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反応速度・化学平衡ミニテスト10問|速度式・触媒・平衡定数

反応速度と平衡は「経験則」より条件と式を確認する

このページは、反応速度と化学平衡を確認する4択のオリジナル問題10問です。公式過去問題の転載ではありません。

温度上昇で多くの反応は速くなりますが、「10℃上がると必ず2〜3倍」は普遍的な法則ではありません。また、触媒は平衡へ達するまでを速めても、一定温度における平衡定数や平衡組成を一方向へ移すものではありません。

IUPACの定義で確認する

速度式は濃度と速度係数・反応次数などで表す経験的な微分式です。反応次数は一般の多段階反応で化学反応式の係数から決められません。温度依存性はArrhenius式で確認できます。

触媒化学平衡平衡定数の定義も参照しています。濃度で表す近似を使う問題でも、厳密な標準平衡定数は活量と化学量論数で表すことを区別します。

ミニテスト10問

問1

ある反応で速度式v=k[A]⁰と実験的に求められた範囲について、[A]を2倍にしたときのvはどうなるか。

(1)2倍
(2)4倍
(3)変わらない
(4)必ず1/2になる

正解:(3)変わらない

[A]⁰=1なので、その条件範囲ではvは[A]に依存しません。「反応物濃度を上げれば必ず速くなる」とは限らず、実験で得た速度式と適用範囲を確認します。

問2

総括反応2A+B→Pの反応次数について、最も適切な説明はどれか。

(1)多段階反応では速度式を実験で求め、次数を係数2と1から自動的に決めない
(2)Aについて必ず2次、Bについて必ず1次
(3)全反応次数は必ず生成物の係数と同じ
(4)反応次数は負や非整数にならない

正解:(1)多段階反応では速度式を実験で求め、次数を係数2と1から自動的に決めない

反応次数は経験的な速度式の指数です。単一の素反応では化学量論との対応がありますが、一般の多段階反応では総括反応式の係数だけから次数を決められません。

問3

Arrhenius式k=Aexp(−Eₐ/RT)について、適切な説明はどれか。

(1)kの温度依存性を絶対温度Tで表し、10℃上昇時の倍率はEₐや温度域に依存する
(2)10℃上がるたび全反応で正確に2倍になる
(3)温度が上がるとkは必ず0になる
(4)Tには摂氏温度をそのまま代入する

正解:(1)kの温度依存性を絶対温度Tで表し、10℃上昇時の倍率はEₐや温度域に依存する

「10℃で2〜3倍」は限られた場面の目安で、普遍的な法則ではありません。Arrhenius式ではTをKで扱い、AやEₐが一定とみなせる範囲にも注意します。

問4

触媒について、正しい説明はどれか。

(1)反応経路と速度を変えるが、反応全体の標準Gibbsエネルギー変化と平衡定数は変えない
(2)発熱反応のΔHを必ず正に変える
(3)正反応だけを速めて平衡を生成物側へ固定する
(4)反応中に関与せず、常に完全に変化しない

正解:(1)反応経路と速度を変えるが、反応全体の標準Gibbsエネルギー変化と平衡定数は変えない

触媒は反応機構に関与して速度を変え、正逆両方向の平衡到達を速めます。総括的には再生されますが、実際には失活や副反応もあり、「何にも関与しない物質」ではありません。

問5

可逆反応が動的平衡に達した状態として、正しいものはどれか。

(1)正反応速度と逆反応速度が等しく、巨視的組成が時間によらず一定
(2)正反応も逆反応も完全に停止
(3)反応物と生成物の濃度が必ず等しい
(4)生成物がすべて消失する

正解:(1)正反応速度と逆反応速度が等しく、巨視的組成が時間によらず一定

平衡でも分子レベルの正逆反応は続いています。等しいのは正逆の速度であり、反応物と生成物の濃度そのものが同じになる必要はありません。

問6

N₂(g)+3H₂(g)⇌2NH₃(g)の標準平衡定数を活量aで表した式はどれか。

(1)K=a(NH₃)²/{a(N₂)·a(H₂)³}
(2)K=a(N₂)·a(H₂)/a(NH₃)
(3)K=a(NH₃)/{a(N₂)³·a(H₂)²}
(4)K=a(N₂)+a(H₂)+a(NH₃)

正解:(1)K=a(NH₃)²/{a(N₂)·a(H₂)³}

生成物を分子、反応物を分母に置き、化学量論係数を指数にします。教科書で濃度や分圧を使う式は、対象系と標準状態を定めた近似・表現として条件を確認します。

問7

反応式と標準状態を固定した平衡定数Kについて、正しいものはどれか。

(1)Kを変える基本要因は温度で、触媒や初期濃度は同じ温度のKを変えない
(2)触媒を加えるとKは必ず2倍
(3)反応物を追加すると同じ温度でもKそのものが増える
(4)容器を小さくすると必ずKが0になる

正解:(1)Kを変える基本要因は温度で、触媒や初期濃度は同じ温度のKを変えない

濃度・分圧の変更は現在の組成や反応商Qを変え、平衡へ向かう変化を起こしますが、同じ温度のKそのものを変更する操作ではありません。

問8

反応商Qを平衡定数Kと同じ形で定義した。Q<Kのとき、平衡へ向かう基本的な変化はどれか。

(1)正方向へ進み、Qが増える
(2)逆方向へ進み、Qがさらに減る
(3)必ず反応が停止する
(4)触媒がない限りKがQへ変化する

正解:(1)正方向へ進み、Qが増える

Qはその時点の活量で計算し、平衡ではQ=Kです。Q<Kなら生成物側へ、Q>Kなら反応物側へ向かいます。変化するのは主に組成とQであり、一定温度のKではありません。

問9

N₂(g)+3H₂(g)⇌2NH₃(g)を一定温度の理想気体として扱う。容器体積を小さくした直後からの変化として、適切なものはどれか。

(1)気体物質量の少ない生成物側へ向かい、Kは変わらない
(2)反応物側へ向かい、Kは増える
(3)組成は必ず変わらず、Kだけ減る
(4)触媒がなければ圧力の影響はない

正解:(1)気体物質量の少ない生成物側へ向かい、Kは変わらない

体積減少で各分圧が上がり、この反応では気体の化学量論数が4から2へ減る生成物側が有利になります。温度一定なのでKは変わりません。

問10

理想気体の平衡混合物へ不活性気体を加える操作について、最も適切な説明はどれか。

(1)温度・体積一定なら反応成分の分圧は変わらず、平衡は移動しない
(2)全圧が上がるので条件を問わず必ず気体モル数の少ない側へ移動する
(3)不活性気体は必ず触媒になる
(4)温度一定でも平衡定数が増える

正解:(1)温度・体積一定なら反応成分の分圧は変わらず、平衡は移動しない

一定体積では各反応成分の物質量と分圧が変わらないため、理想気体近似ではQも変わりません。一定圧力で加える場合は体積と各分圧が変わり得るので、操作条件を省略しません。

採点後は「速度」と「平衡」を分けて整理する

  • 速度:速度式、反応次数、速度係数、温度、触媒
  • 平衡:正逆速度が等しい状態、活量、K、Q
  • 操作:濃度・分圧・体積はQを、温度はKも変え得る
  • 条件:気相・溶液、理想近似、一定温度・体積・圧力を明示する

加熱・加圧・混合で確かめない

反応速度や平衡の設問は理論問題として解いてください。薬品の混合、密閉容器の加熱・加圧、触媒の添加を自己判断で行わないでください。

採点後の復習順

  1. 反応速度・化学平衡の基本で用語を確認する
  2. 熱化学ミニテストでΔHと平衡を分ける
  3. 酸・塩基・pHミニテストで溶液平衡の基礎を復習する
  4. 計算問題6パターンで条件整理を練習する

資格太郎

この記事を書いた人

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