液比重と蒸気比重を10問で確認
このページは、第4類危険物の液比重・蒸気比重を確認する4択のオリジナル問題です。公式過去問題の転載ではありません。「第4類は水より軽いものが多い」という傾向と、個別物質の物性を混同しないことが目標です。
液の相対密度は水を基準にした値、蒸気密度は空気を基準にした値です。どちらも基準温度・測定条件が必要であり、同じ名称でも濃度や組成が異なる製品へ固定値をそのまま当てはめることはできません。
消防法上の品名と公的SDSを分けて確認する
第4類の法令上の品名はe-Gov法令検索の消防法別表第一で確認できます。個別物質の参考値は、厚生労働省「職場のあんぜんサイト」の二硫化炭素、クロロベンゼン、酢酸、ニトロベンゼン、アニリン、エチレングリコールのモデルSDSを参照します。
モデルSDSは学習上の確認先です。実務では、手元にある製品のメーカーSDS第9項で物性を確認してください。
| 物質 | 法令上の代表的な整理 | 液の密度・相対密度の参考値 | 蒸気密度の参考値 |
|---|---|---|---|
| 二硫化炭素 | 特殊引火物 | 1.2632(20℃/4℃) | 2.67(空気=1) |
| クロロベンゼン | 第二石油類の代表例 | 1.1058g/cm³(20℃) | 3.88(計算値) |
| 酢酸 | 水溶性の第二石油類の代表例 | 1.0492(20℃) | SDSで確認 |
| ニトロベンゼン | 第三石油類の代表例 | 1.2037(20℃) | SDSで確認 |
| アニリン | 第三石油類の代表例 | 1.0217(20℃/20℃) | SDSで確認 |
| エチレングリコール | 水溶性の第三石油類の代表例 | 約1.1 | 2.14(計算値) |
表の値は各モデルSDSに記載された条件付き参考値です。丸め方や基準温度が異なるため、小数点以下の大小だけを競う暗記には使いません。
ミニテスト10問
問1
液の相対密度が1より大きいという説明として、最も適切なものはどれか。
(1)同じ基準条件では水より密度が大きい
(2)蒸気が空気より重い
(3)必ず水に溶けない
(4)必ず第三石油類である
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正解:(1)同じ基準条件では水より密度が大きい
液の相対密度は水を基準にした値です。蒸気密度、水溶性、消防法上の品名とは別の性質なので、一つの値から他の性質を決めつけることはできません。
問2
第4類危険物の液比重について、正しいものはどれか。
(1)すべて1未満
(2)すべて1を超える
(3)1未満のものが多いが、1を超える代表物質もある
(4)液比重は物質によらず一定
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正解:(3)1未満のものが多いが、1を超える代表物質もある
ガソリン、灯油などは水より密度が小さい代表例ですが、二硫化炭素、クロロベンゼン、酢酸、ニトロベンゼン、アニリン、グリセリン、エチレングリコールなどには1を超える例があります。「例外は7物質だけ」と上限を決めず、出題された物質のSDSへ戻ります。
問3
二硫化炭素について、モデルSDSに沿う組合せはどれか。
(1)液の相対密度約0.71・蒸気密度約0.8
(2)液の相対密度約1.26・蒸気密度約2.67
(3)液の相対密度約1.26・蒸気密度約0.8
(4)液の相対密度約2.67・蒸気密度約1.26
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正解:(2)液の相対密度約1.26・蒸気密度約2.67
厚生労働省モデルSDSでは、液の相対密度1.2632(20℃/4℃)、蒸気密度2.67(空気=1)です。液も蒸気も基準より重い代表例ですが、二つの値は別の基準を使っています。
問4
次のうち、液の密度が水より大きい第二石油類の代表例の組合せはどれか。
(1)灯油と軽油
(2)トルエンとキシレン
(3)クロロベンゼンと酢酸
(4)ガソリンと酢酸
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正解:(3)クロロベンゼンと酢酸
モデルSDSでは、クロロベンゼンは1.1058g/cm³(20℃)、酢酸は1.0492(20℃)です。灯油・軽油・トルエン・キシレン・ガソリンは、水より密度が小さい代表例です。
問5
酢酸について、適切な説明はどれか。
(1)密度が水より大きいので、水とは必ず上下2層に分かれる
(2)密度は水より大きい代表値だが、水と混和するため「底に沈んだ層が残る」とは限らない
(3)水より軽く、必ず水面に浮く
(4)液比重と蒸気比重は同じ値である
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正解:(2)密度は水より大きい代表値だが、水と混和するため「底に沈んだ層が残る」とは限らない
「水より重い」と「水に溶けず底層を作る」は同じ意味ではありません。酢酸は水と混和するため、単純に「沈む」とだけ覚えると水溶性を見落とします。濃度の異なる製品は製品SDSで確認します。
問6
水より密度が大きい第三石油類の代表例として、不適切なものはどれか。
(1)ニトロベンゼン
(2)アニリン
(3)エチレングリコール
(4)重油なら種類・温度を問わず必ず1を超える
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正解:(4)重油なら種類・温度を問わず必ず1を超える
ニトロベンゼン、アニリン、エチレングリコールはモデルSDSで1を超える代表例です。重油は製品ごとに組成・密度が異なるため、「重油」という名称だけで条件を問わず1超と断定できません。
問7
液比重と蒸気比重の関係について、正しいものはどれか。
(1)液比重が1未満なら蒸気比重も必ず1未満
(2)液比重と蒸気比重は同じ値
(3)液比重は水、蒸気密度は空気を基準にするため別々に確認する
(4)蒸気密度は消防法上の指定数量を示す
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正解:(3)液比重は水、蒸気密度は空気を基準にするため別々に確認する
たとえば、水より軽い液体でも、その蒸気が空気より重いことがあります。液漏れの広がりと蒸気の滞留は別の現象なので、SDS第9項の各欄を分けて読みます。
問8
蒸気密度を「分子量÷約29」で見積もる方法について、適切な説明はどれか。
(1)理想気体に近い条件で空気との比較を概算する方法
(2)液の相対密度を求める公式
(3)指定数量を求める公式
(4)混合物にも組成を問わず正確に使える公式
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正解:(1)理想気体に近い条件で空気との比較を概算する方法
約29は乾燥空気の平均モル質量の概数です。純物質の概算には使えますが、実測値や混合蒸気の組成、温度・圧力の影響を無視した万能式ではありません。最終確認は製品SDSを優先します。
問9
モデルSDSの比重を試験学習に使うとき、正しい姿勢はどれか。
(1)小数点以下を無条件に固定して覚える
(2)測定温度・純度・密度か相対密度かを確認する
(3)同じ物質名の混合製品にも必ず同じ値を使う
(4)法令上の品名は比重だけで決める
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正解:(2)測定温度・純度・密度か相対密度かを確認する
密度は温度や組成で変わり、SDSによって丸め方や基準が異なります。試験では1より大きいか小さいかという比較を中心にし、実務では手元の製品SDSを確認します。消防法上の品名は比重だけで決まりません。
問10
危険物の比重を確認する方法として、最も適切なものはどれか。
(1)少量を水へ入れて浮き沈みを見る
(2)臭いで判定する
(3)製品表示とSDS第9項を確認し、実物では試さない
(4)色だけで判定する
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正解:(3)製品表示とSDS第9項を確認し、実物では試さない
危険物を水へ入れる実験は、火災、飛散、有害蒸気、反応、環境流出につながるおそれがあります。製品名・濃度・製品番号を特定し、メーカーSDS第9項と施設手順で確認してください。
採点後は3つの欄に分けて整理する
- 法令分類:特殊引火物、第二石油類、第三石油類などのどこに当たるか
- 液の密度・相対密度:水を基準に1より大きいか小さいか、測定条件は何か
- 蒸気密度:空気を基準にした値で、液比重と混同していないか
代表例の暗記は、出題された物質を見分ける入口です。「一覧にない物質はすべて水より軽い」「水より重ければ必ず水底に分離する」とは判断できません。
浮き沈みを実物で確認しない
危険物を水へ混ぜる、容器を開けて臭いを確認する、蒸気を集めるなどの実験はしないでください。漏えい・異臭・発煙・火災時は安全確保、避難、119番通報を優先し、製品SDS、施設の緊急時手順、消防機関の指示に従ってください。
採点後の復習順
- 第4類の共通性質で液体・蒸気の傾向を確認する
- 特殊引火物で二硫化炭素の物性を確認する
- 第二石油類と第三石油類で代表物質を比較する
- 水溶性・非水溶性ミニテストで比重との違いを確認する
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