として、正しいものはどれか。
(1)Mᵣは比なので無次元、Mは質量÷物質量でg/molなどの単位を持つ
(2)MᵣもMも単位はmol/Lである
(3)Mᵣの単位はg、Mは無次元である
(4)両者は温度と圧力だけで決まる
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正解:(1)Mᵣは比なので無次元、Mは質量÷物質量でg/molなどの単位を持つ
学校計算では両者の数値がほぼ同じになるため混同しやすいですが、量と単位が違います。相対分子質量18に対応する水のモル質量は、問題の近似では18g/molです。
問3
H=1、O=16とする。水H₂O 36gの物質量は何molか。
(1)0.5mol
(2)1mol
(3)2mol
(4)18mol
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正解:(3)2mol
水のモル質量は(1×2)+16=18g/molです。n=m/Mより、36g÷18g/mol=2molとなります。質量gをモル質量g/molで割ると単位はmolです。
問4
理想気体1molを0℃・101.325kPaで扱うとき、体積として最も近いものはどれか。
(1)11.2L
(2)22.4L
(3)22.7L
(4)24.5L
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正解:(2)22.4L
0℃・101.325kPaでは理想気体のモル体積は約22.414L/molです。0℃・100kPaなら約22.711L/molとなるため、「標準状態」という語だけでなく問題文の圧力を確認します。
問5
粒子数の計算でNₐ=6.02×10²³mol⁻¹を用いる。0.250molの分子数はいくつか。
(1)1.51×10²³個
(2)2.41×10²⁴個
(3)6.02×10²³個
(4)2.50×10²²個
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正解:(1)1.51×10²³個
粒子数N=nNₐより、0.250×6.02×10²³=1.505×10²³個です。有効数字3桁で1.51×10²³個とします。原子・分子・イオンのどれを数えるかも確認します。
問6
0.500mol/LのNaOH水溶液500mLに含まれるNaOHの物質量は何molか。
(1)0.100mol
(2)0.250mol
(3)0.500mol
(4)1.00mol
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正解:(2)0.250mol
n=cVを使い、500mL=0.500Lへ換算します。0.500mol/L×0.500L=0.250molです。mLのまま掛けないことがポイントです。
問7
CH₄+2O₂→CO₂+2H₂O。CH₄が2.0mol完全燃焼するとき、生成するH₂Oは何molか。
(1)1.0mol
(2)2.0mol
(3)4.0mol
(4)8.0mol
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正解:(3)4.0mol
反応式の係数比CH₄:H₂O=1:2を使います。2.0mol×2=4.0molです。係数比は物質量の比であり、質量比をそのまま表すものではありません。
問8
2H₂+O₂→2H₂O。H₂が3.0mol、O₂が1.0molあるとき、限界反応物と生成するH₂Oの理論量の組合せはどれか。
(1)H₂・3.0mol
(2)H₂・2.0mol
(3)O₂・3.0mol
(4)O₂・2.0mol
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正解:(4)O₂・2.0mol
O₂ 1.0molにはH₂ 2.0molが必要で、H₂は1.0mol余ります。先に使い切るO₂が限界反応物で、係数比からH₂Oは2.0mol生成すると計算します。
問9
O=16とし、気体を0℃・101.325kPaの理想気体として扱う。O₂ 64gの体積は約何Lか。
(1)11.2L
(2)22.4L
(3)44.8L
(4)64.0L
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正解:(3)44.8L
O₂のモル質量は32g/molなので、64gは2.0molです。2.0mol×22.4L/mol=44.8Lとなります。温度・圧力が違えば同じ体積換算は使えません。
問10
ある反応の生成物の理論量が4.00mol、実際に得た量が3.20molだった。百分率収率は何%か。
(1)20.0%
(2)75.0%
(3)80.0%
(4)125%
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正解:(3)80.0%
百分率収率=(実際量÷理論量)×100より、(3.20÷4.00)×100=80.0%です。理論量と実際量は同じ物理量・同じ単位で比較します。
mol計算は4段階で解く
- 条件を書く:粒子、温度、圧力、原子量、近似値
- molへそろえる:n=m/M、n=cV、n=V/Vm、N=nNA
- 係数比を使う:必要なら限界反応物を先に決める
- 戻して確認する:求める質量・体積・濃度へ換算し、単位と有効数字を確認する
計算問題を実験で確かめない
燃焼、中和、気体発生などは理論計算として解いてください。可燃物、酸・塩基、圧縮ガスを自己判断で混合・点火して答えを確認しないでください。
採点後の復習順
- mol計算・化学量論で公式の意味を確認する
- 物質の分類・反応式で係数を復習する
- 密度・気体法則で温度・圧力条件を確認する
- 危険物試験の計算問題6パターンで複合問題へ進む
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