ミニテスト

溶液の性質ミニテスト10問|濃度・蒸気圧・浸透圧

溶液は「濃度の定義・理想近似・温度」を先に確認する

このページは、溶液の性質を確認する4択のオリジナル問題10問です。公式過去問題の転載ではありません。

物質量濃度は溶液の体積、質量モル濃度は溶媒の質量を分母にします。また、Raoultの法則、Henryの法則、凝固点降下、浸透圧の簡単な式は、理想溶液・希薄溶液などの条件を確認して使います。

溶液の量と法則の確認先

IUPAC Gold Bookの物質量濃度質量モル濃度溶解度の定義を参照しています。

Raoultの法則Henryの法則浸透圧コロイド状態も確認しました。実在溶液では活量係数、解離・会合、濃度範囲などにより理想式からずれることがあります。

ミニテスト10問

問1

溶質Bの物質量濃度c(B)の定義として、正しいものはどれか。

(1)Bの物質量÷溶液の体積
(2)Bの物質量÷溶媒の質量
(3)Bの質量÷溶質の体積
(4)溶媒の物質量÷溶液の質量

正解:(1)Bの物質量÷溶液の体積

物質量濃度はc(B)=n(B)/Vで、Vは混合後の溶液全体の体積です。mol/Lなどで表します。体積は温度で変わり得るため、厳密な濃度には温度条件も関係します。

問2

質量モル濃度b(教科書ではmとする場合もある)の定義として、正しいものはどれか。

(1)溶質の物質量÷溶媒の質量(kg)
(2)溶質の物質量÷溶液の体積(L)
(3)溶媒の質量÷溶質の物質量
(4)溶質と溶媒の質量の積

正解:(1)溶質の物質量÷溶媒の質量(kg)

質量モル濃度は溶媒1kg当たりの溶質の物質量で、単位はmol/kgです。分母は溶液の質量ではありません。質量を使うため、物質量濃度より温度変化の影響を受けにくい量です。

問3

溶質1.0molと溶媒9.0molからなる二成分溶液で、溶質のモル分率はどれか。

(1)0.010
(2)0.10
(3)0.90
(4)1.0

正解:(2)0.10

モル分率(物質量分率)は、成分の物質量を全成分の物質量合計で割ります。1.0/(1.0+9.0)=0.10で、二成分系のモル分率の合計は1です。

問4

溶解度の説明として、最も適切なものはどれか。

(1)指定した溶媒中の飽和溶液の組成で、温度・圧力・表し方を明示する
(2)どの温度でも一定の物質固有値
(3)溶液の密度と常に同じ
(4)未飽和溶液に実際に入れた溶質量だけを指す

正解:(1)指定した溶媒中の飽和溶液の組成で、温度・圧力・表し方を明示する

IUPACは、指定溶媒中の飽和溶液の分析組成として溶解度を定義します。質量、物質量濃度、質量モル濃度、モル分率など表し方が複数あるため、数値だけを比較しません。

問5

理想液体混合物の成分Bについて、Raoultの法則を表す式はどれか。

(1)p(B)=x(B)p*(B)
(2)p(B)=p*(B)/x(B)
(3)p(B)=x(B)+p*(B)
(4)p(B)は組成に関係しない

正解:(1)p(B)=x(B)p*(B)

p(B)は成分Bの分圧、x(B)は液相モル分率、p*(B)は同温度の純成分の蒸気圧です。不揮発性溶質を含む理想希薄溶液では、溶媒のモル分率低下として蒸気圧降下を扱えます。

問6

Henryの法則について、最も適切な説明はどれか。

(1)一定温度・希薄極限では、溶液中の気体成分の活量と平衡分圧が比例関係になる
(2)すべての濃度・圧力で気体の溶解量は無制限に比例する
(3)温度条件は不要である
(4)溶媒の蒸気圧をモル分率で表す法則だけを指す

正解:(1)一定温度・希薄極限では、溶液中の気体成分の活量と平衡分圧が比例関係になる

学校問題では「一定温度で溶ける気体量が分圧に比例」と近似します。実際は定数の定義が複数あり、温度、溶媒、気体、濃度範囲、化学反応の有無を指定します。

問7

理想希薄溶液の沸点上昇・凝固点降下について、適切な式はどれか。

(1)ΔTᵦ≈iKᵦb、ΔT𝒇≈iK𝒇b
(2)ΔTは溶質の色だけで決まる
(3)電解質でもiは常に1
(4)bは溶液1L当たりのmol数である

正解:(1)ΔTᵦ≈iKᵦb、ΔT𝒇≈iK𝒇b

bは質量モル濃度、Kは溶媒ごとの定数、iは粒子数効果を表すvan't Hoff係数です。NaClでi≈2とするのは理想的な希薄極限の近似で、実在溶液ではイオン間相互作用などにより正確に2とは限りません。

問8

水1.00kgにグルコース18.0g(モル質量180g/mol)を溶かす。i=1、水のK𝒇=1.86K·kg/molとすると凝固点降下度はどれか。

(1)0.0186K
(2)0.0930K
(3)0.186K
(4)1.86K

正解:(3)0.186K

グルコースは18.0/180=0.100mol、b=0.100mol/1.00kg=0.100mol/kgです。ΔT𝒇=iK𝒇b=1×1.86×0.100=0.186Kとなります。

問9

半透膜で純溶媒と理想希薄溶液を隔てたときの浸透圧Πについて、正しいものはどれか。

(1)浸透平衡を保つため溶液側へ加える過剰圧で、近似的にΠ≈icRT
(2)溶質を沸騰させる最低圧力
(3)Π≈icR/TでTは摂氏温度
(4)膜が溶質だけを通すときに限る

正解:(1)浸透平衡を保つため溶液側へ加える過剰圧で、近似的にΠ≈icRT

膜が溶媒を通し溶質を通さない条件で、溶媒移動を止めるために必要な過剰圧です。理想希薄近似ではΠ≈icRTを使い、Tは絶対温度Kです。

問10

IUPACのコロイド状態の大きさと光散乱について、最も適切な説明はどれか。

(1)少なくとも一方向がおよそ1nm〜1µmの範囲で、粒子による光散乱が観察される場合がある
(2)必ず1〜100nmだけに限定される
(3)すべてのコロイド粒子は肉眼で個別に見える
(4)コロイドは均一な純物質だけを指す

正解:(1)少なくとも一方向がおよそ1nm〜1µmの範囲で、粒子による光散乱が観察される場合がある

IUPACはコロイド状態を、およそ1nm〜1µmの分割状態として説明します。コロイド分散系では散乱光により光路が見えるTyndall現象が起こり得ますが、境界は測定法や系にも依存する概略範囲です。

採点後は「分母」と「近似条件」を書き出す

  • 物質量濃度:溶質mol÷溶液L
  • 質量モル濃度:溶質mol÷溶媒kg
  • モル分率:成分mol÷全成分mol
  • 理想式:温度、希薄範囲、解離・会合、活量係数を確認

溶解・加熱・加圧で確かめない

危険物、酸・塩基、有害な溶媒・気体を混合し、沸点・凝固点・溶解度・浸透圧を自己判断で測定しないでください。この記事は計算と用語の学習用です。

採点後の復習順

  1. 溶液の性質の基本で定義を確認する
  2. mol計算ミニテストで濃度換算を復習する
  3. 密度・気体法則ミニテストで温度・圧力を確認する
  4. 酸・塩基・pHミニテストで活量の考え方へ進む

資格太郎

この記事を書いた人

「危険物取扱者への道」運営者。危険物取扱者試験を独学で学習している受験生です。免状は保有していないため、記載する内容は消防法・危険物の規制に関する政令および規則の条文(e-Gov法令検索)と、消防試験研究センターの公開情報で必ず確認してから公開しています。

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